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目指すは日本発の技術イノベーションベンチャー

基礎技術開発こそが生き残る道 SFの世界を現実にするLiquid

2016年03月04日 10時00分更新

生体認証以外の画像解析のプロジェクトも進行中

 生体認証技術をうまく活用すれば、財布を持たず手ぶらでジョギングに出て、途中で飲み物が欲しくなったら指紋や虹彩による生体認証で購入する、といったSFのような世界が実現できる。そのようなドラえもんに出てくるような世界に近づけるためには、まだまだ乗り越えるべきハードルが多い。

 決済だけ見ても、そもそも既存事業も含めて、ライバルは数多い。実際、Liquidの指紋認証はスピードの面で従来よりも大きな優位性があるが、エンドユーザーへの体験の落とし込みはこれからだ。

 Liquidとしては、今後すでにサービスを作っている企業とアライアンスを組み、裏側でコア技術を発揮していく算段だ。国内大手企業との提携を進めるなか、画像解析の要素技術提供ということで、実際にライバルとなるのは国際的な大企業になってくる。そのような環境のなか、優秀な人材を獲得し技術力をより高め、より“使える”サービスが同社の技術から生まれることに期待したい。

 今後の楽しみとしては、生体認証以外にも、画像解析技術を使った新しいビジネスのプロジェクトも複数進行中とのことだ。

 「現段階ではお話できないが、面白いプロジェクトがいろいろある。たとえばみなさんのスマートフォンの中に入っている写真などの点数の多さを考えれば、画像解析技術を使って検索しなければ、欲しいものが見つけ出せない時代になってきていると思えるはず」

 特にユニークな利用例としては、スポーツ分野での利用もあるという。

 「例えばサッカーをニュースで紹介する場合。ゴール場面だけを現在は放送しているが、ゴールそのものよりもその前のパスがじつはゴールを生み出す要因となっていることもある。そのような場面を簡単に探し出すことができれば、スポーツ中継はもっと楽しむことができる」

 現在、要素技術分野で、日本発で世界に進出しているベンチャー企業は多くはない。日本発の要素技術で世界の裏側を支える、そんなスタートアップもあっていいはずだ。

●株式会社Liquid(リキッド)
大学時代に金融工学エンジニア、その後大手証券での投資事業を手がけた久田代表が2013年12月にLiquid(旧ラックネット)を創業。技術優位性=ビジネスのコアバリューになるという技術イノベーションベンチャー企業であることを重視。
ドコモイノベーションビレッジ主催のインキュベーションプログラム第3期や、総務省のICTイノベーション創出チャレンジプログラムなどの採択を経て、2015年2月に「Liquid Pay」一般販売を開始。2016年2月には、経済産業省・総務省によるIoT推進コンソーシアムにおける「IoT Lab Selection第1回先進的 IoT プロジェクト選考会議」のグランプリにも採択され、本格導入に向けた全国での実証実験を進めている。
社員数は2016年2月時点で23名。

■関連サイト
Liquid

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