ウェルスナビ株式会社・代表取締役CEO柴山和久氏が語るビジネス哲学
「Galaxy Note8」でビジネスが変わる 「働き方改革×デジタル活用」第1回セミナーレポート
12月1日開催のASCII主催「働き方改革×デジタル活用」セミナーは、ビジネスの先駆者をゲストに迎えて適切なワークバランスを実現する方法を探っていくもの。セミナー第1回のゲストは、「ロボアドバイザー」と呼ばれるAIを活用した自動投資運用サービス「ウェルスナビ」を提供する、ウェルスナビ株式会社・代表取締役CEOの柴山和久氏だ。
柴山氏は日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画する。その後、マッキンゼーでウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わった後、2015年4月にウェルスナビを創業した。
柴山氏のビジネススタイルは独特だ。普段からパソコンは持ち歩かず、仕事上のほとんどのコミュニケーションや意思決定はタブレットでビジネスチャットルール「Slack」を使ってこなしている。その反面、電話やメールを利用する機会はほとんどないという。
柴山和久氏「自分自身の働き方を最適化できることが第一。仕事のプロセスがなるべく効率的になるようにしています。そのためビジネスチャットツールやクラウドストレージをフル活用しています」
Slackなどのビジネスチャットツールの企業導入に関して、柴山氏はその利点を語る。
柴山和久氏「以前のビジネスはプロセスとして違うレイヤーで一気にコンセンサスを図るスタイルでしたが、これがアプリの設計として提供されています。例えばSlackの場合はプロジェクトやテーマごとにチャットルームがあり、関係者が全員入っています。シニアかジュニアかどこの所属か問わずチャット形式で会話できます。複数のチャネルが同時に存在しており、広報活動や業務提携、提案などの案件が同時に動いています。部門間の壁を越えて同時に進行できるのが最大の利点なのです」
柴山氏は加えて「組織における意思決定の仕組みは1990年を境に変わりつつある」と語る。印象的だったのは、柴山氏が英国の財務省に出向していた時代のエピソードだ。
柴山和久氏「英国の財務省で予算編成を担当していましたが、案件の意思決定が速ければ2~3日で済みました。日本の財務省では最速の場合1日で済むこともありますが、ふつうなら1週間。さらに優先度の低い案件なら判子を集める必要があるため、トータルで2週間以上かかってしまいます」
では、その意識決定速度の違いの理由は何だろうか。柴山氏は以前は日本の方が意思決定が速かったとも語る。
柴山和久氏「海外企業や組織では幹部が全員個室に入っていました。まるで昔のハリウッド映画のように、何か用があれば幹部がいる部屋のドアをノックして入っていくスタイルです。つまり、組織でまったく横の連携が取れていなかったんですね。日本の組織やオフィスでは大部屋にみんなまとまっています。これは日本企業だけの特徴だったので、圧倒的に意思決定が速かったのです」
しかし、現在では海外企業や組織の意思決定速度に日本企業が差を付けられていると言われる。何が理由で逆転したのだろうか。
柴山和久氏「オフィスのレイアウトを変えて、壁を全部取り払ったのです。さらに徹底するため、関係者間でメールをCCで一斉発信するという方法をとりました。日本は元々大部屋に人員がまとまっていたため、メールの普及が遅れました。さらに、日本では稟議を上に上げていくというプロセスが、昔とまったく変わっていないのも原因のひとつです」
柴山氏は意思決定プロセスで「自分がボトルネックにならない」ために複数案件を並行処理できるビジネスチャットツールを使っている。また、ウェルスナビではチャットだけではなく、顔を合わせてのミーティングも重視している。30分単位という同社のミーティングで活用されているのが、スマホのカメラ機能だ。
柴山和久氏「たとえば会議ではホワイトボードでコンセンサスをまとめて撮影し、会議に参加した全員で共有します。重要なのは撮影してすぐに共有することです。これが全員の土台になってToDoになったり、パワーポイントの資料になったりします。『案件が逆戻りしないこと』が重要で、次のミーティングで逆戻りしないためにカメラを活用します」
柴山氏のビジネスの速度感がよくわかるエピソードだ。
