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「Ryzen Master」の新機能「Dynamic Localモード」をねちっこく考察

2920Xと2970WXの価格はお得か?Ryzen Threadripper全モデル検証

2018年11月08日 14時30分更新

IOダイに処理を関連付けたら性能が高めで安定

 ここでPUBGの処理を各ノードに限定するようにした場合、フレームレートがどう変化するかを調べてみた。タスクマネージャーを開き「詳細タブ」から「関連の設定」を選ぶことで、そのプロセス(PUBGの場合Tslgame.exe)がどのコアで実行するか指定できるというものだ。さて、高速なIOダイにPUBGの全処理を押し付けたら(関連付けたら)どうなるのか?

PUBGの実行ファイルである「Tslgame.exe」に対し、特定のノード内のコアだけを使うように設定してみる。

PUBGを4つあるノードの上だけで実行させた時のフレームレート。

 上のグラフからわかる通り、IOダイ(ノード0及び2)上で処理をさせた場合と、コンピュートダイ(ノート1及び3)上で処理をさせた場合ではパフォーマンスに大きな開きが出た。「Dynamic Localモード無効時は速い時もあれば、遅い時もあった」という奇妙な結果になったのはこれが原因だろう。つまり、プログラム実行時にどのダイにその処理が割り当てられたか、が重要なファクターになるのだ。

 そして、Dynamic Localモードを有効化してPUBGを起動すると、処理の速いノード0とノード2に負荷が偏ることが確認できた。さらに言えば、XSplit配信を加えてもそれは変化しない。Dynamic Localモードの実装によって、「WX」付きThreadripperの使い勝手はいくぶん軽減されたと言えるだろう。

 ただ今回試した限りでは、Dynamic Localモードを有効にしていても“速度が出ない”ケースも何回かに1回の確率で見られた。このあたりが「WX」付きThreadripperの使いにくさを象徴していると言えるだろう。

Dynamic Localモードを有効にしてPUBGを起動すると、ノード0と2に処理が偏る(左)。PUBGの裏でXsplit配信をしても、しっかり0と2に負荷がかかっていることが確認できた(右)。

Dynamic Localモードを無効にしてPUBGを起動すると、コンピュートダイであるノード1と3に処理が落ちるケースが観測された。こうなるとフレームレートは大きく下がってしまう。無論、試行機会によってはこうならない場合もあるのが悩ましいところ。

Dynamic Localモード無効時にFar Cry 5のベンチマークを起動した時の状態。ノード0は4割程度しか使われていないが、コンピュートダイであるノード3の占有率は6~7割と高い。Dynamic Localモードを有効にすればノード1とノード3の処理がノード2に回されるのでパフォーマンスが上がるというわけだ。

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