小型のモバイルマシンがメインマシンで使われるには
「目指したのはメインマシンの最小系」。株式会社VAIOは、7月1日に5周年を迎え、新たな製品を投入する。これまで、VAIOの製品の中ではビジネスシーンで利用されるメインマシンは13.3インチのVAIO Pro PG(VAIO S13)で11.6インチのVAIO Pro PF(VAIO S11)はサブの存在。ただ、モバイルワークの観点では小さい方が便利なはずなのだが、その分使い勝手が少しだけ犠牲になっていたことは否めない。そこで、サブだった存在からメインへ昇格させるマシンを開発。12.5インチのモバイルノート「VAIO Pro PJ(VAIO SX12)」が誕生した。本日7月9日より予約開始され、7月19日に発売される。
昨年からVAIOは、さまざまなマシンを投入してきた。その中でも今回と同じコンセプトのマシンがVAIO Pro PK(VAIO SX14)だ。VAIO Pro PGのサイズとほぼ同じながら14インチ液晶を搭載。デスクトップマシンを使っていた人が、より大きな画面を欲していることを考慮して開発されたモデルだ。
VAIO Pro PJも、VAIO Pro PFと同様のサイズながら大画面化が第一目標だった。VAIOはソニー時代からこれまで、さまざまなサプノートを提供してきた。ユーザーのアンケートによると、このサイズ感の需要はあるものの、メインとなるのは12から13インチのモデル。11インチの画面サイズだとサブとして扱われるケースが多かった。そのため、11インチモデルのサイズ感はそのままに、より大画面化することでメインのマシンになることを追求したのである。
本体サイズは、VAIO Pro PFより一回り大きい287.8(W)×15.7~18.0(H)×203.3(D)mmで、重量は最軽量モデルで888g。もっとも重くても897gと900g以下に抑えられている。
もう一つ、VAIO Pro PFがメインマシンになれなかった理由が、キーボードのサイズである。VAIO Pro PGは、約19mmのフルピッチサイズのキーボードを採用しているが、VAIO Pro PFのキーピッチは約16.95mm。わずか2mm程度の差なのだが、その差は意外と大きく感じる人が多いのである。
そこで、本体の幅ギリギリまでキーボード配置することで、約19mmのフルピッチサイズを実現した。ただ、VAIO Pro PGのキーボードをそのまま入るスペースはなかったため、両端のキーサイズは幅が狭くないっているものの、使い勝手としては遜色ない。
もちろん静寂性や指紋がつきにくく刻印も消えにくい仕様などはそのまま。ただ、キーボードが端まで配置されたことで、インターフェースに干渉することになり、基板を少し下げた。このため高さの低い部品を使うなどの工夫が必要になり、基板は再設計を余儀なくされ、苦労したという。
それでも、堅牢性は確保すべく、スリムベゼル化による剛性不足も高弾性UDカーボン天板による面で強度を確保。カーボン繊維もこれまでとは違う編み方をして強度を高めている。また、キーボードの裏にあるバックプレートも本体左右に広げ強度を向上。コネクター部分も樹脂製の梁を渡すことで、強度の向上を図っている。
こうした努力により、従来と同様のペンハサミ試験や液晶180度開きひねり試験、落下や加圧試験といった過酷な試験をクリアする強靭なボディーを手に入れたのである。
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