第210回
TITAN Xとの戦いは、エンスージアストに何をもたらすのか?
新GPU「GeForce GTX 1080Ti」の性能を最新ゲームでベンチマーク
2017年03月09日 23時00分更新
検証環境は?
それでは今回の検証環境を紹介しよう。今回はPascal世代のハイエンド対決ということでGTX 1080Ti FEとGTX 1080 FE、さらにTITAN Xとも対決させてみる。
【検証環境】
マザーボード:ASRock Z270 GAMING K6(Intel Z270)
メモリー:Corsair CMU16GX4M2A2666C16R(DDR4-2666 8GB×2)
ビデオカード:GeForce GTX 1080Ti Founders Edition、GeForce GTX 1080 Founders Edition、NVIDIA TITAN X
ストレージ:Intel SSDPEKKW010T7X1(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット:Corsair RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版(Anniversary Uptade)
電力計:ラトックシステム REX-BTWATTCH1
TITAN Xとほぼ互角の戦い
では定番の「3DMark」のスコアー比較からはじめよう。テストはDirectX11ベースの“Fire Strike”および“Fire Strike Ultra”、DirectX12ベースの“Time Spy”を使用する。
のっけからNVIDIAの主張(GTX 1080に対し35%、TITAN Xより高速)は否定されてしまったのは残念だが、GTX 1080TiのパフォーマンスはほぼTITAN X相当であると言ってよいだろう。最速GPUの6割程度の値段でこの性能なら、まさに驚愕としか言いようがない。
続いては「VRMark」のスコアーもチェックしよう。現行VRシステムよりはるかに重い負荷をかける“Blue Room”でどれだけ踏ん張れるかが見ものだ。
このベンチマークはVRヘッドセットがなくても実行できるぶん、ヘッドセット未装着でのテスト結果はスコアーというやや分かりづらい指標でパフォーマンスが示される。そこでもうひとつ、テスト中の平均fpsを比べたのが2番目のグラフだ。これによるとBlue Roomクラスの負荷になるとTITAN XやGTX 1080Tiでも70fpsを下回る。ただ現行VRシステムを想定したOrange Roomのスコアーを見ると、どのGPUでも90fpsを大きく上回っている。将来出るであろうプレミアムなVRコンテンツに備えるビデオカードとして、GTX 1080Tiは良いチョイスになるのではなかろうか。
それではここからは実ゲームベースのベンチマークに入る。どのテストもフルHD/WQHD/4Kの3通りの解像度でパフォーマンスを比較する。
一番手は重厚感のあるグラフィックと緊迫感のある剣戟が楽しめる「For Honor」だ。画質はプリセットの“超高”を使うが、パフォーマンスを著しく下げるアンチエイリアスのスーパーサンプリングはオフにしている。テストはゲーム内蔵のベンチマークモードを使用し、トータルの値で比較する。
For Honorのベンチは比較的数値の変動が大きい傾向にあるためか、設定により優劣が入れ替わる感じだが、おおむね傾向としてはTITAN XとGTX 1080Tiはほぼ同レベルの性能を示している、といってよいだろう。一方GTX 1080Tiと1080無印の性能比は1.26~1.32対1(平均fpsの比)。負荷が高いほどNVIDIAの主張に近づいていく様子が見て取れる。
次は「Battlefield 1(DX11モード)」を試す。画質はプリセットの“最高”を選択。シングルプレー用ステージ“O LA VITTORIA”開始時のフレームレートを「Fraps」で測定した。
ベンチマーク計測は手動プレーなため毎回同じ動きができるとは限らないが、比較的安定したアウトプットが期待できる。このゲームでは全設定においてGTX 1080TiがTITAN Xを上回るパフォーマンスを見せた。ゲームによっては、との前置きはつくものの、TITAN Xより速いという謳い文句はちゃんと成立するシチュエーションがあることが確認できた。
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