ちゃんとコショウが強くて、ちゃんとニンニクが効いている
さっそく食べてみましょう。
おお、スープが肉骨茶です。「つゆがそばつゆです」ぐらいの意味のない日本語に思えて怒られるかもしれませんが、これがとても重要。もう一度、言います。スープが肉骨茶です。ちゃんと。
きちんと、コショウとニンニクが効いているんです。とくにコショウはマジで効いています。完全にそばつゆとは別物。豚オンリーのスープで、かなりピリっとするけれど、しょっぱいわけではない。刺激はあるのに、飲み進められる。たしかに二日酔いに効きそうです。
ニンニクは、フライドガーリックなので、それほど匂いが危険なわけではありません。それでもチェーン店にしては「マジかよ」という量です。辛さを感じるほど入っています。生だとスープに溶け出してつらいですが、揚げてあるので肉骨茶の風味を損ねないところも気が利いていますね。
そばについては、他のそばメニューと共通なので、とくにコメントすることはありません。具材の豚肉が薄切りのものなのは評価したいです。さすがに本場のように骨付き肉を入れるわけにはいかないのでしょうが、よって「骨付き肉が入っていないのに肉骨茶と言えるのか」というツッコミはありましょうが、それでも、富士そばが用意している具材の可で豚の薄切りをチョイスしたのは褒めたいです。肉骨茶のスープと相性がよく、肉骨茶の雰囲気を壊さないですから。
全体的に、よいです。きちんとしています。そりゃ、高級な味わいではないですが、シンガポールのローカルフードをテーマに「現地の味に限りなく近づけた」というのですから、この路線は間違っていないと思います。そのうえで、豚肉をのせて、フライドガーリックとネギをアクセントにしており、きちんと「肉骨茶」でもあり、「富士そば」のメニューでもあります。
590円で現地の味が楽しめるのは、ほんとうによろしい。師走はなにかと忙しい上に忘年会なども多く、ついつい深酒しちゃったよ……ということもあるでしょう。そんなときに、富士そばの肉骨茶そば。おすすめです。全店で展開しているのは12月だけなので、お早めに。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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