不安のないパフォーマンスを発揮
肝心要のパフォーマンスは、スペックからしてまったく不安のないところだが、CG系ベンチマークや動画エンコードで、実際のパフォーマンスを見ていこう。
「CINEBENCH R20」、「V-Ray Next Benchmark」、「Blender」といったCGレンダリング系に、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使った動画エンコードや「Adobe Photoshop Lightroom Classic」でのRAW→JPEG現像。そしてPC全体のパフォーマンスを見る「PCMark 10」を実行してみた。
各テストは最も高いパフォーマンスが発揮できるように、Creator Centerのシステムチューナーで高性能を選択している。
まずはCPUの性能を見るのに最適な「CINEBENCH R20」だが、クリエイティブ作業に効く、マルチスレッドは2348スコアー、シングルスレッドでも438スコアーと非常に優秀で、デスクトップ向けの6コア6スレッドCPU「Core i5-9400」と、ほぼ同スコアーになっている。Prestige 14は13型クラスのボディーに、現行デスクトップCPUと同等クラスの性能を備えていることになる。
「V-Ray Next Benchmark」は「CINEBENCH」と同じく独自の指標で性能を評価するベンチマークソフトだ。ここでもCPUテストで7552スコアーと十分高い結果を出している。MacBook Pro 2018の13インチモデルでのスコアーが5600前後なので、それを上回るCPU性能であることがわかる。
長時間高負荷のかかるクリエイティブ作業も安心
続いてはCGレンダリングソフト「Blender」と、エンコードソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」で見ていこう。
さすがに12コア/24スレッドCPUのAMD「Ryzen 9 3900X」でも処理完了に約21分必要とする「Blender」の「Gooseberry Production Benchmark」では、レンダリング完了までに61分が必要になっている。
高負荷状態が継続し、スレッド数と動作クロックが処理完了時間に影響する4K→フルHDへのx265、2パス変換を行なった「TMPGEnc Video Mastering Works 7」も同じ傾向で完了までに64分かかっている。
こちらもデスクトップ向けのメインストリームCPU最高峰クラスのRyzen 9 3900Xからは2倍近く時間がかかっているが、CPUの放熱が追いつかず処理中に性能が落ちてしまうことが多々あるノートパソコンとしては十分優秀と言える。
処理中のファン駆動音は、うるさいと感じるレベルまでアップしてしまうが、高負荷処理が数十分継続した時点でも2.8GHz程度の高クロックを維持していた。クリエイターとしては、騒音が大きくてもいいから処理時間が短いほうがありがたいのではないだろうか。そういう意味でも、しっかりとユーザーのニーズにマッチしているように感じた。
旅先などでの写真取り込みも用意
CPU負荷的にはグッとダウンするが、「Adobe Photoshop Lightroom Classic」で、200枚のRAWデータをJPEGに書き出した際は7分4秒で完了した。つまり1枚あたり約2秒なので遅いと感じることはなかった。
SDカードリーダーを備えるThunderbolt 3ドックもあるので、旅行先で撮影した写真を宿泊先で取り込み、家族や友達、恋人と楽しむといったことはもちろん、編集・加工することもストレスなくできると言える。また、Adobe系ソフトはグラフィクス機能のGeForce GTX 1650を使ったパフォーマンスアップも、しっかりと効いていた。
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