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第9世代Core&GeForce RTX 20シリーズの最強クリエイティブノートPC!

超美麗4K有機EL&世界初のAI搭載ノートPC「AERO 15 OLED」を触る

2019年08月08日 11時00分更新

色の表現力が抜群な4K AMOLEDディスプレー

 AERO 15 OLEDシリーズ最大の見どころは、Samsung製AMOLED(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)ディスプレーにある。これは有機ELにTFT液晶のようなアクティブマトリクス駆動を追加し、応答速度を向上させたものだ。解像度は3840×2160ドット(4K)でも応答速度1ms(明記はされてないが白→黒だと推測される)、さらにDisplayHDR 400にも対応となかなかの内容。

 それに加えて色域はDCI-P3カバー率100%、カラーキャリブレーターメーカーであるX-Rite社が定める「X-Rite PANTONE認証」を取得した色校正済みというスペックが乗る。つまり、普通のsRGB液晶よりも表示できる色の範囲が格段に広く、さらにHDR映像の明暗もしっかりと描き分け、正しい色が出るように調整されている4Kディスプレーを採用している、ということだ。

 確かにAERO 15 OLEDシリーズのディスプレーは高精細で発色も良く、実にビビッドな映像が堪能できる。表面はグレア仕上げだが、使ってみるとそれほど映り込みは気にならない印象だ。有機ELの宿命とも言える焼付きに対してはどの程度もつのか未知数だが、プロ向け液晶ディスプレークラスの発色がノートPCサイズに入っていることを優先したければ断然買いと言える。

X-Rite PANTONE認証を取得し、校正済みなものを出荷しているということを謳うシールがヒンジ付近に貼られている。

ディスプレーの発色を調整するICCプロファイルが組み込まれている。プロファイル名中にある「SDCA029」がパネルの型番を示しているようだ。

組み込まれているICCプロファイルをmacOSの「ColorSyncユーティリティー」で可視化してみた。色域をLab空間にプロットすると、広すぎて全部が見られない状態になっている。

AERO 15 OLEDシリーズのICCプロファイルをDCI-P3(左)やAdobeRGB(右)の色域と比較してみた。図中うっすら白く見える領域がAERO 15 OLEDシリーズのICCプロファイルなので、AdobeRGBより若干広い色域をカバーするよう調整されていることがわかる。

 このAERO 15 OLEDシリーズ最大の欠点は、本機搭載のOELDディスプレーに慣れてしまうと、普通のディスプレーの発色が我慢できなくなるという点だろうか。安価なsRGB色域程度の液晶で写真を見るのがたまらなく寂しくなる。贅沢な悩みだが、眼が肥えてしまったのだと諦めるしかないだろう。

 ただひとつ注意点としては、本機でゲームをする場合、画面解像度はフルHDと4Kの実質2択しかないという点。通常の4KディスプレーだとWQHD(2560×1440ドット)も選べるものだが、AERO 15 OLEDシリーズのディスプレーはパネルの仕様からか、2048×1152ドットや2560×1600ドットといった一般的なノートPCやディスプレイが採用している縦横比16:9とは異なる比率になってしまうのだ。縦横比を16:9にキープしたまま選べる選択肢はフルHD/2048×1152ドット/4Kの3つしかないのがなんとも歯がゆい。

 そして、ディスプレーのリフレッシュレートが60Hzである点も少々残念なところだ。上記の制約からゲームをフルスクリーンで楽しむ場合、フルHDで遊ぶのがメインになるのだが、リフレッシュレートが60Hzなのでゲーミングに特化した製品に比べると快適度はやや下がる。やはり主体は有機ELディスプレーの美しい画面をクリエイティブな用途に活かすPCで、なおかつゲームも楽しみたいという人のための製品と言えるだろう。

今のゲームはOSが選択できる解像度がフルスクリーンモードでゲームを楽しむ場合の解像度となる。この一覧にはWQHDが出てこないため、WQHDで楽しむ場合はウインドウモードで遊ぶことになる。

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