Radeon RX Vega M GHは
GeForce GTX 1050 Ti相当のパワー
続いてはバトルロワイヤル系ゲームの双璧である「PUBG」と「Fortnite」のフレームレートでも検証してみよう。まずPUBGの解像度はフルHD固定、画質は“ウルトラ”および“中”設定の2通りで検証する。島マップ(Erangel)の軍事基地付近に降下し、基地内を通って海辺に抜けたプレイのリプレイを表示させ、その時のフレームレートを「OCAT」で計測した。
どちらのPCもウルトラでプレイするのはやや重く、フルHD環境でも画質“中”でようやく平均50fps台に乗る感じなので、実ゲームではほぼ同格と言っていいだろう。
画質“中”では若干GTX 1050 Tiを載せた自作PCの方がフレームレートが高いようだが、“ウルトラ”設定の最低fpsはNUC8i7HVKに負けている。画質“中”で負けているのはCPUのクロック差も影響しているので、そう考えるとRadeon RX Vega M GHはGTX 1050 Ti相当のパワーがあると考えていい。
続いてFortniteだが、こちらも解像度は1920×1080ドットだが、3Dのレンダリング解像度も100%に合わせている。ただ、原稿執筆時点では3Dのレンダリング解像度表示周りの挙動に怪しい部分があったため、“中”設定のみの計測とした。こちらもリプレイを再生しつつ「OCAT」でフレームレートを測定した。
もともと動作の軽快なゲームだけあって、画質を“中”程度に落とせば、フルHD環境で極めて快適なフレームレートが得られる。FreeSync液晶と組み合わせれば、NUC8i7HKVはFortniteのプレイには最適なPCとなるだろう。
VRは動作するが、それなりに設定は必要
ではそろそろ本丸であるVR関連を攻めてみよう。まずは「VRMark」を試してみる。
旧Futuremark系のベンチとVega Mは非常に相性が良いのか、どのテストでもGTX 1050 Tiより良いスコアを出せている。特に現行VRシステムを想定したOrange Roomでは、GTX 1050 Tiを搭載した自作PCの平均fpsが87fpsだったのに対し、NUC8i7HVKは110fpsを超えており、若干処理に余裕があることを示している。
では実際のVRタイトルではどうか? ということで「VRChat」で試してみた。周囲に他のプレイヤーが3~4人いるような状況で、同じ地点に立って首を振ったときのレンダリングに要する時間、つまりフレームタイムをSteamVRの機能を使って比較する。SteamVRのスーパーサンプリング(エッジのアンチエイリアス効果)は手動で100%固定とした。
このフレームタイムは周囲のプレイヤーの状況によって変化するわけだが、この例においても軽い時は6ミリ秒程度で終わる時もあれば、11ミリ秒を大きく超えることもしばしば見られた。ギリギリ11ミリ秒、つまり90fpsを出せているシーンもあるが、理想的なVRとは言い難い。
そこでスーパーサンプリングを70%に下げたらどうだろうか? 似たような状況で試したのが下のフレームタイムだ。
解像感は若干粗くはなるものの、フレームタイムはおおむね9ミリ秒以内に収まっている。もちろんプレイヤー数が増えたり、凝ったモデリングのプレイヤーが増えれば数値はもっと悪化し、フレームレートが落ちることも考えられるが、NUK8i7HVKでもスーパーサンプリングを調整することでVRマシンとして利用できることがわかったはずだ。
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