エンジニア達から飛び出した
思いがけないキーワード「ドリフト」
「もともとルノーのテストドライバーをしていた私のところに、アルピーヌを担当しろと言われた時は、もうFF車両に乗らなくていいと思い本当にうれしかったですね」。アルピーヌ A110を担当したキーマンの一人、テストドライバーのデビッド・プラッシュさんは、大変喜んだという。
「そしてA110を開発するにあたり、まず私達は半年間にわたり徹底的に先代A110に乗り込みました。そこでライトウェイトミッドシップというパッケージングを決めていったのです」と、おもにシャーシを担当したメカニックエンジニアのリオネル・クルトゥーズが言葉を続けた。
こうして日本車でいうところの86/BRZのボディーサイズをNC型ロードスターと同じ重量にまとめ、ドライバーを中心にフロントにラジエータとガソリンタンク、リアにエンジンと排気系を配置。ボディーはアルミニウム製、足廻りは高い路面追従性を得るべく4輪ダブルウィッシュボーン型とした。
気になるエンジンは、1.8リットルの直4ターボ。先日発売開始したルノーのホットハッチ、メガーヌR.S.をルーツとするユニットで、最高出力は250馬力とやや抑えられているものの、トルクおよびトルクカーブはまったくの同一。これを横置きにマウントする。縦置きとしたのはリアが長くなるのと、ゲトラグ製セミATミッションの都合だ。
これらの素材をどのように味付けするか。彼らは口を揃えて「アルピーヌといえばラリー」「ドリフト」という言葉を口にした。彼らがイメージするアルピーヌ A110は、先代が世界ラリー選手権で多くの人を魅了した、激しくテールスライドさせながら走る姿。この「スライドコントロール」「ドリフト」が新型アルピーヌ A110の重要なキーワードで、そのためタイヤはミシュランのパイロットスポーツ4をベースに、ドリフトを意味する「DT」と書かれた専用品を装着する。街中での走行性能はパイロットスポーツと同等だが、サーキット走行時によりスライドコントロールしやすい設定がされている。
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