最近、耳にすることが多くなった「ラズパイオーディオ」は、ワンボードコンピューターの「ラズベリーパイ」(Raspberyy Pi)を使って、小型で高音質の音楽再生を実践する取り組みだ。ヘッドフォン祭でも、数年前から展示を見かけるようになり、手軽に始められるが奥の深い自作オーディオの楽しみ方として1ジャンルを築きそうな印象がある。
この記事では4月29日と30日に開催された「春のヘッドフォン祭 2017」の会場で見かけた新製品情報を取り上げながら、ライターのゴン川野氏に、ラズパイオーディオ事情をまとめてもらうことにする。
ラズパイを組み込んでRATOC「RAL-NWT01」
「ラズベリーパイをオーディオに使うといいらしい」という話を聞いて調べてみると、ケースレスの基板1枚でOSも自分でインストールする必要があると分かって、ちょっと敷居が高いと思っている方に朗報。
RATOC Audio Labが同社のDAC内蔵ヘッドフォンアンプと同じデスクトップサイズのネットワークオーディオトランスポート「RAL-NWT01」を発売した。その内容は、一般的なネットワークプレーヤーからDAC機能を取り除いたイメージだ。
USB接続で音楽データの入ったHDD、SSD、USBメモリーを認識、または有線LANでNASに接続可能。スマホやノートパソコンのウェブブラウザからワイヤレスで楽曲の管理、再生ができる。中身はラズパイCM3(Compute Module 3)なのでキーボード、マウス、ディスプレーーに接続すればパソコンと同じように操作できるのだ。
microSDカードにOSとVolumio2がインストール済みで、電源を入れれば通常のオーディオ機器と同様に操作できる。USB/DACと組み合わせてネットワークプレーヤーが完成。本体内には2.5インチストレージを接続できるスロットがあり、SSDやHDDをスロットインで使える。
ラズパイで悩むケースをどうするかの問題、敷居を高くしているOSのインストールも済ませてあり、まさにラズパイのメリットを手軽に享受できる製品だ。その分、価格は7万2000円とラズパイオーディオの製品としては高価な部類になっている。
RATOCではラズパイCM3用のマザーボードも発売予定で、こちらは実売価格で約2万5000円。上級者なら、こちらに挑戦するのもいいだろう。5月15日から「Raspberry pi Audio Cookbook」というキット製品解説ページが同社のウェブサイトに公開予定なので、これを読んでから、どちらにするか決めるという手もある。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります