2017年1月のCES取材に向かう途中、筆者はお正月をロサンゼルスで過ごしています。ここで確保しておきたいのが米国での通信手段です。
T-Mobileの旅行者向けSIMは30ドルで2GB利用可能
日本で格安SIMを利用している場合、大手キャリアの海外データローミングが使えません。そういう場合に便利なのが、T-Mobile USの旅行者向けSIMカード「T-Mobile Tourist Plan」です。
価格は30ドルで、2GBのデータ通信、1000分の米国内通話、国際SMS無料がセットになっており、有効期間は3週間。T-Mobile USのお店で購入できます。
購入にあたっては現金かクレジットカードだけでOK。IDやパスポート、ホテルの住所などは不要でした。なお、ロサンゼルスではカリフォルニア州のプリペイド携帯税(MTSサーチャージ)として5.48ドルの税金がかかり、支払いは35.48ドルでした。
注意したいのはT-Mobile USのバンドです。LTEはバンド4(AWS)を中心にバンド2も用いており、最近ではバンド12が拡大しています。かつては日本で売られている端末では対応できず、米国で手頃なSIMフリー端末を買ったほうが早いという時代もありました。
しかし、日本でもハイエンドのSIMフリー端末はバンド対応が広くなっており、ファーウェイなら「HUAWEI P9」や「HUAWEI Mate 9」が対応済み。ASUSのZenFone 3 Deluxe、モトローラのMoto Zなど、端末の選択肢は確実に増えています。
iPad ProからT-Mobile USのプランを直接契約
Apple SIMに対応したiPadを持っている場合、米国ではデバイス上からデータ通信のプランを直接購入できます。
筆者が使っているNTTドコモ版のiPad Pro 9.7型モデルは、SIMロックを解除していないものの、海外ではSIMフリーとして使えるため、そのままでも米国で利用できています。
さらに、以前ならアップルの店舗でApple SIMを購入する必要がありましたが、iPad ProならApple SIMが本体に内蔵されているため、物理的なSIMカードは不要。契約にあたって特別な通信回線を利用することから、既存のLTE通信やWi-Fiも不要です。
T-Mobile USでは5GBで10ドルという特別なプロモーションプランを提供しており、初めてのユーザーは格安で契約できます。一方、通常プランでは5GBで40ドル、7GBで50ドルとそれほど安いわけではないものの、米国ではこれくらいが相場です。
日本の感覚でそのまま使える「アメリカ放題」
ソフトバンクを契約している場合、もっとも便利なのが米国のSprintで日本と同じように携帯を使える「アメリカ放題」です。月額980円のオプションですが、日本で5GB以上のデータ容量を契約していれば無料になります。
Sprintの問題はネットワークの弱さです。今回もロサンゼルス空港で、T-Mobileがつながる一方、Sprintが圏外になる場所がありました。ただし、ソフトバンクの協力により改善は進んでいるとみられ、ラスベガス中心部ではT-Mobileが圏外なのにSprintがつながる場所も。速度はおおむね1~10Mbpsといったところです。
ソフトバンクを契約中の筆者が個人的に失敗したのが、大容量プラン「ギガモンスター」です。米国出張前に20GBプランに変更しようと考えていましたが、適用されるのは申し込みの翌月から。筆者の場合、締め日は毎月20日なので、1月上旬の米国で使うためには12月20日より前にプランを変更しておく必要があったわけです。
アメリカ放題自体は申し込み後すぐに使えるものの、ギガモンスターはそうではないという点に注意が必要です。それでも頻繁に渡米する人にとっては、このためにソフトバンクと契約する価値があるほど便利なサービスである、という点は変わっていません。
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