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MRヘッドセットなら一般的なノートPCでアズレンや360度動画をVRで快適に楽しめた

2017年12月25日 11時00分更新

 マイクロソフトは当初、すでに発売されているVRHMDよりも安価で、低スペックで動作するものを目指していたが、現状の価格はAH101が実売で5万8400円前後。Oculus Riftが5万円まで安くなった現状を考えると、決して安価とは言えない。

 また、ゲームを快適にプレイするには、ミドルクラスのグラフィックボードが必要と、すでに販売されているVRHMDとあまり変わらないスペックのPCがいる。しかしながら、「Oculus Rift」やHTCの「VIVE」といったVRHMDとは異なり、Windows Mixed Realityはゲームを快適に楽しむための「Windows Mixed Reality Ultra」というハードウェアガイドラインとは別に、動画やアプリなど動作の軽いコンテンツを楽しむための「Windows Mixed Reality」というガイドラインを設け、低スペックで比較的安価で購入できるノートPCでも動作できるとしている。

 以下が、AH101の主なハードウェア要件。「Windows Mixed Reality」の方がコア数こそ少ないが、CPUの要件が新しい世代なのは、Ultraと異なりグラフィックスボードを搭載しない構成のため、CPU内蔵GPUの性能をより高く必要になるため。実際にグラフィックスの要件は、DirectX 12対応の内蔵GPUとなっている。

MRヘッドセットの推奨スペック要件
Windows Mixed Reality Ultra PCWindows Mixed Reality PC
CPU第4世代インテル Core i5-4590(4コア)以上、AMD AMD FX-4350(4.2GHz、4コア)以上第7世代インテル Core i5(2コア)、インテル ハイパースレッディング・テクノロジー対応
グラフィックスNVIDIA GTX 965M / AMD RX 460以上のDirectX 12対応GPUインテル HD グラフィックス 620以上のDirectX 12対応GPU
システムメモリー8GB DDR38GB DDR3 デュアルチャンネル
ストレージ10GBの空き
グラフィックスドライバーWindows Display Driver Model (WDDM) 2.2
ディスプレー外部または内蔵VGA (800×600) ディスプレー
必要映像出力HDMI 2.0HDMI 1.4
必要USBUSB 3.0 Type-A
専用コントローラー必須要件Bluetooth 4.0
OSWindows 10 Fall Creators Update

 以上の条件から考えると、グラフィックスボードを搭載しない、CPUがCore i5 7200Uの「Aspire E 15」(実売9万900円前後)でも動作し、動画やアプリを使うことはできそうだ。しかしながら、グラフィックスの要件もOculus RiftやVIVEのGTX 1060以上よりも低いため、より高性能で普段使いにも最適なPCを選んでおくと、幅広い用途に使えて損をしなさそうだ。

 そのため、エイサーの「Aspire 7(A715-71G-A58H/K)」をMRヘッドセットで使うのにオススメしたい。

「Aspire 7」の主なスペック
ディスプレー15.6インチ(1920×1080ドット)
CPUCore i5-7300HQ(4コア/4スレッド、2.5~3.5)
グラフィックスGeForce GTX 1050 Ti(4GB)
メモリー8GB(PC4-19200、4GB デュアルチャンネル対応)
ストレージ128GB SSD/1TB HDD
バッテリー駆動時間公称約7時間
通信機能802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェースHDMI出力、USB3.1 Type-C、USB3.0、USB2.0×2、ギガビットLANなど
サイズ/重量約381.6(W)×262.8(D)×23.95(H)mm/約2.35kg
OSWindows 10 Home(64ビット)

 Aspire 7はNVIDIAのGeForce GTX 1050 Tiを搭載し、設定次第ではほとんどのPCゲームが快適に動作する描画性能を備える。さらに、CPUは省電力モデルではなく、ノート用ながら動画編集やマルチタスク向けのCore i5-7300HQを内蔵し、写真や動画編集にも役に立つ。ストレージもシステムドライブにSSDを備え、別途1TB HDDと高速性と大容量を両立と、まさに普段使いに最適な製品だ。

 価格は実売で14万2000円前後と10万円を超えるが、GTX 1060搭載のゲーミングノートPCが安くても17万円以上、本格的なゲーミング用デスクトップを自作する場合20万円くらいはかかることを考えると、長く使えるPCとしてはコストパフォーマンスも高い。まったりとPCゲームをプレイしたり、動画編集などもたまにしたいと考えている人にオススメできる。

天板はヘアライン加工され、シックで落ち着いた雰囲気でビジネス用途にも使える

 15.6インチのため、持ち運びに最適ではないかもしれないが、2.35kgとそれほど重くなく、ビジネス用途でオフィス内で持ち運ぶくらいなら十分なサイズと重量だ。普段あまりオフィスファイルを使わないが、たまに使う人にはうれしい「KINGSOFT Office 2013 Standard」も付属する。

 キーボードは色こそ変えられないがバックライトを搭載し、やや暗い場所でも快適に使える。ファンクションキーと同時に押すことで、無線のオンオフやメディアプレイヤーの再生、液晶の輝度調整などが使えるマルチキーも備える。また、タッチパッドには指紋認証リーダーを備え、Windows Helloを使ってすばやくサインインすることもできたりと、ふだん使いでの利便性も高い。

キーを押下すると光るキーボードバックライトを装備

タッチパッドの指紋認証リーダーで、すばやくサインインが可能。セキュリティー対策としても有効だ

 無線LANは、未だ安価なノートPCだと1×1の場合もある中、802.11acの2×2接続にきちんと対応。ギガビットLANも備える。インターフェースは最新のUSB3.1 Type-Cと、電源がオフでもスマホなどの充電が可能なUSB3.0、またUSB2.0を2つ備える。Oculus Riftの場合は、USB3.0がHMD部と外部センサー×2(Oculus Touchを使う場合)が必要で、ノートPCだとそもそもインターフェースの数が厳しいこともあるが、MRヘッドセットはPCとの接続はHDMIとUSB3.0がひとつで済むため、Aspire 7の構成で問題なし。

 MRヘッドセットのケーブルは1本延びていて、途中でHDMIとUSBにわかれているが、時々USB3.0とHDMI出力がノートPCの左右にわかれている場合、取り付けるのが困難なこともある。しかし、Aspire 7はHDMIとUSB3.0が並んでいるため、取り付け易く最適だ。また、もしUSB3.0をほかの周辺機器で使いたい場合は、USB3.1 Type-Cに変換アダプターを付けてType-Aに変更すれば、MRヘッドセットの接続が可能なので、変換アダプターの購入を検討するといいだろう。

右側面はUSB2.0×2とイヤホンジャック、電源コネクターとシンプルな構造

左側面は左からギガビットLAN、USB3.1 Type-C、HDMI出力、USB3.0、SDカードリーダーと並ぶ。MRヘッドセットを接続した場合、取り付けやすくケーブルの取り回しもラクでいい

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