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ゲーム専用機不要、ネット環境さえあればすぐに本格ゲームが楽しめる

Google I/O会場で体験した「STADIA」は大化けするゲームプラットフォーム

2019年05月08日 15時00分更新

 グーグルは5月7日(現地時間)より、カルフォルニア州マウンテンビューの本社横にある広場で、開発者向けイベント「Google I/O ’19」を開催。基調講演で幕が開いた。

 基調講演では、ネットでのリーク情報通りに「Pixel 3a/3a XL」が発表となった。また、次期OSとして、Android Qの機能強化も披露された。

 一部のネット情報ではグーグルが3月に発表したクラウドゲームプラットフォーム「STADIA」の詳細が発表されるのではないかと噂されていた。

 個人的にも、10連休の最中に日本を飛び出し、わざわざマウンテンビューまで基調講演を取材に来ているだけに、ぜひともSTADIAの詳細が知りたいと思っていた。

 しかし、ストリーミング中継やネット記事をすでに見ている人はご存知だと思うが、基調講演でSTADIAの詳細が語られることは一切なかった。今回の基調講演でグーグルは、最近、やたらと風当たりの強いプライバシーへの対応や、体の不自由な人に向けてAIの力を活用していく取り組みの発表に注力していた感があった。

 まさに「Google I/OではSTADIAはおあずけ」。そんな雰囲気さえあった。「STADIA、見たかったのになぁ」と失意をいだきながら、プレスルームに帰ると、そこにはPixel 3a/3a XLを自由に触れるスペースがあった。

 「この値段で、このスペックだとかなり売れそうだなぁ」と感心していたら、プレスルームの奥に「STADIA」の文字を発見。なんと、Pixel 3a/3a XLと同様にSTADIAを体験できるスペースが用意されていたのだ。

 なぜか、メディアの関心も薄く、すぐにSTADIAを触らせてもらうことができた。

 実際に触ってみると、一般的に市販されているゲームコントローラーと何ら違いはない。コントローラーにつながっているケーブルの先を見てみると、そこにはPixelBookが置いてあった。

 早速、ゲームをしようと思い、適当にボタンを押したところ、ゲームが終わってしまい、Chromeブラウザの画面が出てきてしまった。どうやら、Google PixelBook上のChromeブラウザでゲームを走らせ、PixelBookのUSB-C端子からHDMI出力でテレビでつないでいるようだ。

 説明員がGoogle PixelBookのキーボードをあれこれいじっているのだが、固まってしまったようでなかなか動かない。Chromeブラウザをリロードするなどしてなんとかゲーム画面が復活した。

サクサク動き、まるでローカルで動いているかのよう

 実際にゲームの中のキャラクターを動かしてみたが、コントローラーの動きに対して、全く遅さを感じることなく、普通に動かすことができた。ゲーム画面の解像度も高く、水しぶきなども忠実に表現していた。ちなみにゲームコントローラーは単なるコントローラーとしてか機能していないようだ。

 「これ、クラウドで処理していますよ」と言われなければ、まるでローカルで動いているような錯覚を覚えるサクサク動いていた。

 ただ、Google I/O ’19の会場は、基調講演が行われるシアターのプレス席でも700Mbps程度の速度が出てしまうほど、超高速で安定した通信が行える環境だ。実際、自宅やモバイル環境などでは、どのくらい使い物になるかは改めて検証が必要だろう。

 ちょっと試しただけだが、Google PixelBookにゲームコントローラーを刺し、テレビに出力してすぐに本格的なゲームを楽しめるという環境は、かなり手軽だと感じることができた。

 もちろん、ノートパソコンでもいいし、タブレットやスマホなど、Chromeブラウザが動けば、どうような環境をどんな場所でも構築できる。「ゲーム専用機を持ち歩かなくても、ネット環境さえあれば、すぐに本格ゲームが楽しめる」という点において、STADIAはかなりの可能性があるのではないだろうか。

 今回は試せなかったが、YouTube連携など、グーグルの武器が集大成していると言えるSTADIA。ひょっとすると大化けするゲームプラットフォームになり得るのではないだろうか。


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