開発者じゃなくてもスキルが作れるAlexa Skill Blueprints
次に先週発表されたばかりの「Alexa Skill Blueprints」が説明された。これまでAlexa Skillsはスキルと開発が必要だったが、Alexa Skill Blueprintsを使うと、あらかじめ用意されたテンプレートに入力事項を入れると簡単にスキルが作れるという。
たとえば「カスタムQ&A」のテンプレートでは、「ユーザーが質問すると、Alexaが答える」というスキルを自分で作れる。また、「フラッシュカード」では、逆に「Alexaが出した質問に対してユーザーが答える」というスキルを作れる。今の時期に最適な「春のお便り」では、ビジュアルとともに音声メッセージや自身の声の録音を送れるというものだ。ちなみにカスタムQ&Aのテンプレートだけは、呼び出しなしで使える特徴があるという。
Alexa Skill Blueprintsでは現在8種類のテンプレートが提供されているが、北米ではすでに数多く用意されており、日本でもどんどん増える予定。「家庭専用スキル、学習専用スキル、離れた家族へのメッセージ、家族へのサプライズなどさまざまな用途で使える。米国ではBlueprintsで作ったスキルが公開できるようになっている」と吉田さんは語る。あまりフォーカスがあたってないようだが、手軽にマイスキルを作れるBlueprintsに途方もない可能性を感じる。
スキル開発者支援もますます充実 音声ならではのUI・UXがいいスキルの鍵
最後はAmazonによるスキル開発者支援の紹介だ。たとえば、「Alexa-hostedスキル」ではAWSアカウントがなくてもスキル開発ができるる環境が用意され、コードエディタもすぐ使える。バックエンドではAWS Lambdaが動いているのだが、ユーザーはAWSアカウントを意識しないで済む。「エンドポイントも設定しなくてよいし、CloudWatchや制限付きでS3も使える。本格的な開発にはAWSアカウントが必要だけど、最初のステップとしてオススメ」(吉田さん)。
その他、対話モデルの検証を容易に行なえる「発話プロファイラ」や特定のインテントへの誘導を容易にする「インテントチェーン」、同類語の学習を容易にする「動的エンティティ」なども追加。入門者向けのコンテンツも、動画と読み物バージョンが用意されており、スキル開発の敷居はかなり下がったと言えるだろう。
まとめに入った吉田さんは「音声UIは人とITの新しい接点という話をしてきて、スキルの数もずいぶん増えてきた。でも、まだまだ駆け出しのステージだと思う」と語る。しかし、Alexaのスキルは大規模な開発チームがいなくても、3Dやグラフィックスのような専門知識がなくても、優れたスキルが作れる敷居の低さもAlexaの魅力だ。吉田さんは「音声ならではの特性を活かしたUI/UXを作れるかがいいスキルを作る鍵。まだまだ定石やユースケースが少ない状態で、優れたUI/UXを作らなければならない。大変だけど、面白い時期じゃないかと思います」と語り、ユーザーコミュニティといっしょにAlexa開発を拡げていくという。
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