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品質にコダワルiiyama液晶の開発現場の実情に迫る

2019年02月05日 11時00分更新

――最近の技術的なトレンドはなんですか?

下田 狭額縁ですね。そのため、スリムになり見た目のデザインも良くなっています。テレビですとOLEDがでてきていますが、まだLCDパネルよりも高価の為、ディスプレーでは、他社も含め、未だLCDパネルが主流ですね。

iiyamaから最近発売されたリフレッシュレート144Hzのゲーミング液晶「G-MASTER GB2760QSU」は、上部・左右のベゼルをなくし、非表示領域を8.4ミリに抑えている。27インチ(WQHD 2560×1440ドット)と画面が大きく、高解像度。価格は5万4000円前後。最近のトレンドに則した製品だ

――パネルの種類はどうですか?

下田 IPS※の技術を取り入れたパネルは特に人気です。また、TNは既に技術的に確立され、視野角は狭いですが、価格が安価で応答速度が速く、VAは以前に比べ、性能が向上したことで、IPSの人気に肉薄しています。

IPS:In-Plane-Switching方式の略。水平に寝かした液晶分子を基板と平行な面内で横方向に回転させ、バックライトの光量を制御する駆動方式。視野角による輝度変化、色変化が少ない

――製品を横並びで比較するとき、解像度やパネルに対してアピールしていた時代がありましたね。

下田 ちょうどフルHDがピークのときですね。確か6年以上前にTNやVA、IPSが出てきて、三者三様のメリット、デメリットがありましたが、いまはVAとIPSの差は徐々に縮まってきています。

――そういう意味合いだと、VAでもいいのですか?

下田 ところが、近年、パネルメーカーの技術進歩や他メーカーのIPS技術導入に伴い、IPS自体の価格も下がってきたので、価格差で訴求してきたTNやVAとの差が少なくなったことで、IPSの需要は高い状況が続いています。

――昔はIPSと他の方式とでは、もっと価格に差がありましたよね。

下田 最近日本のIT雑誌は、ディスプレーの比較テストをやらなくなってしまったんです。でもヨーロッパでは、著名なIT関連雑誌で現在も頻繁に行なわれています。当社がヨーロッパで評価が高い理由のひとつとして、各国のIT雑誌でアワードを獲得することなんですよ。ヨーロッパの営業部門からアワード受賞のお礼を受け取ることは、我々、開発部門の励みになっています。

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