では検証に入る前に、Ryzen Gがいったいどのような層をターゲットにした製品なのかを明確にしておこう。Ryzen 1000シリーズは内蔵GPUを持たないため、内蔵GPUを標準搭載するインテルのメインストリームCPU(今ならCoffee Lake)と比較すると、微妙に使いづらい面があった。
特に低予算でRyzen 3や5の下位モデルを使ってPCを一台組もうと思ったら、ローエンドビデオカードを買わなければならないのは大きな痛手だ。
Ryzen Gシリーズは低予算でも、高性能なグラフィック描画性能を持つPCが組めることを武器にしている。AMD Aシリーズの時代でもインテル製内蔵GPUより描画性能が高かったが、Ryzen GのターゲットはGT 1030やRX 550といったローエンドGPUだ。
つまり、安価なインテル製CPUとローエンドGPUでPCを組むなら、Ryzen Gを使った方がより手軽で同等の性能が出るよ、ということだ。そして当然のことだが、Ryzen Gの内蔵GPU性能はインテル製内蔵GPUよりも圧倒的に高い、というアピールも行っている。
そこでざっと値段を比較したのが以下の表だ。マザーボードはATX、メモリーは4GB×2とし、Ryzen Gシリーズを含めた4種類のCPUで、コアパーツの調達価格にどの程度の差が出るかを比較したものだ。ストレージや電源ユニット、OS等の値段は省いているが、高性能内蔵GPUでビデオカードが要らないぶん、確かにインテル製CPUより安く組める。
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