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拡張ボードも充実、アンダー1万円から始められるハイレゾ生活

進化の速い「ラズパイ・オーディオ」の現状、ここまでやれる!

2017年05月13日 12時30分更新

ラズパイオーディオは急加速で進化中

 そもそもラズパイがオーディオ用として注目されたのは、今から3年ほど前であり当時はラズパイの基板もWi-Fi未搭載で、その運用はかなりマニアックなスキルが要求された。

 それが、ラズパイ3になったことで、Wi-Fiが搭載されディスプレー、キーボード、マウスなどを使わず、スマホやノートパソコンからワイヤレスで操作できるようになった。また、オーディオに特化したフリーウエアも進化を続けた。例えばVolumio2と呼ばれるOS込みでインストールできるLinuxディストリビューションを利用すれば、ラズパイを簡単にネットワークプレーヤーとして使えるようになっている。

 ただしラズパイ3をWi-Fiで遠隔操作すると、ラズパイ自身がインターネットに接続できないという問題が発生する。そこでラズパイは有線LANで自宅のネットワーク環境に接続することをオススメする。音楽データをNASに保存すれば、パソコンからもラズパイからもデータにアクセスできる。また、ラズパイがインターネット接続していれば、インターネットラジオ機能も使えるようになるし、楽曲データのアートワークをインターネット経由で持ってくることもできる。

 ほかにも、タッチ対応の液晶ディスプレーをHDMI出力でラズパイに接続して、タッチパネル操作してWi-Fi経由でインターネットに接続する方法がある。

BNC端子を搭載したS/PDIF出力用拡張ボード

バランス出力と2系統のクロックを搭載したDAC拡張ボード

 単体でもUSB接続でハイレゾデータを出力できるラズパイだが、その進化をさらに加速しているのが、HATと呼ばれるI2Sで接続できる拡張ボードの存在である。拡張ボードを使えば、ハンダ付け不要でDDC(デジタル→デジタル変換)、DAC(デジタル→アナログ変換)、ヘッドフォンアンプ、パワーアンプなどの機能を追加して、ソフトウエアから設定変更できる。

 特に注目は、人気のESS製DAC「ES9023」やAKM製DAC「AK4490」を搭載したDACボードだが、さらにバランス出力対応や、クロックを2基積んだ基板などもある。また、DDCボードとしては、デジタル出力用のS/PDIF出力変換拡張ボードもある。

 これはHAT準拠ではないが、I2SをHDMI端子に出力する基板も存在する。このように今までは手が触れることのできないブラックボックス化されたオーディオ基板をラズパイは我々の目の前に開示してくれたのだ。

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