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いまどき子育て便利帳

妻が妊娠してから使い続けているアプリ

2016年11月15日 07時00分更新

 前回「保活地獄」の話を書きすぎて後悔している。もっと肩の力を抜いて読めるほっこり話を書こうとはじめた連載なのに、自分が保活にいらついたことが引き金となり、「うおっしゃあ決まったで鬼退治じゃあ!!!!!!!!!」と右腕ふりかぶってキーボードをドダダダダァーッと叩いてしまった。ちがうそうじゃない、本当は奥さんが妊娠してから楽しいこと、良い意味で驚かされることがたくさんあると伝えるはずだったではないか。修羅の世界につっこんでいく必要はない。妊娠初期から夫婦で一緒に使っている便利アプリがある。今回はあれを紹介しよう。

 アプリの名前は「トツキトオカ」。基本無料。iPhone/iPad版はiOS 7.1以降Androidスマートフォン/タブレット版はAndroid 4.0以上対応。夫婦で共有できる妊娠記録アプリだ。夫婦でともにインストール、アプリを連携させて使う。ポイントは「旦那に当事者意識をもたせること」それにつきる。

旦那に当事者意識をもたせる

トツキトオカ 基本無料 iOS/Android OS両対応

 アプリをひらくと、トツキトオカという名前のとおり最終月経日から出産までの十月十日(とつきとおか)280日をカウントダウン表示。赤ちゃんのイラストをタップすると、便利情報を中心に毎日ちがうメッセージを表示する。

 173日目の今日なら「羊水はどんどん入れ替わってるよ。ママの血流の音、羊水の音。波に揺られる感じかな」「妊娠線ができやすいのは、お腹、乳房、おしり、太ももなど。危険ゾーンは特に予防しよう!」といった感じ。このメッセージを通じ、奥さんにだるさが出る時期、つわりが始まる時期、胎動を感じはじめるときなどがわかる。赤ちゃんがいまどれくらいの身長・体重なのか、どういう発達過程にあるかもわかる。ちなみに現在はパイナップル大ということ。

妊娠7ヵ月目。赤ちゃんはおよそパイナップル1個分の大きさになっているらしい。お腹にパイナップルが入るというのがまったく想像できない

 旦那にいいのは、赤ちゃんだけでなく同じ時期の奥さんがどんな状況になりやすいかを教えてくれること。

 たとえば7ヵ月目なら「おなかが大きくなるため、あおむけで寝ると息苦しく、動悸がして寝にくい状態になります。心拍数も多くなり、落ち着かないため、熟睡できないこともしばしば」など。普段と様子が違うのは妊娠のためなのかどうかが旦那さんにもやさしくわかるようになっていて「腰や背中のマッサージを」といったアドバイスも受けられる。男はただでさえ妊婦のことがよくわかっていないと怒られるのでとても参考になり、またちょっとした発生学のようで楽しい。

赤ちゃんの様子だけでなく奥さんの様子がわかるのがポイント。旦那は「あ、そういえば最近……」と思いあたるふしがあるはず。使わせてみよう

記録つけると通知が来る

 メイン機能は妊娠記録。アプリに妊娠時の体調や体重を入力してグラフ表示したり、妊娠にまつわる日記をつけたり、カレンダーに検診の予定を入力できる。

 大事なのは入力すると旦那のアプリにプッシュ通知が来ること。旦那は奥さんの状況をたしかめて「へえ~お風呂でよく胎動が来るんだ」「体調良くないのか、早めに帰って夕飯作ろう」「体重エッ何めっちゃ太ってないそれ……(本人の前では絶対禁句です)」などいろいろ考えるところが出てくるはず。そんなこと口で言えばいいじゃんと思うかもしれないがそうではない。日常会話から落ちる情報というのはかならずあり、まとめて情報を見られる場所も必要なのだ。

 ちなみにうちの奥さんは日記機能を「食べたもの記録帳」にして、月1kg増のペースを守るためレコーディングダイエットにいそしんでいる。通知が来るたびおやつの割合が多い気もするなと思ったりしている(言わない)。

奥さんの体調や伝言が見られる伝言板的な画面。うちは大体「まあまあ」

体重グラフも。数値は消したがけっこうな勢いで増えている

奥さんの食べたもの日記。基本的には白飯など糖質をおさえるようがんばっている。おやつが多いのは少し気になっている

 そのほか奥さんに「エール」というショートメッセージを送れたり、出産時の準備事項をたしかめたり、超音波エコー画像を記録したりと機能はいろいろ。雑誌社が作っている育児系アプリは有料でないと情報がほとんど取得できないケチアプリが多い中、トツキトオカはかなりの部分が無料で使えてよくできている。ちなみに課金アイテムでは広告バナーを消したり、奥さん宛にかわいいメッセージカードを送ったりできるが、お金を払わなくても問題なく使える。

旦那から奥さんへの「エールを送る」(笑)機能。エールを送ったあとマッサージでもしてあげるとよい

 妊娠中のけんかは「わかっていない」「伝わっていない」という認識のすれちがいから始まる。人と人が争う理由は大体そんなものだが、子供という自分たちには制御できない期待と不安を抱えた状態ではさらに爆発までの時間が早まっているように思う。奥さんと共有できるものをアプリで増やしつつ、毎週のように起きる初体験のバタバタに取り組んでいれば、日々は忙しなくも楽しく過ぎていく。

 というわけで今回はトツキトオカのおすすめだった。修羅の世界にいかずに済んで一安心、次回もテーマはひきつづき“夫婦間の情報共有”。よろしくどうぞ。


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。来年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

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