FCCLが目指すミッションとは
工場見学の前に、FCCLのプレゼンテーションを開催した。まずはFCCLの代表取締役社長の斎藤 邦彰氏が登壇。プレゼンテーションでは、FCCLが掲げるミッションなどを語った。
FCCLのミッションは、コンピューティングやAI、エッジコンピューティングなどを社会に実装し、ユーザーの生活をよりよくすること。ユーザーの困りごとを解決し、生活や社会を豊かなものにしたいという強い想いが込められている。
テクノロジーが発達するにつれてデジタル格差の広がりが懸念されている中、同社は人の困りごとなどを起点に、安心で便利な製品を輩出している。その例として、働き方改革に向けた最軽量モデルや家族のつながりを意識したモデル、メンテナンスしやすいワークステーション、教育現場を支えるタブレットなどを挙げ、さまざまなニーズに応じた製品を展開していることをアピールした。そのほか、島根富士通の功績や、実践して発想するオフィスなども語ってくれた。
齋藤氏は、「人を支え、人の空間を考え、人を幸せにするものが本当のイノベーションだと思っております。その姿勢を大事にしながら今後も進化を続けていきたい」とコメントし、プレゼンテーションを締めた。
ICCPの可能性を垣間見た瞬間
齋藤氏に続いて、同社執行役員常務 プロダクトマネジメント本部 新規事業本部担当の仁川 進氏が登壇。Society 5.0時代における事業領域拡大を中心としたプレゼンテーションを行なった。
新たな取り組みとして、FCCLが得意とする技術を投入したエッジコンピューティングプラットフォーム「ICCP(Inter Connected Computing Platform)」のコンセプトを発表した。複数のデバイスが集う空間にICCPを整備することで、外部環境に左右されることなく安定した高速処理が可能になるほか、クラウドへのデータを整備・区分化して効率的なやりとりができる。つまり、エッジコンピューターとクラウドが連携し、外部の影響を受けずに効率的なデータのやりとりができるのだ。
次にICCP実現に向けた試作デバイスとして、Wi-Fiを通じて生徒のタブレットに教育コンテンツを配信できる教育期間向けエッジコンピューター「MIB」と、実用的なAIを実行するためのエッジAIプラットフォーム「Infini-Brain(インフィニブレイン)」を紹介した。
今回、Infini-Brainの実力をリアルタイムで認知してもらえるように実演デモを披露した。とあるドラッグストア(島根富士通の2階にある売店)に入ってきた客の顔をAIが検知し、店内に設置された指向性スピーカーを使って万引きの注意喚起を行なうというものだ。今回のデモでICCPおよびエッジコンピュータ―が持つポテンシャルを垣間見ることとなり、今後どういった進化を遂げていくのか気になった。
最後に、「AIを使ったひとつの仕組みとして、ICCPという考え方を実用的に提供するのが我々のミッションだと考えています。お客様の役に立つ、実用的で新しいコンピューティングを提供していく所存ですので、今後とも応援とご協力のほどよろしくお願いいたします」と仁川氏はコメントした。
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