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第9回 豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト東京選考会

バックグラウンドで随時認証セキュリティーを実現

2019年03月13日 06時00分更新

審査員特別賞 グローバルウォーカーズ株式会社
AIのためのデータ工場「Annotation One」プラットフォーム

 AIの市場規模は右肩上がりに成長している。ドイツの予測によると、2020年に約2兆円、2025年には約11兆円になるとしている。そんなAIだが、適格に利用するためには、機械学習(ディープラーニング)が必要になってくる。

AI市場規模は、今後非常に伸びていく。教師データ・AI運用を市場規模の5%と低く見積もっても、2025年には約5500億円にのぼる

 AIを教育するには教師データで学習させ、再学習によってしつけをしていく感じで、精度を上げていく必要がある。そのためには、人間が間違っていることを正さなければならず、その作業は非常に面倒なものである。

 さらに、学習させるための教師データを作る必要もある。しかし、データの必要量や作り方がわからなかったり、作るためのリソース不足、さらにコストも上がってきているという課題を抱えている。

 そこで、グローバルウォーカーズは「Annotation One」というサービスを提供している。ミャンマーにAIデータ工場があり、データ作成と運用を行なっている。人材は現地採用し、専門訓練をすることで日本品質を担保しているとのことだ。

 教師データ作りには膨大な時間がかかる。たとえば画像に矩形付与するだけでも人間が作業すると1矩形1分かかるとしたら、100万枚処理するには520人月も必要となる。さらに複雑な領域分割だと1枚に60分かかったら、100万枚処理するのに6250人月必要になってしまう。同時に品質も担保しなければならない。AIにどう判断すべきなのか、正しくしつけなければならず、非常に面倒な作業になってくる。

教師データを作成するには、膨大な人力と時間を要する

 この教師データ作りがAIの決め手になるため、非常に重要だ。それを「Annotation One」なら、高品質で高セキュリティーを確保し、それでいて迅速で安価で実現するのが特徴である。また、教師データの再学習こそが継続性のあるビジネスとして活きてくるとしている。

 より拡大しグローバル展開していくとともに、ブランド力と知名度の向上を図りたい代表取締役社長CEO 森川和正氏は「AIはカッコいいことをいっても、エコシステムの中で、人間が介在しなければならないことが必然的にあります。AIの学習内容を精査することはどうしても必要で、そういった面倒なことを誰がやるのかが課題。われわれはAIのデータに対するフォックスコンになりたいと思っている」と語っていた。

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