2017年11月現在、AMDのGPUであるRadeonシリーズは、最上位の「Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Edition」からエントリーミドルレンジ向けの「Radeon RX 550」までさまざまなモデルが用意されている。ビデオメモリーの容量の差異も含めると、そのラインナップはかなり幅広い。そこで、今一度、これらのGPUがどういったゲームに向いているのか、チェックしてみたいと思う。
ハイエンド向けのRadeon Vegaシリーズ
グラフィックスキャッシュと動作するHBM2を採用
※グラフィックスボードの画像は公式写真および過去記事の画像です。ご了承ください
最上位となるRadeon RX Vegaシリーズは、最新世代のGraphics Core Next(GCN)アーキテクチャを採用するGPUだが、最大の特徴は広帯域幅メモリーHigh Bandwitdh Memory 2(HBM2)を採用した点だ。このHBM2は、グラフィックスボードで一般的に採用されているGDDR5に比べて大きく伝送速度が上回っている。Radeon RX Vegaシリーズでは、このHBM2の高速性を活かし、ビデオメモリーではなく、キャッシュとして扱うことで効率の向上が図られている。
Radeon RX Vegaシリーズは、上位モデルの「Radeon RX Vega 64」とそれに続く「Radeon RX Vega 56」、さらに最上位の「Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Edition」の3モデルが用意されている。Radeon RX Vega 64とRadeon RX Vega 56の「64」と「56」という数字は、それぞれ64基のStream Processorから成るNext-Generation Compute Unit(NCU)数を表しているため、両者ではStream Processorの総数が異なるということになる。
また、Radeon RX Vega 56はRadeon RX Vega 64に比べて、コアクロックやメモリークロックが抑えられ、区別化が図られている。一方、Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Editionはその名のとおりGPUクーラーに簡易液冷ユニットを搭載したモデルで、Radeon RX Vega 64から動作クロックが向上している。詳しいスペックは以下表を参照していただきたい。
Radeon RX Vegaシリーズの主なスペック | |||
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製品名 | Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Edition | Radeon RX Vega 64 | Radeon RX Vega 56 |
Stream Processor数 | 4096基 | 3584基 | |
NCU数 | 64基 | 56基 | |
テクスチャーユニット数 | 256基 | 224基 | |
ROP数 | 64基 | ||
ベースクロック | 1406MHz | 1274MHz | 1156MHz |
ブーストロック | 1677MHz | 1546MHz | 1471MHz |
メモリータイプ | HBM2 | ||
メモリーインターフェース | 2048bit | ||
広帯域幅キャッシュクロック | 1890MHz | 1600MHz | |
広帯域幅キャッシュバス帯域幅 | 484GB/s | 410GB/s | |
広帯域幅キャッシュ容量 | 8GB | ||
TDP | 345W | 295W | 210W |
接続インタフェース | PCIe 3.0 | ||
PCIe外部電源 | 8ピン×2 |
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