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取材移動距離約1500km

戦国武将のボイスに斬られた!おしゃべり自販機東西行脚の旅

2017年06月14日 15時00分更新

文● ナベコ 撮影●篠原孝志(パシャ)
提供: ダイドードリンコ

なんで自販機をしゃべらせたの?
ダイドードリンコに直撃

 おしゃべり自販機、楽しかったですけど、でも……、ぶっちゃけ必要なくないですか?

 いえいえ、利用者側としては楽しいのでありがたいのですが、「飲料を販売する」という趣旨からするとおしゃべりする機能はあってもなくてもよいような。当然コストもかかるでしょうし。今でこそおしゃべりする自販機は珍しくないですが、最初はどうして「しゃべらそう」と企画したのでしょうかね?

楽しいけどしゃべらなくてもよくない!? あちこちめぐってきたあげくそんな疑問が……。

 後日、おしゃべり自販機を手掛ける飲料メーカー ダイドードリンコにお話をきいていみました。対応して下さったのは自販機営業企画部の浅井さん。笑顔が柔らかい方でした。

■受け身的な存在の自販機を能動的に

ナベコ「なぜ、自販機をしゃべらせたのですか?」

浅井さん「日頃自販機を利用して下さるお客様となんとかコミュニケーションをとれないか、と考えたからです」

ナベコ「たまに通りかかると話しかけてくる自販機がありますね」

ダイドードリンコの自販機営業企画部の浅井さん。

浅井さん「おしゃべり自販機には、一定時間利用がないと定期的にしゃべる機能もあります。人感センサーを搭載しているわけではないのですけど、人の気配に反応して話しかけられたと感じる人は多いようです(笑)」

ナベコ「てっきり人感だと思っていました(笑)。意識していないとびっくりすることがありますね」

■30年前のおしゃべり自販機は「怖がられた」

浅井さん「実は、おしゃべり自販機は30年くらい前にもテスト的に設置した歴史があるのですが、その時には機械がしゃべることにあまりなじみがなく、多くの方に怖がられたり不気味がられたりして、結果としては失敗でした」

ナベコ「今だったら自販機がおしゃべりするって普通ですから怖くはならないですね。というか、そんなに前からおしゃべり自販機があったのに驚きです!」

浅井さん「正式におしゃべり自販機がスタートしたのは2000年です。この時には、ATMのおしゃべり機能など世の中に増えていたので以前のように怖がられませんでしたよ(笑)」

■「メリークリスマス」「あけましておめとう」もしゃべる

ナベコ「『おはようございます』『お疲れ様でした』以外に、季節の挨拶もしてくれるんですよね」

浅井さん「12月24日、25日は『メリークリスマス』、1月1日から3日は『あけましておめでとうございます』としゃべります」

ナベコ「おお! ひとりで過ごすクリスマスや正月に声かけてもらえると染みそう(笑)」

浅井さん「お客様からは“自販機が声かけてくれた”と喜ぶ声が多く寄せられました。自販機がしゃべることでお客様とのコミュニケーションが深まったなと実感しています」

ナベコ「Twitterでダイドードリンコの自販機についてつぶやいている人を見たことがあります」

浅井さん「そうなんです。最近ではSNSで『今日はダイドードリンコの自販機しかしゃべっていない』といったユーモアを感じる投稿も見られます。自販機に愛着をもっていただけてうれしいです」

ナベコ「いくつか自販機が並んでいた中でダイドードリンコの自販機を選ぶ動機のひとつになりますよね」

■設置場所のPRにも役立てられる

浅井さん「現在、スタンダードなおしゃべり自販機は標準語の他に17種類の方言をしゃべるため、地域の特色を出すこともできますし、オリジナルのカスタマイズもできるので、自販機を設置するロケーションのオーナー様のニーズにも対応することもできます」

スタンダードのおしゃべり自販機は標準語の他17種類の方言に対応。※方言への対応は個別の設定が必要となる。

ナベコ「オリジナルのカスタマイズというのが、戦国武将のセリフをしゃべる自販機とか藤森神社の自販機とかなのですね」

浅井さん「観光地の場合、ロケーションの演出に役立てられますし、お店さんのPRにも役立てられてると思います」

ナベコ「なるほど、おしゃべりするというのは強みですね」

■AIで会話する?

ナベコ「未来のおしゃべり自販機ってどうなっているでしょうかね」

浅井さん「お客様が飲料を買う瞬間をより心地よくしたいです。アイデアレベルですが、話しかけてくれた人にのみ反応して、AIで会話できるようなおしゃべり機能があれば楽しいですよね。また、音楽で演出したり、LEDの光で心地よい空間をつくるという可能性もありますね。自販機でできることはいろいろあると思います」

ナベコ「会話してくれるおしゃべり自販機、いいですね。私は、お酒を飲んでクダまきたい時に相手にしてくれる自販機がほしいです。ほろ酔いの時に『もうお酒はやめて、miuでも飲みなよ』って言われたら買っちゃいます(笑)」

浅井さん「おもしろいですね。お酒を飲んだ方を想定した機能にするかわからないですけど(笑)、自販機でお客様とのコミュニケーションを密にしたいです」

話してくれると楽しいのだ!

―――飲料を販売することが自販機の基本機能。ですが、おしゃべりすることで別の価値が生み出され、お客様にとってもオーナーさんにとっても満足度が高まり、ファンも増える。ものすごい魅力のひとつであることがわかりました。私としてはお酒の相手をしてくれる自販機が実現したらいうことない。「飲まぬなら飲ませてしまえ」と憤りを感じることもなくなります。さすがに無理か(笑)



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ナベコ

寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になるまでにストリップを見に行きたい。Facebookやってます!

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(提供:ダイドードリンコ)

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