柴山和久氏「今でも会議でホワイトボードも使いますが、クラウドのドキュメントを使ってスクリーンに投影しながら議論して議事録を作ってしまうことが多いですね。議事録はミーティングで発言していない人が書き込んでいきます。書き込んだことがその場に表示されるので、意思疎通の齟齬がありません。これで、ミーティングが終わったらすべて議事録がまとまっています。これがウェルスナビだけでなく、スタートアップの世界ではスタンダードな働き方になってきているのです」
柴山氏はGalaxyのスマートフォン「Galaxy Note8」のマルチウインドウやSペンの手書き入力を試しているという。柴山氏は「Galaxy Note8」のSペンの使い勝手に関して「パソコン用のペンと同じように繊細な文字を書ける」と太鼓判を押していた。
続いてセミナーの第2部では、ビジネスの問題点を解決するツールとして「Galaxy Note8」に注目。「発想力を高めるツールとしての『Galaxy Note8』活用術」をテーマに、柴山氏に加えて株式会社アバンギャルド代表取締役の戸田覚氏、サムスン電子ジャパン株式会社の糸櫻幹雄氏をゲストに迎えてのトークセッションが開催された。
150冊以上の著書をもつ戸田氏は、日夜さまざまな案件の取材や執筆活動を並行で進めている。戸田氏は日々の業務で紙の手帳を使っていたが、現在では「Galaxy Note8」のSペンでデジタル手書きをフル活用しているという。
戸田覚氏「最近は紙の手帳でスケジュールを管理している方を見ると『だいじょうぶかな?』と思います。紙の手帳はペンを取ってペンのキャップをとって、いざ書き込もうと手帳を開いても、すでにいろいろ記入されています。そこに追加で書き込んだ情報を後で探すのは大変で、非効率です」
戸田氏はデジタル手書きの利点として「大量に書ける、どのデバイスでも書き込みを見られる、クラウドにアップロードして書き込みを見られる、さらに書き込みを消せること」と語る。また、取材の際にもデジタル手書きが便利だと強調する。
戸田覚氏「一般企業では取材中にノートパソコンのキーボードをずっと打っていると怒られてしまいます。そこで自分は『Galaxy Note8』のSペンで手書き入力しています。さらに手書き入力中には同時に音声も録音していますね。今までは録音してメモをとって、あとでまとめるというスタイルでしたが、この作業が『Galaxy Note8』ではひとつにまとめられます。しかも、入力した情報はパソコンでもタブレットでも他のスマホでも見られます」
戸田氏は加えて、Sペンの手書きが実は非常に効率的だとも語る。
戸田覚氏「手書きはアナログな作業ですが、スマホでは非常に入力効率がいいのです。例えばパワーポイントでカンタンな作図をしようとするとテンプレートを呼び出したりして時間がかかりますが、『Galaxy Note8』のSペンで手書きしたら、これが5秒で終わります」
戸田氏は「Galaxy Note8」の約6.3インチという大画面有機ELディスプレイと1440×2960ドットという高解像度は、営業活動にも役立つと強調する。
戸田覚氏「開店前の飲食店など暗い室内ではリーフレットが見えませんし、タブレットはそのサイズが邪魔になります。また、相手との信頼感が高まる『恋人の距離』は90センチとも言われます。1~3人のプレゼンや商談でしたら、紙のリーフレットを使わず『Galaxy Note8』を相手に見せるスタイルがいいのではないでしょうか」
サムスン電子ジャパン株式会社の糸櫻幹雄氏は「Galaxy Note8」の最大の魅力はSペンだと語る。
糸櫻幹雄氏「Sペンの手書きが便利だと考えています。実際に社内での会議のメモは『Galaxy Note8』でとっています。さらに書いた文字をそのまま検索できるので、例えばASCIIと手書きするとASCII編集部との打ち合わせメモが表示されます。見つからないという事象が発生しないのです」
また、メールの返信もインライン回答は改行したり色を変えたりと手間がかかるため、糸櫻氏は「キャプチャ手書き」で書き込んだ画像を返信することも多いそうだ。
加えて糸櫻氏がビジネスで役立つ「Galaxy Note8」のポイントとして挙げたのが、範囲選択と翻訳機能だ。
糸櫻幹雄氏「Sペンは書く以外にもさまざまな活用法があります。マウス代わりにコピー&ペーストの範囲選択が非常に高精度かつ手軽に行なえます。これは指だとなかなかうまくいかないですよね。また、サムスン電子はグローバルカンパニーなので私にもよく英語や韓国語のメールが届きますが、Sペンをかざすだけで言語を選択して即翻訳できます」
