物理演算という言葉を聞いたことはあるだろうか?今となっては当たり前ともいえる程に世界中のゲームで使用されている。現実世界の物理法則に従って物体の落下や衝突の計算を行ないオブジェクトの破壊や落下をリアリスティックに表現するものだ。時には笑いを巻き起こし、時には理不尽な挙動を起こすことでもお馴染みだ。
聡明な読者の方々なら察しが付くと思うが、今回紹介する作品はそんな物理エンジンを利用した対戦型タワー建築バトル作品を紹介する。
相手の要塞を破壊せよ!
第53回は「Forts」を紹介する。冒頭でも触れた物理エンジンを軸にした作品である。チュートリアルを兼ねたキャンペーンモードやAIと延々と対戦できるスカーミッシュモード、そしてマルチプレイにも対応している。
本作品は「対戦型タワー建築バトル」と冒頭で銘打ったが、リアルタイムストラテジー作品でもある。お互いに要塞を建築し、先に相手の拠点にあるリアクターを破壊したほうが勝ちというシンプルな勝敗条件だ。
さて、物理エンジンをメインにしていると言ったのは、それが本作のキモであり要塞建築において、何よりも重要だからだ。重さが一方にかかればそちらに傾き、バランスが悪くなれば支点から要塞は崩壊してしまう。
さて、建築するだけが防衛ではない、どうすれば相手の拠点を破壊できるかも説明していこう。攻撃手段は“マシンガン”、“スナイパー”、“高射砲”、“スウォームミサイル”、“キャノン”、“レーザー砲”の6種類だ。後ろに行くほど威力が高くなり、レーザー砲に至っては一撃でほぼ勝負が決まるレベルだ。だが、戦闘開始直後ではマシンガンとスナイパーのみ設置可能で、高射砲以降のユニットはそれぞれ設置に施設が必要となる。
攻撃方法はユニットを選択した後に射撃角を指定する。近距離であればほぼ指定した角度で射撃できるが、長距離になると弾は下に落ちていく。基本の攻撃方法はほぼ全て一緒で変わらない。唯一の例外がスウォームミサイルで、射撃の際にはスナイパーの誘導が必要で、スナイパーを設置していなければ発射が出来ない。
ただし、ミサイルと高射砲は射撃で撃ち落とすことができるのだ。そのため、マシンガンを設置して飛んでくるのを見たら撃ち落とすといった感じで防衛することができる。
弾薬一発もタダではない
本作品では、ユニットの設置や建造には資源が必要となる。資源は二種類と非常に少ないが、採集ユニットは非常に脆弱なうえ、建造できるポイントが限られているため、設置には頭を悩ませることになる。
鉱石採集ユニットは限られた地面にのみ設置が可能で、エネルギーは高所で風が強い部分に風力発電ユニットを設置することでそれぞれ対応した資源にブーストをかけることができる。何も設置しなくてもリアクターからは供給はされるのだが非常に低い数値しか供給されない。
そして困ったことにどちらにも採集上限が存在する。上限自体は鉱石であれば鉱石置き場を、エネルギーであればバッテリーを設置することで上限を増やすことができるのだが、バッテリーは破壊された場合誘爆を引き起こすため設置場所を考える必要がある。
基本を覚えたら実践だ
本作品はマルチプレイに対応している。CPUとも対戦が可能だが、マルチプレイでは最大8人までの対戦に対応している。どの時間でもオンラインでは人を見かけたのでPingさえ気に留めなければ対戦には困ることはないと思われる(フランスのプレイヤーをどの時間帯でも見かけたのでフランス人ユーザーが多い印象がある)。
大体一戦が数十分程度で終わるため他のRTSにあるような長時間ゲームでの疲れと言うものはあまりない。そのため、短いサイクルで何度も対戦が出来るというのは非常にうれしい。
タワーディフェンスが好きで対人戦が好き、もしあなたがそんな志向をお持ちならば本作品はズバリお勧めだろう。カジュアルで奥深いRTSを味わっていただきたい。
Fortsの推奨動作環境は?
最低動作環境のグラフィックの要件がIntel HD Graphics 520以上と、Skylake世代のCoreシリーズ以降が必要だが、CPU内蔵GPUで動く軽さだ。専用GPUを搭載しているゲーミングノートやデスクトップであれば、問題無くプレイできる。
『Forts』
●EarthWork Games
●1480円(2017年4月19日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows 7以上
ジャンル ストラテジー BaseBuilding アクション 物理 RTS
Copyright EarthWork Games Pty Ltd © 2017
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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