超小型VRマシンとして誕生
NUC8i7HVKのボディーは2016年に発売された“Skull Canyon”こと「NUC6i7KYK」によく似た薄型デザインを採用している。
ただHades CanyonベースのNUCでは、マザーボードの面積は2倍近くに増えているため、ボディー自体はSkull Canyon時代よりも一回り以上大型化している。Skull Canyon時代は内部にアクセスするとすぐブロワーファンが露出したが、今回はファンがユーザーからは簡単に見えない所に配置されている。
写真ではわかりにくいが、底面の吸気口の中には左右にひとつずつブロワーファンが設置されている
パワーのあるCPUとGPUを養うためか、ACアダプターはかなり大きい。出力は230Wなので、15インチクラスのゲーミングノート相当といったところか
通電させるとボディー上部におなじみのスカルマークが浮かび上がる。眼の部分は動作中は赤だが、スリープ時には青になる
この発光ギミックは専用のユーティリティーで発光パターン(点滅やフェードも可能)や色を指定できる。前面のパワーやアクセス用LEDの色も指定可能だ
上蓋を開けた状態。LEDの光を通すアクリル板の層が2枚重ねられている。ここをカスタマイズできるようになっていれば、もう少し面白かったのだが……
本体の大型化に伴い、インターフェース類も拡充された。LANやMini DisplayPort出力、Thunderbolt3(USB Type-C)を背面にそれぞれ2系統備えるだけでなく、フロントにはHDMI出力を1系統出している。
この仕様は言うまでもなくVRヘッドセットの利用を強く意識したものだ。インテルはこのNUC8i7HVKを容量わずか1.2リッターの小型ボディーでVRが楽しめるマシンとして位置付けている。
NUC8i7HVKの動作には、DDR4-2400(以上)のSO-DIMMモジュール2枚と、M.2接続のSSDが最低1枚を組み込む必要がある。SSDはOptaneを含むNVMeが利用できるが、コスパを重視するならM.2 SATAベースのものを選ぶといいだろう。
フロントにHDMI出力を配置しているため、VRヘッドセットをサッと取り付けられる。フロントにある3系統のUSBはType-Cと青いコネクターが10Gbps対応のUSB 3.1、黄色い充電対応のコネクターがUSB 3.0となる(ただ筆者が入手したマニュアルにはすべて10Gbpsと読み取れる記述もあるが謎だ)
背面にはThunderbolt3/Mini DisplayPort/ギガビットイーサがそれぞれ2系統ずつ。前面とは対照的に、背面のUSBはすべてUSB 3.0。背面USB端子はなぜか表裏が逆になっているのはどうにかならなかったのか……
側面はケンジントンロック用の穴と、放熱口しかない
発光ギミックとシールドを外すと、メモリースロットとM.2スロットが露出する。今回試用した評価機には、ブートドライブにOptane SSD、データドライブにSATA SSDが組み込まれていた。CPUの実装されている面は、底面側のパネルをなんとかして外す必要があるようだが、今回は時間やリスクの面で断念せざるを得なかった……