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BioShockの元開発チームによる激流川下りサバイバル『The Flame in the Flood』:Steam

2015年12月16日 19時00分更新

 PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第13回目は、大洪水により文明が滅びた世界でサバイバルする『The Flame in the Flood』を紹介する。

 The Flame in the FloodはもともとKickstarterのクラウドファウンディングキャンペーンから始まったもので、目標の15万ドルを上回る25万ドルの資金を集めてその開発がスタートした。

 開発はIrrational Gamesに所属していた『BioShock Infinite』のアートディレクターや、リードレベルデザイナー、リードエンジニアが中心となっており、そのデザインの素晴らしさはグラフィックから見て取れる。

 なお、ゲームそのものは記事執筆現在まだ開発途中のアーリーアクセスであることに注意して貰いたい。仕様は大きく変わるかもしれないし、完成しないかもしれない。それでもサバイバル好きにはオススメしたい、そんな1本だ。

大洪水の世界で生き残った少女

 物語は、大洪水が起きて文明が滅びた世界で生き延びていた少女「スカウト(Scout)」のもとに、バックパックを引きずった老犬「イソップ(Aesop)」が現れるところから始まる。

 スカウトがバックパックのなかを探ってみると、そこには電源の入るラジオがあり何かを発信している。しかし、電波が不安定なのかその声はすぐに消えてしまった。

ラジオからはノイズまじりの声が

 「まだ、人が生きている場所がある」。そのことを知ったスカウトは、電波が入る場所を求め、イソップとともにイカダで川へと乗り出すのであった……

夜の川へと乗り出す1人と1匹

 というストーリーだが、まだ開発段階のため延々と川を下り続けるエンドレスモードしか遊べない。まあ世界観は伝わったと思うので、ビビッときた人は続きを読んで欲しい。

イカダで激流川下り

 オープニングがおわると、早速イカダでの川下りがスタートする。マウス、もしくはWASDキーでイカダの舵をうまく操作し、流れに沿いながら川を下っていこう。

家や島に当たらないように避けよう

 気をつけたいのは、途中にある島(おそらくはもともとは丘だった場所)や流されている車や家などの障害物にぶつからないことだ。もしもぶつかってしまうとイカダの耐久値が減り、ゼロになるとあわれイカダは水の底。そうならないためにも、川の流れを読みながらうまく操舵しよう。

上陸できるのは一度きり

 川をくだって最初の夜が明ける頃になると、いくつかの上陸ポイントが見えるようになる。

桟橋がある場所に上陸できる

 ただし、すべての上陸ポイントにあがることはできない。例えば川の左右に上陸ポイントがある場合はどちらか片方しか寄れないし、目的の上陸ポイントに行くコースを取っているつもりでも川の流れによっては近づけないこともある。

 見えてくる上陸ポイントから、どのコース取りをするかによってその後の川下り人生は大きく変わるだろう。

 なお、上陸ポイントはそのアイコンを見ればどんなアイテムが手に入るかある程度分かるようになっている。枝や草などの素材が欲しければ森へ、板やナットなどの物資が欲しければ街やガソリンスタンドへ向かおう(いずれも人はいないが)。

街では文化的なアイテムが手に入る

 そして、今いる川のゾーンによっては「出やすい上陸ポイント」と「出にくい上陸ポイント」が存在する。例えば自然あふれる場所では森やキャンプが多いし、工場地帯では街や工場跡が多い。

工場も洪水には勝てなかった

 自分がどのゾーンにいるのか把握したうえで、目的のアイテムを探していこう。

資源を採集してアイテムクラフト

 と言っても、最初は森やキャンプ地に着くことになる。そこでは「CAT TAIL(ガマ)」や「SAPLING(若木)」などの植物系アイテムが手に入り、これらは多くのアイテムをクラフトする際の素材となる。

 また、食べられる「MULBERRIES(桑の実)」や「Yucca(ユッカ)」もあり、こちらは序盤の食糧事情の手助けとなる。とくにガマは縄にもなれば食べて良し群生してるわで万能アイテムだ。

縄になる食える大量と3拍子揃ったガマ

 ひとまず初期に手に入るアイテムから新しいツール類やトラップなどを作れば、川下り暮らしはゆっくりと便利になっていく。

トラップを作ればウサギも捕れる

 ただし、忘れてはいけないのはThe Flame in the Floodが「移動系サバイバル」だということだ。アイテムを際限なく溜め込めるわけではないので、必要不十分な少ない量で泣く泣く次の上陸ポイントへと旅立たないといけないこともしばしば。