糸櫻氏は「なによりすごいのが、書いたり録音したり撮影したものが全部保存しておけること」「市場には手書きできるパソコンはあるが、スマホでデジタルペン内蔵、かつ手書きできるのは『Galaxy Note8』だけ。こういうデバイスが出てくると、持ち歩くものがすべてポケットに収まります」と語る。
1部に続いてセミナー第2部にも登壇した柴山氏も、そのモバイル性とビジネスをマルチタスク処理できる「Galaxy Note8」の魅力を熱く語る。
柴山和久氏「実際に『Galaxy Note8』で最大限活用しているのがマルチウインドウです。会合の際、打ち合わせ場所の地図と案件内容のメールを2画面表示しながら待ち合わせ場所に向かえます。ビジネスチャットツールでの案件の同時処理の話をしましたが、私はビジネスのすべてを同時進行したいので、複数の作業を『Galaxy Note8』だけで同時に処理できるのがすばらしいですね」
糸櫻幹雄氏「柴山さんの話を伺っていると、マルチタスクには『Galaxy Note8』が最適だと考えていました。2画面表示を活用して案件を同時進行すれば、いちいちオフィスにいる必要もなくなりますし、さまざまなことがシンプルにまとまります」
満員御礼となったASCII主催「働き方改革×デジタル活用」セミナー第1回の会場には「Galaxy Note8」の作業場所やパソコンに縛られないビジネススタイルを実際にタッチ&トライで体験できるスペースも用意。多くの来場者が使い勝手を試していた。
アスキー「働き方改革×デジタル活用」セミナー第2回開催のお知らせ
ASCIIは限られた時間で成果を出し、よりクリエイティブに働くためのヒントを提供するためのセミナーを開催します。12月8日開催の第2回はジャーナリスト・メディアアクティビストの津田大介氏をゲストに招き、ゲストのビジネススタイルやデジタル機器を活用する自身の仕事の進め方を中心にお話をお伺いします。
また、株式会社アバンギャルド代表取締役の戸田覚氏による「Galaxy Note8」を使ったビジネス活用講座も実施します。
サムスン電子ジャパン株式会社の糸櫻幹雄氏もお招きし、「Galaxy Note8」の特徴である手書き機能や、デスクトップPCライクに使えるようになるドック「DeX Station」の効果的な活用方法を紹介します。
セミナー概要
アスキー「働き方改革×デジタル活用」セミナー
主催: ASCII(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)
協力: Galaxy
開催日時:
第2回 2017年12月8日(金)19:00(開場21:00)
参加登録ページ:http://peatix.com/event/326825/
場所: KADOKAWA富士見ビル 3F(セミナースペース)
住所: 東京都千代田区富士見2丁目13-12
参加費: 無料(事前登録制、定員50名)
【セミナーテーマ】
1)ビジネスの現場で活躍する先駆者(ACHIEVER)をゲストにお招きし、時間管理、すき間時間の活用、伝わるコミュニケーション、発想力のアップの秘訣などをお伺いしながら、適切なワークライフバランスを実現する方法を探っていくセミナーです。
2)それを実現するためのツールとして、Galaxyのスマートフォン「Galaxy Note8」に注目。利用シーンや操作方法を紹介しながら、作業場所やパソコンに縛られないデジタル活用法も紹介します。
【タッチ&トライについて】
・会場内に「Galaxy Note8」のタッチ&トライコーナーを設けます。
アスキー「働き方改革×デジタル活用」セミナー第2回の概要
第1部「いつでもどこでも感度よく活動する」~場所と時間にとらわれない仕事術
登壇:津田大介氏(ジャーナリスト)
超多忙な毎日を送る津田大介氏の視点から「本当に必要なデジタル機器は何か」「時間に追われるのではなく、自分で決める」攻めのIT活用のヒントを伺います。
第2部「スキマ時間が超クリエイティブになる」~Galaxy Note8活用術
講師:戸田覚氏(株式会社アバンギャルド代表取締役)
ゲスト:糸櫻幹雄氏(サムスン電子ジャパン株式会社)
・デジタルの手書きがなぜ優れているのか? ・これでノートPCを捨てられる? 「Galaxy Note8」の新機能を使い込む
※セミナー内容に関しては、やむ得ない事情により変更になる可能性があります。
(提供:Galaxy)
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