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現時点で最高の自動運転技術を搭載したアウディ「A8」

2019年10月20日 10時00分更新

夜で雨の高速道路での安心感も絶大

 夜の雨降る高速道路に乗り、噂の運転支援を試すことにした。クルーズコントロールはハンドルのコラムシフトにあるレバーを使う。これが実に200km/hまで設定可能で、設定速度は115km/hまでという多くの国産車との違いを感じさせる。つまり新東名の120km/h区間でも、クルーズコントロールを利用できるというわけだ。このクルーズコントロールに、車線キープと車間キープ機能が加わったものが「自動運転レベル2」となる。さっそくクルーズコントロールをオンにすると、レーンキープはすぐに始動し、ハンドルからシステムが介入している手ごたえを感じる。この感覚は日産のプロパイロットに似ている。

アクアラインを走行中の様子

速度計の下にある緑のアイコンがクルーズコントロール、すなわち自動運転レベル2の表示だ

 ハンドルから手を離すと、数秒で警告サインが出ることもプロパイロットと同様だ。使い始めた時は、車間設定が5段階とより細かく設定できることと、操作系だけでは? と思えた。しかし、プロパイロットは雨天時に安全面から利用不可としているのに対してアウディは利用可能。しかも、暗い高速道路でもしっかりとレーンキープをし続けるではないか。

クルーズコントロール中は定期的に注意喚起のメッセージが表示される

 レーンキープは基本的にセンターを厳守するようで、ハンドルは小刻みに動いている様子。ステアリングフィールはやや重めで、ノーウインカーで車線変更をしようものなら結構な反力を感じる。いっぽうウインカーを出すとスッと動く印象。動作状態で応力を変えているのだろう。

 この手の運転支援を利用している際に、気を付けなければならないのは急な割込みだ。筆者の感覚的に、運転支援を搭載する車両の多くは、前走車との車間を約2秒に設定されているようだ。この2秒ルールは警視庁などが推奨する走り方で、メーカーはそれに沿って設計していると思われるが、現実の高速道路ではこの車間2秒は「結構広めに車間を取る」走法。特に都心部での追い越し車線や渋滞時に運転支援を利用すると、2秒の空きスペースに向けて、急な車線変更で入られることが多い。実際アウディA8で運転支援を用いた高速走行中、何度となく強引な割込みに遭遇した。

 この時、ブレーキを踏むなどで運転支援を解除し、速度を落としてやりすごすのが一般的な対処法だろう。しかし、後方から猛スピードでノーウインカーで入り込む、いわば死角からの侵入に対しては、なかなかそうはいかない。多くのシステムはギリギリになってから急減速をし、運転手はその反応で「え? 何?」と驚いている間もなく、いきなり目の前に入ってきた車を察知して、慌ててブレーキを踏む。

 アウディは「この車は入ってくるだろう」と予知していたかのように、減速Gをあまり感じることなく、スッと速度を落としたのである。つまり視野角が広く、遠く、そして演算が早いのだ。これには正直助けられたとともに驚いた。

 これに四輪駆動のスタビリティのよさ、車そのものの快適性。さらに150km/hまでの巡行中はモーターアシストによる走行に切り替わり、エンジンがオフになるという静粛性と相まって、実に快適な高速道路クルージングが愉しめる。軽くハンドルを握りながら、乗ったことはないものの「空飛ぶ絨毯」という言葉が頭に浮かんだ。

 そして、高速道路で必ずといっていいほど遭遇するのが渋滞だ。この渋滞追従においてA8は2秒よりも気持ち短い間隔で追従。前走車が止まると、スッと速度を下げてピタリと停止するのは他の運転支援と同じだが、その車間は狭い印象。気のせいかもしれないが、バイクがすり抜けする際に、車が反応し少し車線をずらすような動きをみせた。これも検知範囲の広さと演算処理の成せる技だろう。

 道は高速道路や幹線道路だけではなく、狭く入りくんだ場所であったり、車庫入れなどが待っている。残念ながらアウディA8には車庫入れの支援は搭載されておらず、アラウンドビューモニターの映像を見ながら行なったのだが、当然それだけでは見落とすようなことが多い。それは2m近い車幅の車が通れるのか? と思えるほどに狭い道でも同様だ。

 車両近くに障害物があるとソナーが感知し、警告音を発報。車内が大騒ぎになるのは今時の車ならではのできごと。あまりの音の大きさにオフにしてしまうこともしばしばだ。ただ、これらは警報が鳴るのみ。アウディA8の場合は、徐行時に障害物が近づくと車両が停止しアクセルを踏んでも車が動かない。この介入を良しとするか否かは人それぞれだが、ぶつけたりしたものなら、どんな請求が来るかわからないだけに、この機能にはかなり世話になった。

【まとめ】この先進性が当たり前になる時代がすぐそこに!

 上記の機能のうち、どれが「プレセンス360」でどれが「アダプティブドライブアシスト(ADA)」なのかは体験できなかったが、これらのシステム全体が、車両が事故防止に務めているのは確かで、システムが自ら車両を操作するのを、これほどまでに強く感じたのは初めてだった。現時点でレーザースキャナーを使った運転支援システムはA8のみだが、今後同社からリリースされる新型車に、同等の機能が搭載されていくのだろう。

 アウディの先進性だけでなく、自動運転レベル5はこの延長線上にあるのだろう、と思うとともに、むしろ人が運転するよりも車に任せた方がよいのでは、とさえも感じる試乗であった。

水平基調のデザインで大人の余裕を感じさせるアウディA8のテールランプ

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