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海外購入Galaxyも日本で修理

折りたたみスマホの日本導入はありえる! サムスン海外トップが語るGalaxyの国内展開

2019年03月14日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集● ASCII編集部

日本でも海外モデルの修理を可能に

───今回原宿に大規模な店舗をオープンしましたが、他の都市への展開は考えていますか?

DJ Koh氏 これまでこうした体験空間は新製品の発売ごとに展開してきました。ですがそれらは限定的、3ヵ月や6ヵ月というものでした。今回は弊社の製品を消費者が直接体験できる場所を作ろうと、2年くらい前から展開を考えていました。この体験空間を10年のスパンで展開を考えています。現時点では原宿以外への展開は未定ですが、評判が良ければほかの都市への展開もしたいですね。これからの皆様の反応をみて考えたいと思います。

───Galaxy Harajukuでは端末の1時間での修理が可能とのこと。日本以外、海外で販売されたモデルも修理をしてくれるのでしょうか?

DJ Koh氏 原宿という場所を選んだのは日本の方はもちろん、世界各国からお客様が集まる場所だからです。まずは日本販売モデルの修理を受け付けますが、現在、6月をめどにグローバル販売端末の修理を受け付ける準備を進めています。

 「Galaxyブランドをお客様に愛される製品とブランドにする」。これが私の経営哲学です。Galaxyを使われているお客様がいつでも安心して使えることを考え、サービスやサポートを展開したいと考えています。

Galaxy HarajukuはGalaxyの情報発信やサポートを行なう

───日本市場は間もなく料金の完全分離モデルが導入されます。御社の製品販売に影響が出ると思われますか?

DJ Koh氏 料金分離は、すでに韓国市場で経験しております。ある程度影響が出るかもしれませんが、最も重要なのは、革新的な製品を作るということです。いい製品を作ることができれば、環境や制度の変化が多少あっても消費者の皆様に受け入れられてもらえると考えています。

───日本市場へのSIMフリー端末の投入は検討されていますか?

DJ Koh氏 韓国では「自給制」という名前でSIMフリー型の販売もしており、Galaxy S10の発売時には消費者の方もそちらを選ぶケースがありました。SIMフリー販売は消費者の購入選択の幅を広げるものと感じています。

───日本ではGalaxy Feelなどミッドレンジモデルも人気ですが、今後の製品展開はどのように行っていくのでしょうか?

DJ Koh氏 実は日本市場はこれからフラッグシップモデルで勝負をしたいと考えております。とはいえ、パートナーの方が求める価格や性能を満たした製品を提供することで消費者の方々も喜んでいただくことができると考えています。Galaxy Feelなどはパートナーの料金制度との組み合わせでいい反応をいただいているとも聞いております。

 ですから今後の製品展開は、ミッドレンジやハイエンド、といった製品そのものにフォーカスするというよりも、パートナーやお客様の声に耳を傾け、その要求を実現できる製品を投入することが一番だと考えています。たとえば、日本ではまだフィーチャーフォンユーザーが多いですから、その方々の乗り換え先としてミッドレンジモデルを出すことも一つの回答になるでしょう。

───日本ではハイエンドはiPhoneが強く、ローエンドは中国メーカーが台頭しています。どのように対抗していきますか?

DJ Koh氏 我々がやるべきことはお客様に信頼されて愛される製品を作ることが第一だと考えています。Galaxy Harajukuでサムスン製品の革新性をお客様に伝えることも重要だと思います。

Galaxy S10eはなぜ生まれた?
シェア1位を守るための秘策は?

───これまで2つのモデル展開だったGalaxy Sシリーズですが、今回は小型モデルの「Galaxy S10e」が加わっています。

DJ Koh氏 Galaxy S10eはお客様からの3つの要望の声にこたえて製品化しました。

 まずGalaxy S8以降、弊社の製品はエッジスクリーンと大画面モデルを基本としています。しかし、一部の消費者の方々から「フラットスクリーンのモデルも欲しい」という声が聞かれました。

 2つ目は女性のお客様を中心に、より小さいサイズのモデルを作ってほしいという声も多く聞かれました。

 そして3つめはフラッグシップモデルの仕様を若干変更することで、より適切な価格で製品を展開してほしいという意見も聞かれたのです。

Galaxy S10eは市場の声から生まれたとDJ Koh CEOは話す

───2月の発表会では5Gモデルも含め5機種が登場しました。今後もモデル数は増やしていく方向でしょうか?

DJ Koh氏 消費者の皆様のスマートフォンに対する要求は多様化しています。さまざまな要求条件に対応するのは正直大変なところもあります。しかしお客様に愛され、信用されるためには、その声にこたえるのがサムスンのやるべきことと考えています。

───御社はスマートフォンのグローバルシェア1位です。それを維持するためにこれからどのようなことをされていくのでしょうか

DJ Koh氏 No.1を守り続けることは非常に難しいことです。なぜなら、現在スマートフォンの技術のほとんどは一般化していて、多くのメーカーが市場に参入しています。お客様の考えやご意見に対して迅速に対応できなければ市場1位をキープするのは大変でしょう。

 インド市場ではオンライン販売に特化したモデル「Galaxy M」シリーズを出して成功しました。グローバルではGalaxy Sシリーズの性能要求には満たないものの、革新的な技術を先取りして搭載する「Galaxy A」シリーズも展開しています。お客様の要求・需要に常に対応できる体制をとること。これがシェア1位をこれからも維持するために重要なことだと考えています。

───ありがとうございました。

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