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最大384kHz/24bitのPCMにも対応

ペン型USB DAC「SPECTRA X」は、直径11mmで11.2MHzのDSDにも対応

2019年07月09日 00時00分更新

ペンケースにも入れられる、ハイレゾ対応DAC

 フォーカルポイントは7月8日、小型でハイレゾ音源(最大32bit/384kHz、DSD11.2MHz)の再生に対応したポータブルDACアンプ「SPECTRA X」(スペクトラエックス)のプレス向け体験会を開催した。ジーンズのポケットにスマホを入れるぐらいの手軽さで使える、ペンシル型のDAC内蔵アンプ。台湾Maktar(マクター)社の製品(NEXTDRIVE社と共同開発)となる。

 本体の直径は11.2mm、長さが89mm。重量は17g。搭載するDACチップはESS Technology社の「ESS9018Q2C」。本体には専用ポーチが付属する。

iPhone 7 PlusやLightning/3.5mmの変換ケーブルと比べるとサイズ感が分かりやすいかも。(写真は試作機、外観など実際の製品とは仕様が異なります)

 接続端子が、USB Type-C、USB Type-Aの2種類がある。スマートフォンとの接続だけでなく、PS4やNintendo Switchなどゲーム機との接続も可能だ。

 独自音響技術「Xtra SOUND」を新たに採用、ノイズフィルタの強化、省電力化などを進めた。バッテリー充電が不要なバスパワー駆動に対応する。ダイナミックレンジは公称121dB。歪み率(THD+N)は110dB。出力は2Vrms(600Ω)、49mW(32Ω)となる。

内部の様子

 また、iPhone向けにLightning端子を備え、消費電力を抑えた「Spectra X2」も開発中だ。SPECTRA Xとは使用するDACの型番が異なる。同じESS Technology製で、音調は近いが、消費電力に加え、歪みなども多少軽減しているという。

9月の出荷に向けて、割安な価格でクラウドファンディング中

 GREEN FUNDING by T-SITEで先週金曜日からクラウドファンディングを開始しており、すでに250万円以上(目標金額の500%)の資金調達に成功しているという。出資は9月2日まで受け付けている。一般販売は9月下旬以降を予定している。

 発表会では、11.2MHzのDSDや384kHz/32bit(DXD)音源の試聴もできた。

 デモ用に用意されていたのは、潮晴男氏と麻倉怜士氏が主催する、音楽レーベル・Ultra Art Recordの第1弾アルバム『エトレーヌ』から情家みえさんの「You Don't Know Me」。フォーマット別の比較試聴もできた。すでにPro Toolsでデジタル録音したマスターを使用したCD、e-onkyo musicなどで配信中のハイレゾ音源などが入手できるが、今後は11.2MHzのDSD版やDXD版(384kHz/32bit)もリリース予定だ。これらは、2インチのオープンリールを使ったアナログマスターから直接トランスファーする、非常に手の込んだ手順で作られた音源となっている。フォーマットの違いで音がどう変わるかを知れるものとしても興味深い。

SPECTRA Xはハイレゾの大衆化をもたらすと麻倉怜士氏

試聴音源の解説

ULTRASONEのSignature DXPと組み合わせて試聴

 SPECTRA Xは2万円台後半で入手できる製品で、機能を考えれば、かなりリーズナブルな機種と言える。しかし、音質は非常に高く、組み合わせたULTRASONEの「Signature DXP」の能力を良く引き出し、これらのフォーマットの違いをよく描き分けていた。個人的な感想としては、DSD音源は滑らかでアナログ的、DXD音源はクールでメリハリ感がある表現が特徴だ。手持ちのスマートフォンを使って、これら最新のフォーマットの魅力を存分に楽しめる点は魅力的だ。

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