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日本発、あまねく人々にRPAを行き渡らせるBizteX

手軽に使えるクラウドRPAは働き方の未来を変えるか

「自分の登る山」こそBizteX cobitだった

 香川県出身の嶋田氏は、中途採用でJフォン株式会社に就職。その後もVodafone株式会社、ソフトバンク株式会社にて法人事業に携わってきた。より大きなマーケットでチャレンジしたいと上京したのが2007年のことだ。

 当時、四国から東京に移り住み、ヒト、モノ、カネ、情報が圧倒的に集まる東京に対し、そうではない地方との情報格差をITでなくせないだろうか、という課題感を抱いた嶋田氏。そうした経緯もあり、嶋田氏は将来の起業を見据え、SoftBankが実施するソフトバンクアカデミアの門を叩いた。そこで出会った言葉が、孫正義氏の「登る山を決めろ!」。この先自分が命をかけて登るべき山とは何か、考えるきっかけとなった。

 折しも、経営スキルを向上するために入学したグロービス経営大学院で「志を語れ」と言われ、これは学んだ知識を世の中にどう還元するかを言語化することを学んだ嶋田氏は、自分の登る山を決めるべく、SoftBankを退社、BizteX株式会社を起業するに至った。

 独立後、ビジネスモデルを検討する中で、さまざまな企業にヒアリングをしてみると、一様に手作業での定型業務に課題感を抱いていることに突き当たる。そこでRPAの可能性を探り、深掘りすることで、時流に合わないオンプレミス型でなく、より早く安くに導入できるクラウドRPAに行き着いた。これまで前職で多くの新規事業開発を行なってきたので、企業向けクラウドサービスの提供は「登る山と、登り方も分かるし、そこにピンときた」(嶋田氏)

クラウドのセキュリティー不安を取り除く対策

 BizteX cobitと親和性が高いのは、たとえば広告代理店のようにウェブサイトやクラウドシステムの管理画面が多く、ネットリテラシーが高いためクラウドシステムを使うことに抵抗のない職種だという。あるいは、業務プロセスが日々変わりやすく、管理画面の修正がつど必要となるような職種だ。

公式ページで紹介されている導入事例

 一方で、金融、保険、証券など、膨大な信用情報を扱う業界では、クラウドに対して非常に慎重だ。その理由に、セキュリティーへの不安が挙げられる。

 この点、BizteX株式会社では3つのセキュリティー対策を施し、顧客の不安を払拭しようと取り組んでいる。1つ目はウェブサイトの脆弱性診断。2つ目はネットワークの監視。そして3つ目は、この4月に社内の体制強化として「ISO27001」を取得するということだ。

 BizteX株式会社は社員約10人ほどのスタートアップだが、この規模でISO27001を取得するのは珍しい。しかし、規模が小さいゆえに、データ管理の徹底やセキュリティーに対する教育が行き届き、体制も築きやすい。

 こうしたセキュリティー対策のノウハウは、嶋田氏がSoftBankに在籍していた時期に体得したという。「いい意味で、私もCTOも40歳近いので、経験抱負な”大人ベンチャー”を目指している」と嶋田氏は言う。

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