手のひらサイズで、テレビなどに直接挿して使用し、初めて発売された際に話題となったスティックPC。スティックPCの登場時は、テレビのネット端末化に便利だということで飛びついた人も多かったのですが、ファンレスのためサーマルスロットリングによる性能低下、元々あまり速くない無線LAN速度がさらに遅くなって途切れる、フルHD動画の長時間再生は難しい(熱のため)など、色々と問題点もありました。
下で紹介するように、本体に巨大なヒートシンクやファンを付けて冷却したり、油に浸したり、無線LANにUSB子機を使って安定化を測るなど、色々と工夫して楽しんでいるユーザーもいましたが、さすがにこれは極一部。普通なら使うのを諦めてしまうレベルです。
その後、割とスグにファン搭載モデルが主流になってこの欠点が克服され、さらに無線LANの11ac対応やCPUの高速化など、順調に製品はレベルアップしていたように思えたのですけど、最近はあまり話題に上がりません。ディスプレーに挿しっぱなしにしておくサブ機として便利ではあるのですが、そういった用途だと、スマホやタブレットを使う人の方が多いのでしょうか。
とはいえ今でも、プロジェクターの表示専用PC、店頭に設置する検索用PC、広告やメニュー表示用のデジタルサイネージなど単機能で使う用途では、なかなかいい製品です。個人向けだけでなく、業務向けとして活用されることもあるとか。
最近スティックPC『MS-CH01FV2』ってどんな製品?
さて、ここからが本題です。そんな数が少なくなってしまったスティックPCですが、しっかりと新製品が登場し続けています。その代表がマウスコンピューターの『MS-CH01FV2』。基本的には前モデルと同じですが、CPUの強化と低価格化しているのが特徴です。価格はマウスコンピューターの直販で、送料・税込み2万2464円。
「MS-CH01FV2」の主なスペック | |
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CPU | Atom x5-Z8350(1.44GHz、最大1.92GHz) |
メモリー | 2GB |
ストレージ | 32GB eMMC |
表示解像度 | 1920×1080ドット |
インターフェース | HDMI、USB3.0、USB2.0、microSDカードスロット |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth V4.1+LE |
サイズ/重量 | 113(W)×39(D)×13(H)mm/約62g |
OS | Windows 10 Home 32bit |
CPUは変わらずAtomなのですが、インテルバーストテクノロジーによって最大1.92GHzで動作するため、意外と性能は高そうです。また、直に挿せるHDMIを装備しているので、テレビやディスプレーで使いやすいという特徴もしっかり継承しています。USB3.0を装備している点もうれしいですね。さらに、無線LANは11acにまで対応。866.7Mbpsリンクが可能なので、一般的なノートPCと同等というのが◎です。
逆に気になる点としては、メモリーが2GBしかないことが挙げられます。最近のソフトはメモリー使用量が多くなってきているので、メモリー不足による速度低下が心配です。といっても、OSが32ビットで、CPUもAtomなので、動作が重たくなるソフトの利用を最初から考えていなければ、気にしなくても大丈夫でしょう。そもそもの用途が動作が軽いソフト向けですから、上を見ても意味がありません。
とりあえず使うにあたって最新のCreators Updateを適用しておきましょう。空き容量が8GBほど必要とのことでしたが、15GB以上空きがあったため、この条件はクリアー。使い始めてしまうと空き容量確保が難しくなってきてしまうので、最初にアップデートしてしまうのがオススメです。
しかし、何も考えずにいきなり適用してみたところ、なぜかアップデートに失敗して巻き戻されてしまいました。何が原因なのかわかりませんが、セットアップを完了せずに放っておいたプリインストールのセキュリティソフトをアンインストールしてみたところ、無事にアップデートできました。これが原因だとは思いませんが、同じように失敗するようなら試してみる価値はあるでしょう。
なお、最初に15GB以上あった空き容量は、アップデート後には11GBくらいになっていました。古いOSの残骸を削除すれば容量が増えますが、とりあえ様子見のためこのまま残しておきます。削除しちゃうと、前のバージョンに戻せなくなりますからね。
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