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MWC2011:3分で総括! 2011年Mobile World Congress

2011年02月23日 21時15分更新

文● 石川温 編集●ACCN

バルセロナで開催されるモバイルの祭典Mobile World Congressを最速レポ
週アスPLUS:MWC 2011 最強特集

MWC2011:3分で総括! 2011年Mobile World Congress

 MWC2011の主役はなんといってもAndroidスマートフォン。なかでも“ソニエリサムスン”の戦いは強烈だった。両社はいずれも開幕前日の日曜日18時から同時に記者会見を開催。取材する立場としては、どちらか1社しか参加できないため、自ずとどちらの記者会見に行くかの“踏み絵”を踏まされることになる……。

 ソニー・エリクソンはXpera arcを筆頭に、PlayneoProというXperiaラインナップを構築。どんなユーザーにも選んでもらえるような強力なシリーズを創り上げた。

 一方、サムスンもGALAXY S IIをトップにシリーズ化されているが、あまりにGALAXY S IIの完成度が高いため、ほかのラインナップが目立たない印象があった。GALAXY S IIはとにかく薄くて軽いのが特徴。GALAXY Sを購入したばかりのユーザーでさえ「買うのを早まったかも」と後悔してしまうデキに仕上がっている。予想では、ドコモの夏モデルとして日本に上陸するのではないか。

 さらに面白いのが第2勢力。LGエレクトロニクスは裸眼3D液晶に加え、2つのカメラを搭載した“フル3Dスマートフォン”を発表。実際に動画を撮影してみたが、とにかく楽しい。自分で3D映像を手軽に撮影できるというのは想像以上のインパクトだ。「これは合コンで盛り上がりそう」と直感的に思ってしまったぐらいの衝撃。

 また、同社のタブレット端末は、ごく近々日本でも発売されそうな気配。日本で使えるHoneyCombタブレットということもあり、こちらも期待して良いだろう。

 HTCが発表したのがFacebookと連携したhtc chachaとhtc salsa。“F”ボタンを押せば、位置情報を上げたり、見ているサイトをすぐ友人と共有できる。Facebook連携機能は、今年のスマートフォンでもトレンドになりそうな気配。日本でもジワジワとFacebookユーザーが増えつつあるが、おそらく日本のスマートフォンにおいてもFacebookがこの夏あたりにトレンドになってきそうだ。

 毎年、MWCを取材すると、その年の業界の流れが見えてくる。今年で言えば、間違いなくAndroidスマートフォンが中心となる。なかでも“薄型化”競争がひとつのキーワードになるだろう。ソニエリのXperia arcに始まり、サムスンのGALAXY S II、ここに薄型化を得意とする日本企業が割って入ってくるのは間違いない。大画面でありながら、いかに薄くて軽いスマートフォンをつくるかが、メーカーとしての勝負どころになってくる。

 次に来るのがゲームだ。ソニー・エリクソンがPlaystation suiteに対応したXperia Playを発表した。iPhoneでアプリが提供され、タッチパネルでもゲームをやるようになったが、やはりゲームは十字ボタンでやるのが最高だ。集中してハイスコアを狙おうと思ったら、タッチパネルではなくコントローラーだ。Xperia Playは、まさにゲームをやるために生まれたスマートフォンと言えるだろう。

 一方でサムスンは、DeNAと組んで、mobageをスマートフォンに搭載している。さらにHTCはクラウドゲームをタブレット対応させた。ゲームをスマートフォンやタブレットの付加価値と見せるメーカーが増えてきている。

 負荷のかかるゲームを楽しむうえで欠かせないのが高性能チップだ。これまでクアルコムのSnapDragonしか選択肢がなかったが、NVIDIAのTegra2やTIのOMAP 4など選択肢が増えてきた。タブレットにおいてはクアッドコア版などもみえてくるなど、高性能競争はとどまるところを知らない。

 また、2012年に向かって準備が進みつつあるのがNFC。NexusSに続き、GALAXY S IIもNFCを搭載。実証実験も始まるなど、普及に兆しが見えてきた。あとはGoogleやアップルといった企業が本格的に参入するれば、あっと言う間に世界へ広まることになるだろう。

 まさにモバイル業界はスマートフォン&タブレットによって再び勢いづいてきている。まさにMWCで、世界のスマートフォン革命を実感できた。

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