なのかも……と、ふと思ったり。いや、現状DSやPSP向けソフトのクオリティーには及んでいないとは思いますが、可能性としては上を行く部分もあるように思います。それはゲームをダウンロード購入でき、本体に複数入れておけるというコンテンツストレージとしての魅力に秀でているからです。ゲーム機メーカー各社もケータイ機向けのコンテンツダウンロード販売に着手しています。しかし、この分野ではアップルのほうが商売が何枚も上手という感じがするのです。現時点での供給タイトル数を見ても、ずいぶんと差が開いています。
ゲームタイトルのダウンロードコンテンツ数
iPhone/iPod touch | 約3500本 |
ニンテンドーDSi | 14本 |
PlayStation Portable(PSP) | 277本 |
※2009年2月現在 |
コンテンツのダウンロード販売はゲーム市場全体から見たらまだ試験運用中ともいうべきレベルですが、今後、必ずこちらがメインになるはずです。その根拠は複数あります。
まず、ゲームに限ったことではないですがプログラムは日々、複雑化しており完ぺきなバグ取りはもはや不可能と言われています。もし商品のリリース後に致命的なバグが見つかってしまった場合、ダウンロードコンテンツならパッチを当てることで修正可能ですが、メディアに焼いてしまった場合は“回収”というコストも手間もかかる最悪の手段しか残されていません。
また、ダウンロードコンテンツはコストパフォーマンスに圧倒的に優れています。問屋を介す場合、メディアに焼いたりパッケージ化するのにお金がかかるうえ、流通コストも加わり莫大な金額になってしまい、すべては消費者の負担(=製品価格)となります。といっても価格はほぼ一定なので、数をさばかなくては元が取れないということになります。ダウンロードコンテンツの場合、物理的な製造コストがないうえ、在庫リスクもありません。また、瞬時に世界数ヵ国に向けてリリースできるという魅力に溢れています。
アップルが有利であると冒頭で述べた理由は、まずiTunesストアという確立したショップがあることです。任天堂もソニーもポータル展開していますが、課金システムやレビューとの統合など、音楽で先行するアップルのサービスが何歩もリードしている感は否めません。ゲーム機本体の製造メーカー対して支払うロイヤリティーもアップルのほうが割安と聞き及んでいます。
コンテンツのクオリティーに関しては、現時点ではゲーム専用機に軍配が上がるように思いますが、iPod touch/iPhoneのほうが1コンテンツ辺りの容量が大きいので今後、ドラクエのような大作がリリースされる可能性も十分にあると言えます。
ゲームコンテンツの最大容量
iPhone/iPod touch | 2GB |
ニンテンドーDSi | 1GB未満? |
PlayStation Portable(PSP) | 1.8GB |
※ちなみにケータイアプリは最大10MB程度 |
そもそも上の表のDSi、PSPの容量はカートリッジのものなので、ダウンロードで提供されるものはもっと小容量なアプリとなっているはずです……。PSPはメモステの容量次第でなんとかなるのかも? DSiに至っては本体の少ないメモリーにしか保存できませんので(SDに移動はできるが、SDからの起動は不可)、リッチコンテンツのダウンロード提供は期待できませんですね。
アップルはゲームに関してさほどプロモーションしていませんが、App Store開店後、5億ダウンロードのうちの大半がゲームというのも驚きです。YouTubeにアップされた1ユーザーのレビュー動画から飛んで購入できたりするので、面白いゲームさえつくれば、もはやプロモーションは不要なのかもしれませんね。
ちなみに、ハドソン、セガ、スクエニなどに続き、老舗ゲームメーカーのコナミさんも精力的にiPod touch/iPhone向けタイトルをリリースし始めております。
METAL GEAR SOLID TOUCH
DanceDanceRevolution S Lite
SILENT HILL The Escape
(C)2008 Konami Digital Entertainment
iPodが音楽の利用シーンを変えてしまったように、ゲームも変えてしまうのかもしれません。デジタルコンテンツストレージとしてのiPodの可能性はホント、深いです(しみじみ)。電子書籍はなかなか来ませんケド……。(ACCN)
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