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もらった巣箱で始めた養蜂にテクノロジーで挑んだらこうなった

ニホンミツバチの養蜂IoTにsakura.ioを活用してみた

課題はセンサー設置のたびに刺してくるハチ

大谷:今回の養蜂IoT、導入にあたって苦労したことはありましたか?

上大田:sakura.ioとは関係なく、まずセンサーを設置するときにハチに攻撃されます。設置するときは、父が巣箱を上げて、その間に私がセンサーを取り付けるのですが、本当にコントみたいでした(笑)。父も苦労してますが、私も様子を見に行ったりするので、怖いですね。

巣箱から蜜を取り出す

取り出した蜜

大谷:コント(笑)。確かにハチからすると、食べ物を狙っている敵にしか見えないですからね。sakura.ioは使ってどうでしたか?

上大田:使いやすいと思います。線を引っ張ってI/Oとるみたいなことが無線になりましたというイメージで、ほしい人は多いと思います。意外とこの価格帯でモジュール単位で使えるIoT製品ってないですよね。僕らはあくまで課題解決に向き合いたいので、その意味ではSIMだけだと難しかったんです。

当初は電力が課題でした。最初に巣箱を置いた畑は、100V電力が引かれた休憩所があるので電力の心配がない。でも、山の中に置くこと考えたら、やはりバッテリ駆動してくれないと困ると思っていました。とはいえ、父がリサイクル会社に嘱託で勤めている関係で、車のバッテリがなんぼでも手に入る。12Vのバッテリが選び放題なんです。

大谷:珍しい環境ですね(笑)。sakura.ioの電力利用ってどんな具合なんですか?

上大田:sakura.ioは意外と電力食います。sakura.ioをミニマム10分間に1回の発報でも最低通信料60円に収まります。でも、これだとギリギリ1週間もつかもたないかですし、そもそも巣箱見回り用途なので10分間に1回も送る必要ないんです。だから、今は1日1回にしています。

実は本業の方でさくらの長谷川さんと知り合う機会があり、そこで個人でsakura.io使っているんですよと話したら、ファームウェアをアップデートしたら消費電力減りますよと個別にアナウンスしていただいて、試してみたら実際に延びました。その後、太陽光発電でバッテリに給電するようにしたら十分もつようになりました。だから、もう増やすのに障壁はないです。

大谷:そこまで自作したんですね。すごい!

上大田:一番、困るのは複数の巣箱でとれるタイミングがすべて同じになることなんですよ。採蜜の作業って、蜜のついた巣を洗濯ネットみたいなやつに入れて、ひたすらポタポタ落ちてくるのを待つんです。だからめちゃくちゃ時間がかかるし、ポリタンクもそんなにいっぱいありません。

採蜜の作業を経て、蜂蜜として採集できる

大谷:なるほど。一方の巣箱で蜜を溜めている間に、もう一方の巣箱では巣を取り出して、採蜜作業に入るという感じにしたいんですね。1年中出荷する野菜とか、漁業のいけすとかはそういう感じですね。

上大田:すべての巣箱が毎回20kgとれるまで待つのではなく、戦略的にずらしたいのです。センサーを全部に設置すれば、そういったことも可能です。

あと今後は小型化したいんですよね。電波の利得を考えれば確かにダイポールアンテナがいいのですが、他社製品だとフィルムアンテナなども選べるので、小型化を考えるとアンテナの選択肢もほしいですね。

養蜂IoTからスタートし、介護や食品の衛生管理まで幅広く使える

大谷:これって、今後はどうするんでしょうか? ここまで作ってちょっともったいないかなと。

上大田:もともと養蜂って個人事業者が多い業界だし、私自身が中小企業診断士でもあるので実感するのですが、中小零細企業でも使えるIoT端末で、そこそこの機能のものを安くできないかなと思っていました。

大谷:では、外販も検討しているんですね。

上大田:今考えているのは、ESP32というArduino互換のマイコンがあるので、これとsakura.ioをつなげられるコネクタを搭載したボードを用意して、一体化できないかな。I/Oはすべて外に出して、汎用的なものにしたら、養蜂だけではなく、農業でも使えそうです。

あとは、食品の衛生管理のために今後「HACCP」という認証制度に基づく管理が求められます。飲食店は自前で食料の品質管理を行なう必要があります。たとえば冷蔵庫の温度を管理しなければなりません。でも、現状は冷蔵庫に取り付けられた温度計を一定間隔で見てメモっています。面倒くさいじゃないですか(笑)。

大谷:確かに、さっきの養蜂IoTの話とまったく同じですよね。

上大田:だから、実証実験的に家の冷蔵庫の温度を計ってますわ。飲食店なんて、どこでもWiFi使えるわけじゃないです。だから、LTE通信できるsakura.ioのモジュールでも試してみたいなと。

身近な人の課題を解決するという意味では、中小企業診断士でやっていることと目的が合致しています。たとえば、介護ビジネスを考えているお客様であれば、やはり見守りに興味を持ちます。温湿度計ってたり、ちゃんと電気付けているかどうか調べたいんです。

大谷:なるほど。そう考えると養蜂IoTはきっかけなんですね。

上大田:お金がなくても使えるIoTを作ってみたいですよね。冷蔵庫の温度監視は基板だけでなら1万円だし、システム作っても2万円くらいで済みます。僕らが使うのって、何十台のレベルですからね。

大谷:大量生産とは異なるDIY IoTで地元の課題解決とは面白いですね。ありがとうございました。

カミ爺養蜂場を手がける上大田父子

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不適切な表現が一部ありましたので、該当箇所を削除させていただきました。お詫びし、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2019年7月17日)

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