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新料金とサービス拡充でMVNOへの流出に対抗するドコモの戦略

2017年05月24日 17時30分更新

 ドコモは5月24日に2017年夏スマホ&タブレット8機種を発表した。端末に合わせて発表されたのは、対象端末「arrows Be」「Galaxy Feel」を購入したユーザーに月額料金を1500円割り引く新料金プラン「docomo with」や新サービス「dジョブ」「dエンジョイパス」など。

 6月1日から投入される新料金プラン「docomo with」はひとつの端末を長く利用するユーザー向けで、対象端末を購入することで月額料金を毎月1500円をずっと割り引くもの。対象端末は「arrows Be」「Galaxy Feelの2機種で、どちらもミドルレンジの端末となる。

 対象端末に関してドコモは“第1弾”としており、dポイントクラブやシェアパック、ずっとドコモ割、ドコモ子育て応援プログラムなどとともにユーザー確保の柱として発表会でも手厚くプレゼンされた。ドコモはこれまで他キャリアと同様、新規契約やMNP乗り換えユーザーを優遇していたが、恩恵が薄いと言われていた長期契約ユーザーを重視する姿勢を示した格好だ。

 なお「docomo with」と合算できる、データをシェアしない標準的なデータMパックで15年以上契約時の「ずっとドコモ割」の割引額は月800円。こちらは「フリーコース」契約では適用外となる。3キャリアとも決算会見で懸念を隠さないキャリア間の流動性が止まり、流出先は他キャリアではなくMVNOという傾向を考えると、ミドルレンジ2端末のみという新料金プランの投入はやや消極的にも見える。

すぐ電

みえる留守電

 端末系の新サービスとして投入するのは、端末を耳に当てるだけで応答し、設定した終話ワードで通話を終了できる音声終話機能対応の“スグ電”と、留守電の伝言メッセージをテキスト化する“みえる留守電”(6月下旬提供開始予定)。どちらもユーザーの利便性を高める新サービスだが、みえる留守電はiOS版が提供されないのが残念。

月額500円の「dエンジョイパス」は季刊冊子「Enjoy Pass」も提供される

 これらに加えて、ドコモが「ライフスタイルへの挑戦」と位置付けるのが、おもに55歳以上のシニア世代向けワンコイン優待サービス「dエンジョイパス」。2017年夏提供開始予定で、月額500円(税抜)でレシャーやスポーツ、グルメなど10カテゴリーで5万件以上のサービスの優待を受けられる。SNS「趣味人倶楽部」にアクセスできるほか、専用コールセンターも用意。さらにクーポン付きの季刊会報誌「Enjoy Pass」も受け取れる。

dジョブ

 2017年秋には求人情報のほか、アンケート回答や記事執筆、データ入力など短時間でできる「スマホワーク」の仕事情報を提供する「dジョブ」の提供を開始。求人情報数は約60万件で、スマホワークは報酬振込時に1回200円の手数料がかかる仕組み(現金受取は月1回まで)。求人情報、スマホワークとも月額無料で利用できるが、月300円(税抜)の有料オプションの申込で利用状況に応じてdポイントが手に入るほか、現金受取時の振込手数料が月1回無料になるなどの特典が受けられる。

8月には一部地域でLTEの下り最大速度が788Mbpsに

 このほか、dポイント取扱店舗の拡大と店舗ごとのキャンペーン、家族間コミュニケーションをサポートするデバイス「petoco(ペトコ)」の投入などライフデザイン事業を強化するドコモ。今年8月の下り最大788MbpsへのLTE回線の強化と東京五輪合わせの5G開発、新料金プランを含めた契約者向けサービスの拡充で回線提供に専念せざるを得ないというダムパイプ(土管)化に対抗するための既存ユーザー囲い込みを強化するが、シェアが拡大し続けるMVNO事業者の格安プランに対抗できるかに注目したい。

会場内には5G関連機器のほか、5Gの高速通信・低遅延性を生かしたリアルタイムVR体験コーナーも用意


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