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見たことのない絶景が360度広がる、AirPanoの活動をCEOに聞いた

驚異の空撮VR映像を無料で公開する「AirPano」が狙う日本での目標とは

2019年09月25日 08時00分更新

ドローンの機材と撮影風景を公開

――今後の目標と、どのような活動を続けていきたいと思っていますか?

 最終目標は東京都内上空から撮影することですね(笑)。長い目で見れば、常に一歩先の技術を身につけ撮影することでしょうか。我々が撮影する映像は、常に一歩先を行っていなければならなりません。iPhoneが登場する前にiPhoneのクオリティ(解像度)で撮影をしていました。今は、8Kを映せる環境がようやく登場しましたが、我々はすでに12Kで撮影しています。

 これから5Gがスマホの世界に入ってくると、近い将来スマホで12Kの映像も見られるようになるでしょう。そうなれば、16Kで撮らなければなりません。常に一歩先の技術を取り入れることを意識しています。

撮影機材の1つであるドローン。世界中を飛び回って撮影しているため、持ち運びやすく、組み立てやすいよう、分解収納できるよう改造している。4世代目だそう

カメラはGoProを使用。装着するためのケースは3Dプリンターによる自作で、ここには6台装着する。あとは、天頂に1つ付け全部で7台。全天空360度映像を撮影している

 スイスのマッターホルンをバックに組み立てるまでの過程をタイムラプスで。日本に来る前に撮影で滞在していたという

 ドローンは、着陸用の脚がないので、手で持って離陸し、手で受け止めて着陸するスタイル。ちなみに重量は10kgほど

 また、これまでに380ヵ所以上の場所で撮影してきましたが、10年以上前に撮影した場所は、今見るとチープなものになってしまっています。そうなると、もう一度撮り直したくなります。ただ、同じ映像は二度と撮れないので、撮り直すとなったらより面白い映像にしたいですね。

 活動を続けるにはもちろん資金が必要です。みんなに見てもらいたい作品と、お金になるプロジェクトとで、どちらも主にならないようなバランスをとっていきたいと思っています。撮りたいものを撮り、世界中の人たちに伝えていく今のままのスタイルを、やり続けていきたいですね。


 今回AirPanoが日本に来日したのは視察だけでなく、もっと日本の魅力を、AirPanoを通じて発信してもらうべく、日本の企業クロスデバイスと角川アスキー総合研究所が協力して推し進めていこうとしているためだ。AirPanoが設立してから13年経っているというのに、日本の映像は渋谷のスクランブル交差点の1つしか現状はない(写真は複数上がっている)。インバウンド需要として外国人が見た日本の魅力として、クオリティーの高いコンテンツをAirPanoにお願いして撮影してもらいたい。そのために、両企業が日本の自治体などへ積極的に営業をする窓口として活動するという。

今回日本では静岡県の白糸の滝で撮影を行なっている

 滞在は1週間と短いなか、静岡県の白糸の滝と浜名湖でドローン撮影を行ない、サイトでは公開予定として登録されている。世界中を見てきたSergey Semenov氏にとっては、日本の絶景と呼ばれるようなところは、非常に規模が小さく感じるだろう。しかし日本の文化ならではの場所や風景は、非常に素晴らしいと感じているという。

 東京上空を含め、そういうスポットを中心に、日本のコンテンツがもっと増えてくれれば、海外の人により一層日本の魅力が伝わるかもしれない。

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