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「Ryzen Master」の新機能「Dynamic Localモード」をねちっこく考察

2920Xと2970WXの価格はお得か?Ryzen Threadripper全モデル検証

2018年11月08日 14時30分更新

第2世代Threadripper全モデル&Ryzen 7 2700Xで比較

 今回は先行していた第2世代Threadripper及びRyzen 7 2700Xとの違いを検証する。2990WXでPrecision Boost Overdriveを効かせるとVRM温度が上がりすぎてシステムが落ちたことがファーストレビュー時に観測されたため、今回はメモリークロック以外BIOSやOSのデフォルト設定を利用し、Precision Boost Overdriveは無効(Auto設定のまま)とした。

検証環境:Ryzen Threadripper
CPU AMD Ryzen Threadripper 2990WX(32C64T、3GHz~4.2GHz)、AMD Ryzen Threadripper 2970WX(24C48T、3GHz~4.2GHz)、AMD Ryzen Threadripper 2950X(16C32T、3.5GHz~4.4GHz)、AMD Ryzen Threadripper 2920X(12C24T、3GHz~4.3GHz)
マザーボード ASUS ROG ZENITH EXTREME(AMD X399、BIOS 1501)
メモリー G.Skill F4-3200C14D-16GFX×2(DDR4-2933で運用)
グラフィックス GeForce RTX 2080Ti Founders Edition
ストレージ Intel SSDPEKKW512G7X1(NVMe M.2 SSD、512GB)
電源ユニット SilverStone ST85F-PT(850W、80PLUS PLATINUM)
CPUクーラー Enermax ELC-LTTR240-TBP(簡易水冷、240mmラジエーター)
OS Microsoft Windows 10 Pro 64bit版(April 2018 Update)
電力計 ラトックシステム REX-BTWATTCH1
検証環境:Ryzen
CPU AMD Ryzen 7 2700X(8C16T、3.7GHz~4.3GHz)
マザーボード ASUS ROG STRIX X470-F GAMING(AMD X470)
その他のパーツはThreadripper環境と共通

結果に速い時と遅い時がある?

 定番の「CINEBENCH R15」から検証を開始。2990WX及び2970WXはDynamic Localモード無効時と有効時(末尾DL)の違いも合わせて検証する。

CINEBENCH R15のスコアー。

 マルチスレッドは2990WXがダントツに高く、ややコア数を減じた2970WXはその下になるのは当然の流れ。ただし、シングルスレッドはコア数が少ない2970Xのほうが若干高い。このテストではDynamic Localモードを有効にするとややスコアーが下がるが、これはサービスが処理の振り分けにCPUパワーをわずかに消費するためだ。CINEBENCH(を含めCG系ベンチマーク)はコンピュートダイ上で処理しても速度的なペナルティーがほとんどないため、Dynamic Localモードはかえって逆効果なのだろう。

 続いては同じCG系である「blender」を利用する。今回はCycles Benchmarkから“barbershop_interior”を、Production Benchmarkから“Gooseberry”をチョイス。それぞれ最初の1フレームだけをレンダリングする時間を計測した。

blenderにおける1フレームレンダリング時間。

 Ryzen 7 2700Xも8コア/16スレッドなので決して遅くはないのだが、24コア/48スレッドの2970WXでは処理時間がほぼ半分に。そして、12コア/24スレッドの2920Xは2970WXと2700Xのほぼ中間的な性能だ。CG作成系の勉強をするなら、将来的に上位CPUにグレードアップしやすい2920Xは非常に良いスタートラインと言えるだろう。

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