週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

PS Nowもプレイ可能!性能向上で使用用途の広がった最新スティックPCレビュー

2017年07月03日 11時00分更新

 手のひらサイズで、テレビなどに直接挿して使用し、初めて発売された際に話題となったスティックPC。スティックPCの登場時は、テレビのネット端末化に便利だということで飛びついた人も多かったのですが、ファンレスのためサーマルスロットリングによる性能低下、元々あまり速くない無線LAN速度がさらに遅くなって途切れる、フルHD動画の長時間再生は難しい(熱のため)など、色々と問題点もありました。

 下で紹介するように、本体に巨大なヒートシンクやファンを付けて冷却したり、油に浸したり、無線LANにUSB子機を使って安定化を測るなど、色々と工夫して楽しんでいるユーザーもいましたが、さすがにこれは極一部。普通なら使うのを諦めてしまうレベルです。

ジサトラ カクッチによるヒートシンク魔改造の様子。ウェブサイトを見て回るくらいの低負荷なら騒音のないファンレスモデルが魅力ですが、動画視聴まで含めると、やっぱり厳しいですよね。ヒートシンクだけでも結構冷えていたようです

ライター 林佑樹氏による油没PCの例。冷却液にキャノーラ油を使っていて、気分的には料理教室。これが結構冷えて安定するというのだから自作PC(特殊)は面白いです

 その後、割とスグにファン搭載モデルが主流になってこの欠点が克服され、さらに無線LANの11ac対応やCPUの高速化など、順調に製品はレベルアップしていたように思えたのですけど、最近はあまり話題に上がりません。ディスプレーに挿しっぱなしにしておくサブ機として便利ではあるのですが、そういった用途だと、スマホやタブレットを使う人の方が多いのでしょうか。

 とはいえ今でも、プロジェクターの表示専用PC、店頭に設置する検索用PC、広告やメニュー表示用のデジタルサイネージなど単機能で使う用途では、なかなかいい製品です。個人向けだけでなく、業務向けとして活用されることもあるとか。

最近スティックPC『MS-CH01FV2』ってどんな製品?

 さて、ここからが本題です。そんな数が少なくなってしまったスティックPCですが、しっかりと新製品が登場し続けています。その代表がマウスコンピューターの『MS-CH01FV2』。基本的には前モデルと同じですが、CPUの強化と低価格化しているのが特徴です。価格はマウスコンピューターの直販で、送料・税込み2万2464円。

「MS-CH01FV2」の主なスペック
CPUAtom x5-Z8350(1.44GHz、最大1.92GHz)
メモリー2GB
ストレージ32GB eMMC
表示解像度1920×1080ドット
インターフェースHDMI、USB3.0、USB2.0、microSDカードスロット
通信機能IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth V4.1+LE
サイズ/重量113(W)×39(D)×13(H)mm/約62g
OSWindows 10 Home 32bit

 CPUは変わらずAtomなのですが、インテルバーストテクノロジーによって最大1.92GHzで動作するため、意外と性能は高そうです。また、直に挿せるHDMIを装備しているので、テレビやディスプレーで使いやすいという特徴もしっかり継承しています。USB3.0を装備している点もうれしいですね。さらに、無線LANは11acにまで対応。866.7Mbpsリンクが可能なので、一般的なノートPCと同等というのが◎です。

通常サイズのUSB3.0とUSB2.0を1ポートずつ装備。アダプター不要でUSB機器を接続できるのが便利です。電源はmicroUSBから取りますが、かなり電流を食うのでテレビなどのUSB出力では間に合いません。ACアダプターを使いましょう

2×2の11acに対応し、リンク速度はしっかりと866.7Mbpsになっています。混雑する2.4GHz帯を避けられることも、かなりうれしいポイントといえます

 逆に気になる点としては、メモリーが2GBしかないことが挙げられます。最近のソフトはメモリー使用量が多くなってきているので、メモリー不足による速度低下が心配です。といっても、OSが32ビットで、CPUもAtomなので、動作が重たくなるソフトの利用を最初から考えていなければ、気にしなくても大丈夫でしょう。そもそもの用途が動作が軽いソフト向けですから、上を見ても意味がありません。

 とりあえず使うにあたって最新のCreators Updateを適用しておきましょう。空き容量が8GBほど必要とのことでしたが、15GB以上空きがあったため、この条件はクリアー。使い始めてしまうと空き容量確保が難しくなってきてしまうので、最初にアップデートしてしまうのがオススメです。

 しかし、何も考えずにいきなり適用してみたところ、なぜかアップデートに失敗して巻き戻されてしまいました。何が原因なのかわかりませんが、セットアップを完了せずに放っておいたプリインストールのセキュリティソフトをアンインストールしてみたところ、無事にアップデートできました。これが原因だとは思いませんが、同じように失敗するようなら試してみる価値はあるでしょう。

自動更新で開始してもいいのですが、やたらと時間がかかってしまうので今回は手動で更新。ダウンロード、チェック、展開、再起動ののち更新、といった手順です。といっても、自動で行なわれるのでやることはありません

ダウンロードや更新作業、そして失敗なども含めて結局5時間近くかかってしまいましたが、なんとかアップデート完了。バージョンもちゃんと1703になってます

 なお、最初に15GB以上あった空き容量は、アップデート後には11GBくらいになっていました。古いOSの残骸を削除すれば容量が増えますが、とりあえ様子見のためこのまま残しておきます。削除しちゃうと、前のバージョンに戻せなくなりますからね。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう