シャープが8日、昨年10月に発売したウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」に電子レンジ機能をつけた新製品「ヘルシオ グリエレンジ」を発表。お惣菜を上手にあたためられ、トーストがおいしく、普通にレンジとして使えます。あわせてヘルシオ グリエ新製品も発表しています。
ヘルシオ グリエレンジ AX-HR2 5万5000円前後 12月中旬発売
ヘルシオ グリエ AX-H2 4万円前後 11月30日発売
シャープ
http://healsio.jp
●水で焼いて「サクふわ」食感
水蒸気を加熱することで100℃以上の無色透明な気体をつくるのが「過熱水蒸気」。250~350℃になるため、いわゆる「水で焼く」調理ができます。これがウォーターオーブンの仕組み。シャープが2004年から展開してきた調理家電「ヘルシオ」シリーズ最大の特徴です。
水で焼くことで、外を一気にあたためてから中をじっくりあたためる調理が可能。外側サクッと、内側ふっくらの食感を作れます。複数の食材を入れたとき、温度が低い食材をより多く加熱できるため、冷蔵・冷凍・常温の食品を一度にあたためられるのも利点です。
得意分野は、揚げ物のようなお惣菜の再加熱。
試験機関の味香り戦略研究所が検証したところ、ヘルシオ グリエレンジであたためた天ぷらは、あたためる前に比べて約3倍ほどサクサク感が強まったということ。また、加熱で失われる水分量は、ヒーター加熱の12%に対して6%と半分ほどでおさまったということです。
発表会場でヘルシオ グリエレンジであたためたチーズケーキを試食したのですが、ふわっふわで夢のようにおいしかったです。ちなみに大阪で人気の某チーズケーキで、ふつうに食べてもふわふわなのですが、あたためたことで羽毛を口にふくんだような食感になっていました。
ウォーターオーブン専用機だった以前のヘルシオ グリエはようするに「スーパーやコンビニで買ってきたお惣菜をおいしくあたためられるトースター」だったのですが、ヘルシオ グリエレンジはそこに電子レンジ機能がつき、1台でいろんなものがあたためられるようになりました。
●あたためバリエーション
レンジ:お弁当、調理めん、お総菜、コーヒー
過熱水蒸気:冷凍食品・お総菜、パン、トースト、グラタン、餃子
レンジ調理には絶対湿度センサーを使用。ウォーターオーブン調理をした直後にもレンジ調理が可能です。調理時は過熱水蒸気機能とレンジ機能を同時に動かすのではなく、過熱水蒸気とレンジをそれぞれ別に動かす仕組みになっています。
庫内容量は8Lと小さめですが、直径24cm未満のお皿、高さ13cm未満のマグカップなどが入れられるので、1~2人暮らしの少人数世帯であれば問題ないサイズです。食品をあたためるときは、食器を専用の陶器製皿に置いてあたためる形。グリル調理用に、ホーロー製の焼き網も付属します。
お皿を使わず、直接食器をレンジに置いても加熱はできるそうです。ただしお皿を使ったほうがレンジ調理時に食品をまんべんなくあたためられるということ。
過熱水蒸気は「ふっくら・さっくり・こんがり」の3段階があり、火力と時間で焼きあがりを調整可能。お総菜、コロッケ、トーストなど、あたためる食品に応じて使いわけます。
過熱水蒸気のもとになる水は、本体の上に水タンクを装てんして補給します。タンクを装てんしないままドアを開けるとレンジモードで作動しますが、タンクをカチッと装てんすると「ピロリン!」という音がして過熱水蒸気調理モードに切り替わります。
過熱水蒸気エンジンには「ヘルシオ」26L、18Lモデルと同じパーツを採用しています。
●専用機も使いやすく進化
ウォーターオーブン専用機ヘルシオ グリエも第2弾が登場。お惣菜をあたためたとき汚れをこびりつきづづらくするため、トレイにシリコンコーティングを施しました。また、扉の内側にパンくずをためづらくするためガラスをぴったり装着しています。
新製品発表をうけて、ヘルシオシリーズのラインナップは「ヘルシオ」「ヘルシオ グリエレンジ」「ヘルシオ グリエ」の3種類になりました。
ヘルシオのエントリーモデルとヘルシオ グリエレンジは売価も大して変わらないため違いがわかりづらいのですが、「食品をあたためたいだけならヘルシオ グリエレンジ、ウォーターオーブン料理を100%楽しみたいならヘルシオ」という住み分けをはかっているそうです。
サイズもヘルシオ>ヘルシオ グリエレンジ>ヘルシオ グリエの順番で小さくなっていきます。「ヘルシオほど本格的なオーブンレンジはいらないけどウォーターオーブンは使いたいな」と思っている人にとってはちょうどいいラインナップが追加された形ですね。
●ヘルシオの違い
ヘルシオ: 過熱水蒸気+レンジ+ヒーター+スチーム
ヘルシオグリエレンジ:過熱水蒸気+レンジ
ヘルシオグリエ: 過熱水蒸気
●冷凍食品からコンビニ惣菜の時代へ
シャープは1962年に業務用電子レンジを量産化してから電子レンジを作りつづけています。「チンする」という言葉のもとになった「チン」という音をつくったのもシャープだそうですね。電子レンジは冷凍食品の普及と足並みをそろえて家庭に普及し、2004年には普及率ほぼ100%になりました。いま冷凍食品に加えて伸びているのが「お惣菜」です。中でもコンビニのお惣菜がスーパーを超えて伸びているらしく、シャープとしてはお惣菜をおいしくあたためられる「ヘルシオ グリエ」「ヘルシオ グリエレンジ」を相乗効果で売っていきたいというねらいがあるそうです。
うちがそうですが、子どものいる共働き世帯は戦場です。スーパーで買ったお惣菜を食卓に加えることもめずらしくなくなりました。いざごはんだというとき、お惣菜がいまいちうまくあたたまっていないと、ガッカリ感とともに罪悪感さえわいてしまいます。お惣菜あたため兵器を配備して育児戦を有利に進めるのも悪くないアイデアではないかと感じました。ちょっと高いんですけど。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中。
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