ユーザーの動向をAIで分析して行動を予測するレイ・フロンティア
ここからは最終選考に登壇した注目企業のプレゼンを紹介。レイ・フロンティアは行動から人を知り、そこから見える未来について紹介。ほとんどの企業にとって、お客様のことを知るというのは大きな課題となっている。同時に、スマホで多様な情報を扱うようになり、ユーザーも自分のことを知ってもらいたいというニーズがあるという。たとえば、リアル店舗である商品を買ったのに、同じ商品をネットからすすめられたりしたくない、といったことだ。
同社は3年前から1日3万7000人の行動情報を利用者の同意のもとに預かり、分析している。GPSだけでなくスマホのセンサーを利用し、ユーザーの状態を把握している。そのデータをAIで分析することで、ユーザーの社会属性を推定することができるという。
企業側にはこれらの分析情報を提供でき、ユーザーにはその時の状態に適した情報配信が可能になる。行動情報を企業が一方的に取ることはできないので、あくまでもユーザーにもメリットのあるプロダクトが必要になる。そこで、東急カードと連携し、ショッピング時の流れや購入行動などをトレースできるようにするという。さらに、現在位置や行動から推定する次の行き先の状況を通知することも可能になる。
もし共創が可能であれば、2017年は実証実験、2018年は東急グループのすべてアプリに導入してもらい、2019年にはマーケティングツールとして活用することを提案したいとアピールした。
VRテクノロジーで小説や漫画の世界にフルダイブできるMyDearest
MyDearesの岸上健人代表はVRゴーグルを頭に付けたままの登壇で笑いを誘った。岸上氏は「面白い物語を新しいテクノロジーで提供する会社」と自己紹介した。
手がけているのはフルダイブノベル、フルダイブ漫画と呼ぶVR小説/漫画製品だ。VR環境の中でテキストパネルが表示され、コンテンツを読むことができる。そしてページを進めると背景も代わり、見せ場のシーンでは一人称視点で本の中に入るような体験ができる。
ビジネスは3ステージを想定しており、まずは自社でVRコンテンツを作成し販売すること。次に開発ツールを提供し、さらにその先はユーザーが自由に投稿できるプラットフォームを構築することを目標としている。
現在対応しているハードウェアはGalaxy Gear VRだけなので、東急レクリエーションと提携できれば、ロケーションVRを実現したり、女性もターゲットにできると訴求した。
東京での職住近接を実現し企業と従業員にメリットを出すヒトカラメディア
ヒトカラメディアは、成長企業のオフィス移転を支援している企業だ。2016年は1年で約130企業のオフィス移転を手がけている。ここ数年でJR五反田駅周辺にスタートアップが続々と集結しているが、そのうちの25社をヒトカラメディアが手がけているという。
同社は居抜き移転を支援する「スイッチオフィス」というメディアを運営しており、リリース1年半で1600の会員企業を集め、月に30~40件の相談を受けている。
東急アクセラレータプログラムでチャレンジしたいのは、「『職住近接』を東京で実現できないか?」というテーマだという。オフィスが渋谷や新宿と言った超一等地にあれば、そこに住むというのはハードルが高くなるが、少し離れた場所であれば家賃が安く済むようになる。職住近接が実現できれば、満員電車からの解放や徒歩や自転車での通勤の実現、通勤時間の短縮によるプライベートや仕事の充実、企業側は交通費が削減できるというメリットがある。
東急グループと連携することで、魅力的な企業を集めることで街のブランディングをしたり、雇用の創出も見込める。満員電車の緩和にも効果があるという。東急沿線の不動産と連携して、ベンチャー企業を客付けしたり、リーシング全般の設計をするといったことが可能になるという。
習慣化を支援する三日防止アプリで人を幸せにするエーテンラボ
エーテンラボのプロダクトが、三日坊主防止アプリ「みんチャレ」だ。ダイエットや学習といった新しい習慣を身につけようとするが、三日坊主に終わることも多いのではないだろうか。「みんチャレ」アプリをスマホにインストールし、同じ目的のチームに参加することで、お互いを励まし合いながらチャレンジするのだ。お互いに匿名なので、SNSのような面倒なことがない。習慣を実行したら証拠写真をアップし、お互いに承認する仕組み。
GooglePlayのベストアプリにも選ばれたことがあり、20万ダウンロードを越え、5000チーム以上が活動している。年齢層は高めで、6割以上が女性だという。
通常、自分の意思で習慣化させようとすると、成功率は8%程度とのこと。しかし、「みんチャレ」を利用すると69%となんと8倍も高まるという。楽しく続けられるのがキモだ。成功すればまた次のチャレンジをしたくなる、アクティブサイクルができてくるのも特徴だ。
すでに、東急と連携してテスト導入が決まっているという。1月から満員電車の解消のため早起きチャレンジに取り組む。東急公式の早起きチャレンジを提案し、ユーザー同士が同じ目的で毎日チャレンジするというものだ。将来は、暮らし、健康など沿線のすべてに展開していきたいという。
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