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Radeonを内蔵するインテル製CPUの実力は?

“Kaby Lake-G”搭載NUC「Hades Canyon」は超小型VRマシンだ!

2018年05月16日 21時00分更新

Core i7-8700K+GTX 1050Tiの構成よりも
高性能な場面も!

 それでは早速ベンチマークでNUC8i7HVKのパフォーマンスを検証していこう。データを検証する前に、改めて今回利用した評価機のスペックを整理しておく。

評価機スペック
CPU Intel「Core i7-8809G」(4C8T、3.1~4.2GHz)
メモリー Kingston「KHX3200C20S4/8G」(DDR4-3200 8GB×2)
グラフィック CPUに内蔵(Radeon Vega M GH)
システムSSD Intel「SSDPEK1W120GA」(Optane SSD、120GB)
データSSD Intel「SSDSCKK512G8」(M.2 SATA、500GB、データ用)
OS Windows 10 64bit(April 2018 Update)

 そして、比較対照としてCore i7-8700Kベースの自作PCを準備した。ビデオカードは24CUのVega M GHに近いと思われる、GTX 1050TiのOC版を準備した。やや自作機有利なパーツ構成だが、比較の指標として捉えていただきたい。

比較対象機スペック
CPU Intel「Core i7-8700K」(6C12T、3.7~4.7GHz)
マザーボード GIGABYTE「Z370 AORUS Gaming 7」(Intel Z370)
メモリー G.Skill F4-3200C14D-16GFX
(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用)
ビデオカード ASUS「ROG STRIX GTX1050Ti-O4G-GAMING」(GeForce GTX 1050 Ti)
SSD Intel「SSDPEKKW512G7X1」(NVMe M.2 SSD、512GB)
電源ユニット Silverstone「SST-SF850F-PT」(850W、80PLUS Platinum)
OS Windows 10 64bit(April 2018 Update)

 では、定番「CINEBENCH R15」の力比べから始めよう。6コア12スレッドと4コア8スレッドでは力の差は明らかだが、ゲームではシングルスレッド性能の突破力が重要となるシーンもまだまだ多い。シングルスレッドテストのスコアがどこまで伸びるかに注目したい。

「CINEBENCH R15」のスコア

 さすがにマルチスレッドテストではCoffee Lake-Sの最上位モデルには大差で負けてしまうが、それでも4コア8スレッドCPUとしては十分高いスコアを記録している。

 シングルスレッドのスコア170ポイントは、これまでの筆者の経験で言うと、Core i5-8400やRyzen 5 2600Xにかなり近い。小型PCの性能としてはかなり高い方であると言えるだろう。

 続いてはPCの総合性能を「PCMark10」の“Extended Test”で比較する。総合スコアの比較のほか、ワークロード別のスコアも比較するとしよう。

「PCMark10」Extended Testにおける総合スコア

「PCMark10」Extended Testにおけるワークロード別スコア

 各々のマシンに搭載されたCPUの最大クロックはNUC8i7HVKが4.2GHzに対しCore i7-8700Kが4.7GHzと隔たりがあるが、スコア的にはCore i7-8700Kの自作PCのすぐ後ろまで食らいついている。

 コア数もクロックも高いCore i7-8700KにはCPUへの依存度が高いワークロードではNUC8i7HVKが勝てないのは自明だが、GPUを酷使するGammingではCore i7-8700K&GTX 1050 Tiの組み合わせより高スコアを出せている。やはりKaby Lake-Gを搭載したNUC8i7HVKの旨味はゲーミングで発揮されるようだ。

 ではそろそろ本命のゲーミング性能に踏み込んでいきたい。まずは定番「3DMark」を試してみよう。

「3DMark」のスコア

 このテストはこれまでの結果とは一転し、NUC8i7HVKのスコアが自作PCを圧倒した。自作PC側のCore i7-8700KはPhysicsテスト系は圧倒的に強いが、GTX 1050 Tiのおかげでスコアが伸びない。

 この結果だけみると、「NUC8i7HVKに搭載されたRadeon RX Vega M GHのパワーは、GTX 1050 Tiを圧倒!」と言いたくなるが、3DMarkは各GPUに対し最適化が進んでいるため、現実のゲームの性能とはやや乖離する傾向がある。Vega M GHはGTX 1050 Ti以上のパワーを発揮することがある、程度の捉え方がよいだろう。

 続いては「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」の公式ベンチマークを利用する。解像度はフルHDに固定し、画質を“最高品質”およびその2段下の“高品質(ノートPC用)”で試した。ベンチ終了時に表示されるスコアのほか、そのテスト時の平均fpsも比べることとする。

「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」1920×1080ドット時のスコア

「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」1920×1080ドット時の平均fps

 ご存知の通りFF14のベンチマークはGeForceの方がフレームレートが出やすく、高スコアをあげやすいベンチマークである。このベンチではやや自作PCの方が高スコアをあげているが、平均fpsで比べてみると描画負荷の軽い高品質設定でも4fps程度しか違わない。

 今回NUC8i7HVKにはDDR4-3200のメモリーモジュールが組み込まれていたため、それがFF14ベンチのスコアに影響を及ぼしている(FF14は特にメモリークロックが効く)ことも考慮に入れるべきだが、超小型PCでもここまで動くという点は評価すべきであろう。

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