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3Dは150年前からあった! 『3Dビジネスフォーラム2010』に潜入

2010年11月25日 12時21分更新

 今後の3D市場とビジネスを探るセミナー&企画展『3Dビジネスフォーラム 2010』が、11月9~12日に都内で開催。会場では、世界で初めて商品化された『ブリュースタースコープ(英国)』を始め、1860年代から現代までの3Dデバイスや3Dコンテンツが展示されていた。映画界での3Dブームを引き金に、3Dテレビが続々発売されるなど、今年は『3D元年』とも言われているが、その技術への追求は150年も前に始まっていたのだ。写真とともに紹介していく。

3Dビジネスフォーラム 2010 1
3Dビジネスフォーラム 2010 2

 日本でも幕末頃から、現代の3D映像の仕組みを応用したステレオ写真が存在している。上記の写真は、1900年頃の東京日本橋の風景だ。いったい誰が撮影したのだろうと、同フォーラム運営事務局の渡辺昌宏氏(サイメン、3Dプロデューサー)に訊ねたところ、「これは、アメリカKeystone社より発行されたステレオ写真です。この時期、同社より日本各地の風景を撮影したステレオ写真が、多数発行されています」と説明してくれた。
 同フォーラム会場では、他にも渡辺氏が収集した100年前のパリの街角やロシア戦争時の日本軍などを写した『アナグリフ写真』が多数展示されていたが、お馴染みの赤青メガネをかけて見ると、白黒写真ながら没入感が高く、当時にタイムスリップしたような不思議な気分だった。

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 アメリカでは、1900年前半からステレオ写真ビューアが登場し、1950年頃には雑誌やおもちゃなど一般家庭で楽しむエンタメ的な利用が普及していった様子が伺える。1950年代前半、第1次3D映画ブームが起き、一時は年間100本近く製作されていたそうだ。「3Dの映画製作は、1955年以降激減し、第一次のブームは終息を迎えることになります(渡辺氏談)」。また、3Dのジグソーパズルやガムなどのお菓子のおまけとして付いていた3D表示のカードなども展示されていた。もちろん、静止画→映像、ビューア→テレビ、PCや携帯、メガネ→裸眼、アナログ→デジタルといった具合に、3D技術は当時とは比較できない程に発展してきたわけだが、歴史は繰り返すといった感じで、なかなか興味深い。
  「今後の3Dのブレイクスルーの鍵を握るのは携帯だと思っている」と語る渡辺氏。果たして、今世紀の3Dブームの行方はいかに……。

 

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