まったく新しいお好み焼き、“山おこ”、“海おこ”
広島の料理と言ったら、お好み焼きを思い浮かべる人も多いと思います。DINING OUTでもお好み焼きが登場しました。ちょっと不思議な呼び方の“山おこ”と“海おこ”。
山の幸でつくったという山おこは、当日山で取れた山菜と、最高な状態で採って素早く調理し熟成させたというイノシシがメインです。
なお、イノシシは会場では“ボタン”と呼ばれていました。というのも、お寺の中で獣肉はかつて避けられていたため、呼び替えなのですね。
合わせたお酒は、YEBISUビール。お好み焼きは、やはりビールと合いますね!
海の幸でつくった海おこは、ビスクで生地をつくって焼き上げたもの。おいしいですが、単体で食べると少し味気ないです。実はこの海おこにはブイヤベースもセット。ブイヤベースは、マダイ、牡蠣の泡、瀬戸内産のデベラ(小さなひらめ)や橙でつくっています。
ブイヤベースは魚介の味が濃厚でダイナミック。ビスクの海おこと合わせて食べることで、口の中に瀬戸内の海の幸が強烈に広がります。
お酒は、広島の「三次ワイナリー」のメルロー。口当たりが優しくとても飲みやすい味でした。
ところで、山おこ、海おこという言葉は、コース料理をプロデュースした大橋氏が生み出したもの。記者は、広島でお好み焼というと、焼きそばや目玉焼きが層になったものを想像していたので、予想と違ってびっくりしました。
大橋氏によると「お好み焼は好きな具材を焼いたもの」。なので、あえて枠にとらわれないびっくりするようなお好み焼をDINING OUTの場に出したそうです。
ここにきて、口休めのような役割で、レモンと緑茶が登場しました。広島はレモン栽培が盛んな県。その中でも最もレモンの収穫量が多いのが“生口島”。 今回味わったのは、農薬未使用というこだわりの農家さんが育てあげたレモンです。意外なようですが、レモンと緑茶の組み合わせが良いとか。
レモンの爽やかな酸味が口の中で広がったあとに緑茶を飲むと、酸っぱさが抑えられ、心地良く上品な後味になりました。
口をさっぱりさせた後は“軍鶏(ぐんけい)のステーキ”の登場です。
軍鶏にオレンジの汁のエスプーマ(ムース)やレモンの枝、藁マリネ、などが添えたひと皿。軍鶏の柔らかさと味わい深さ、柑橘系のアクセントがステキでした。ここまでにお腹が一杯になりつつありましたが、とてもおいしいのでドンドン進みます。
お酒は「老亀“1992年”」の熱燗。24年寝かした貴重な古酒です。力強さがたまらない!! 絶品です!!
どっしりした肉料理に古酒でお腹をしっかり悦ばせたあとは、とうとうデザート。
デザートは、ヤギチーズパンナコッタとスナップえんどうピュレとビスキュイ。「TIRPSE」のパティシエである中村樹里子氏が手掛けています。女性パティシエであるだけに、どちらも優しさと繊細さがひとしおでした。
デザートに合わせるお酒は日本酒「雨後の月 吟風咏月」。
“雨後の月”は記者も以前より大好きなおいしいお酒。なおこの日の“水”は、雨後の月の仕込み水でした。雨後の月は良質の軟水でつくっているということで、仕込み水も柔らかい味わいでとてもおいしかったです。
最後のひと皿を食べる尽くすと、大橋氏の挨拶とともにDINING OUTのひと時が終わっていきました……。名残惜しいですが、まるで幻のように。
ロケーション、演出、料理、すべてがレアな体験
チケットが1食10万円以上するDINING OUTの食事を十分に堪能しました! 貴重な体験をしたという感動で胸がいっぱいです。
浄土寺という、本来であれば食事の場所として使われない貴重な場所で、通常コラボレーションすることが少ない一流のシェフたちが集まって、この日にしか食べられないとっておきの料理が提供されるという。
これは確かに、10万円。いや、それ以上の価値があるのかも。
食事の前には、地元の人もあまり知らないという絶景スポット、浄土寺の展望台で瀬戸内海岸を眺めながらのオープニングイベントもありました。
参加者は一生の思い出になること間違いないです。
このプレミアムなディナーDINING OUTは、今までにない本質的な意味での地方創生に適っているということ。主催者へのインタビューも追ってお届けしますね。
ナベコ
寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になるまでにストリップを見に行きたい。Facebookやってます!
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