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麻倉新レーベル、何で作ったのか聴いてきた

まさかの転身? 麻倉先生はなぜ評論家から音楽プロデューサーになったか

2018年01月08日 13時00分更新

アナログ盤は幅2インチのオープンリールで録音したマスターを使用

 エトレーヌの録音ではProToolsを使ったデジタル録音と並行して、ポニーキャニオンのスタジオにあったスチューダ―の「STUDER A-800」を使用したアナログ録音も並行して実施している。時期などは未定だが、将来的にアナログ盤をリリースしたり、このマスターテープからDSD化した11.2MHz音源の配信なども実現したいという。

 STUDER A-800は、毎秒76cmの速度で、幅2インチのテープに最大24トラックを収録できる。オープンリールのテープは幅1/4インチのものが主流で、2インチのテープは入手自体が困難だ。潮氏は音響監督をしていた経歴がある。のつてをたどって一度使用した中古のテープを仕入れ、これに上書きしたという。

 最近ではアナログ盤の復興が進んでいるが、市場に出回っている音源のほとんどはD to A。つまりデジタル録音したものをアナログ変換し、レコードにカッティングしていくのが主流だ。しかし「アナログレコードはやはり、アナログで録って、アナログで編集して、アナログで切るのが本来の姿」という麻倉と潮氏のこだわりがある。

 ただし「言うは易し」。アナログ盤を制作する際には、このマスターテープを利用するが、アナログ編集のためには同じオープンリールデッキをもう1台用意する必要がある。デジタル編集と比べて、膨大な手間とコストがかかるわけだ。しかし、UHDCD盤の販売が好調であればぜひやりたいという。

『エトレーヌ』(ジャズヴォーカル・アルバム)

Image from Amazon.co.jp
エトレーヌ

収録曲
1. Cheek To Cheek/チーク・トゥ・チーク
2. Moon River/ムーン・リバー
3. I Can't Give You Anything but Love/アイ・キャント・ギブ・ユー エニシング
4. Fly Me To The Moon/フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
5. You Don't Know Me/ユー・ドント・ノウ・ミー

ボーカル/情家みえ、ピアノ/山本剛、ベース/香川裕史、ドラム/大隅寿男

6)Lipstick On Your Collar/カラーに口紅
7)Sunny/サニー
8)Caravan/キャラバン
9)Can't take my eyes off you/君の瞳に恋して
10) Still Crazy After All These Years/スティル・クレイジー・アフター・オール・ディーズ・イヤーズ
11)Waltz for Debby/ワルツ・フォー・デビー

ボーカル/情家みえ、ピアノ/後藤浩二、ベース/楠井五月、ドラム/山田怜、サックス/浜崎航

情家みえ・アーティスト情報

情家みえ

 愛媛県宇和島市出身。幼少時に父親の影響で音楽に親しむ。6歳よりピアノを始めると同時に、歌唱にも興味を抱き、声楽のレッスンを受ける。大学では幼児教育を専攻しクラシック音楽を学ぶが、間もなくジャズと出会い、徳島県内のホテルやクラブでジャズを歌い始める。大学卒業後、上京。南青山の老舗ジャズクラブBODY&SOUL でスタッフとして勤務。ヴォーカリスト伊藤君子に師事。デビュー。ピアニスト山本剛のライブレコーディングにも参加。現在、南青山BODY&SOUL ・代々木NARU ・六本木ALFIE を中心に都内および全国のジャズクラブにて活動中。

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