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自動運転進化と密接にからむイメージセンサーの今

自動運転に求められるイメージセンサーとは?

2018年12月13日 09時00分更新

1兆個のセンサーが使われる世界へ

 世の中に目を向けると、これまでに紹介したイメージセンサー以外にもまだまだいろいろな種類が使われていることに気づかれると思います。

 防犯カメラは、銀行、街なかの電柱やコンビニにつけられています。10分も、街中を歩いてみると住宅地であっても、10個~20個の防犯カメラを見つけられるほどです。繁華街になると、この10倍以上の防犯カメラが設置されています。

 これらのカメラは、人口密度の高い都市部での、治安の維持に役立っています。近年、画像認識や人の行動分析の技術が上がってきており、人間がずっと防犯カメラの画像を見ていなくても、コンピューターで画像解析を行なうことにより、怪しい人物を特定することや怪しい行動を検知して知らせることが可能になってきます。

 さまざまな用途で使われるイメージセンサーですが、情報を取り出すことを目的に、今後、さらに用途が拡大し、爆発的に数が増えるといわれています。センサーが世の中にあふれることを示す言葉で、「トリリオンセンサー(Trillion Sensors)」というものがあります。2022年には、今の数十倍の1兆個のセンサーが使われるということを表す言葉です。

 イメージセンサーだけを表したものではありませんが、人間が視覚から多くの情報を得ているように、コンピューターも画像から多くの情報を得る必要があります。この1兆個の中の大きな部分をイメージセンサーが占めることは確実です。次回は、このトリリオンセンサーの世界に向けて、イメージセンサーがどのような役割を担っていくのかを、述べていきたいと思います。

アスキーエキスパート筆者紹介─田谷圭司(たたにけいじ)

著者近影 田谷圭司

大阪大学大学院物理学専攻修了後、大手電機メーカーにて半導体開発に従事。2003年ソニー株式会社に入社し、以降、一貫してイメージセンサーの開発を行っている。現在は、ソニーセミコンダクタソリューションズで、主にMobile製品向けのイメージセンサーの開発を行っている。

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