すぐにいっぱいになるインベントリ

 どのアイテムを持っていき、どのアイテムを諦めるかといった選択も重要だ。

アップグレードで目指せ快適イカダ

 上陸ポイントをめぐって木の板やナットなどの資源がある程度溜まったら、マリーナへと立ち寄ろう。ここでは前述の資源を消費してイカダが受けたダメージの修復ができる。

マリーナでイカダを修理

 また、イカダの材料があれば「storage(ストレージ)」を追加してアイテムの保管料を増やしたり、「rudder(舵)」を改良して川を移動しやすくしたりもできる。

 どのアップグレードを施すかによって、その後の探索はかなり左右される。ちなみにオススメは「shelter(避難所)」の追加で、これがあるとイカダで眠れるようになるため旅がかなり快適になる。

もうイカダだけで暮らしていける

ステータスに注意

 そう、The Flame in the Floodでは眠ることは重要だ。もちろんそのほかに食べること、飲むこと、温まることも忘れてはならない。

廃バスのなかでも眠れる

 これら4大ステータスは半分になると警告が表示され、ゼロになると即スカウトが死んでしまう。つまり「ゼロまでまだあるから大丈夫」ではなく、50になった時点で「死にそうなほどお腹が減っている・喉が乾いている・凍えている・疲れている」と判断して良い。

半分を切ったらピンチ

 ひとつでもおろそかにしていると、上陸ポイントの状況によってはすぐに死んでしまうことになる。50を切りそうになったら、なるべく早めに回復するようにしよう。

 また、イバラで擦り傷を負ったりイノシシに突撃されて骨折したりすると、バッドステータスが付与されてしまう。これらはアイテムを使用しないと回復しないため、バッドステータス回復アイテムはイカダに常備しておきたい。

死にそうな顔になるスカウトちゃん

スカウトを狙うオオカミ

 さらに川を下り続けていくと、上陸ポイント内にオオカミが出現するようになる。

 オオカミどもは夜はもちろん、ときには昼間にも現れスカウトをご飯にしようと襲ってくる。オオカミが見えたときはすぐに逃げるようにした方がいい。トラップや弓矢で戦うこともできるが、オオカミの素早い動きに勝つのはかなり難しい。

オオカミはどこまでも追ってくるうえに足が速い

 とくに夜になると複数体で出現して回りこんでくることもあるため、あまりムリをしないようにしよう。と言っても、ムリをしなければ資源は手に入らないのだが……。

 オオカミに攻撃されてもすぐに死ぬわけではないが、切り傷のバッドステータスが付与され、動きが鈍くなったところを狙って追い打ちを食らう可能性が高い。そうなると、そこに待っているのは死=ゲームオーバーだ。

上陸地点でことごとくオオカミに待ち伏せされて眠れずにゲームオーバー。これもオオカミのせいにしていいよね?

ゲームオーバー時はどこまで進んだかルートが表示される

死んでもアイテムは引き継げるが……

 ゲームオーバーになった場合は、「Continue」をクリックするとイソップのバックパックに入れた物資を次のゲームに持ち越してのプレイができる。つまり、貴重品をイソップに持たせておけば、次回プレイではもう少し楽なプレイができるのだ。

 しかし、筆者は何度もプレイしているうちに気付いてしまった。オープニングでイソップは、白骨化した死体からバックパックを引きずりだしてスカウトに渡している。プレイヤーは、これを何度も何度も繰り返して死んでいく。

イソップよ、その白骨死体は誰の死体なのだ……

 これはもしやイソップは、次なるスカウトを川下りという死の世界へと導き続ける悪魔のような存在なのではないだろうか。ゲーム中にスカウトが死ぬことはあるが、イソップだけは毎回無事だ。

 実際のところどうなのかは、そのうち実装されるであろうストーリーモードを待つことにしたい。BioShockのような「深い世界観」を味わわせて貰えることだろう。

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『The Flame in the Flood』は軽量なゲーム。システム要件でも、CPUがデュアルコア2.5GHz以上(Dual Core Processor, 2.5 GHz or higher ) 、グラフィックはDirectX11対応のグラボ(DX11 compatible video card)とハードルが低い。GeForce GTX960搭載のミドルクラスゲーミングPCユニットコム『LEVEL∞ (レベル インフィニティ) C-Class | コンパクト・ミニマムモンスター・ゲーミングPC』なら、余裕でプレイ可能だ。

『The Flame in the Flood』
●The Molasses Flood
●1980円(2015年9月25日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル アクション、アドベンチャー、独立系開発会社、早期アクセス

■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga

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