7月18日、ついにリリースされたリアル中世オープンワールドRPG『キングダムカム・デリバランス』日本語版。徹底的な時代考証で中世のボヘミア王国(現在のチェコ共和国)の一部を忠実に再現したそのリアリズムが世界中で高い評価を受けているタイトルだ。
今回は日本語版を販売するDMM GAMESの協力を得て、開発を担当したウォーホース・スタジオのPRマネージャー、トビアス・シュトルツ=ツヴィリング氏(以下敬称略、トビー)に、本作の魅力を中心に話をうかがってきた。
情熱が強すぎて開発規模がどんどん大きくなってしまった
――『キングダムカム・デリバランス』はウォーホーススタジオにとって1本目のゲームになりますが、どういった経緯で本作の開発を担当することになったのでしょうか?
トビー 世の中には数多くのRPGがあって、ほとんどが剣や盾といった中世風の設定を持っています。しかし、魔法も竜もなく、実際に起きた史実を元にしたゲームを作っている会社はありませんでした。そこでゲーム全体が本当に起きたことをベースにしたゲームを作りたいと私たちは考えました。アイディアが先にあって、それから会社が出来たのです。
――つまり、このゲームを作るためにウォーホース・スタジオが設立されたと
トビー その通りです。
――1本目からかなりの大作になりますが、これを実現する開発体制なんかも結構大変なところがあったんじゃないでしょうか?
トビー 『キングダムカム・デリバランス』の開発には120名の従業員が携わっています。その中心となっているのは、主にゲームに詳しいゲーマーで構成された30名で、さらにその内の10人は他の会社で実績を上げてきたベテラン開発者です。『マフィア』、『マフィア2』、『オペレーション・フラッシュポイント』などで開発経験を積んだ10名のベテランが集まったゲーマーの育成に当たりました。
この30人の中心メンバーが残りの90人を引っ張って開発を進める形をとっています。自身もゲーマーである若手の人たちはとてもモチベーションが高く、精力的に取り組んでいたので、開発自体は非常にスムーズに進みました。
しかし、実はこの開発体制にはある問題もあって、私たちは3回も発売の延期を余儀なくされたました。というのも、開発に参加したゲーマーの方々の情熱が強すぎて「これを足したらどうだ」「あれを足したらどうだ」とひっきりなしにアイディアが出てきてしまい、開発規模がどんどん大きくなってしまったのです。
――なるほど、やりたいことが多すぎて、それを全部入れたら大きくなっていってしまったわけですね
トビー そうですね。逆に言えばそれだけボリュームが増えたということでもあります。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう