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LAVIE VEGA 実機レビュー = 2020を先取りしたプレミアムな新モバイルノートだった!!

2020年02月20日 19時00分更新



 NECは2020年春モデルのメダマである15型のクリエイター向けノートPC 「LAVIE VEGA」を、2月20日に発売した。これまでの15型ノートとはデザインも作りも異なる新モデルである。製品版を試用できたのでレポートする。

LV950のお値段は量販店で約31万円

第9世代の6コアCPUに
4Kの有機ELを搭載

 VEGAの最大の特徴は、クリエイター向けということで、現行最速クラスの第9世代コアHつまりCoffee Lake Rプロセッサー「i7-9750H」を搭載していることだ。TDPが45Wの6コア12スレッド、ターボブーストで4.5GHzで駆動する。

 VEGAの店頭モデルは3つで、メモリーとストレージは最上位のLV950/RALが16GBと1TBで、LV750/RAでは8GBと512GBだが、ともにSSDにはインテルOptaneメモリーを搭載して高速化を図っている。LV650/RAというモデルは、コアi7ではなく、AMD Ryzen 7 3750Hを搭載し、フルHD液晶にメモリは8GBで通常のSSD512GBを積む。

最上位モデルの天板はゴリラガラスだっ

冷却のための吸気口が底面中央に並ぶ

 上位2モデルのディスプレイは15.6型の有機ELディスプレイ、グラフィックチップはCPU内蔵のインテルHDグラフィックス630のみである。

 このOLEDはコントラスト比が10万対1と非常に高く、デジタルシネマ向けのDCI-P3規格を100%クリアしておりHDR対応だ。

 インターフェースとしてはまず、Thunderbolt3(USB3.1)のタイプCが本体左に2つ並ぶ.DusplayPort出力が可能で、USB Power Delivery3.0対応。付属のACアダプターもここに接続する。加えてUSB 3.1×2のタイプC×2が本体右側にあり、外部機器の充電にも利用できる。また、4極ミニプラグのヘッドホンマイクジャックとmicroSDHCカードスロットも搭載している。

底面は3辺の角が削がれたデザインである

日本のパソコンもついにタイプAをつけない時代に突入です

 タイプAをまったく搭載せず、旧来の周辺機器を直接接続できないのは面倒だが、未来を考えるとこのカタチになるのは仕方がない。

 通信機能は最新のWi-Fi6(2.4Gbps)内蔵で、Bluetooth はSmart Ready(Ver.5.0)を搭載している。ちなみに下位モデルのLV650のタイプCはThunderboltではなく、無線もWi-Fi5となる。

狭額縁でスマートなデザイン
2キロを切る重量も魅力なのだ

 箱から取り出して手にしたとき、イチバン印象的なのはやはり天板である。Corning Gorilla Glass6が貼り付けられているのだ(LV950/RALモデル)。光沢がありながら、指紋のあとがつきにくく、とても美しいという3拍子そろったアイデアである。

 LV750とLV650ではアルミ天版となるが、そのぶん本体の厚みがガラスの場合の18.3ミリより0.4ミリ薄い17.9ミリとなる利点はある。LV950はアルマイトネイビー(型番末尾L)のみだが、下位2機種ではアルマイトシルバー(型番末尾S)も選択できる。最上位のLV950では、コルタナ起動時には中央のLAVIEロゴが光って応答するというオマケもついている。

右がLV750とLV650で選べるシルバーモデルです

 マシンを起動すると、4KOLEDがまぶしいくらい明るく鮮やかである。昨年来、各社から4KOLEDを搭載した15型ノートが発売となっているが、輝度の設定はメーカーによってさまざまで、中には「えっ、これOLEDですか」といいたくなるような、暗めな(よくいえば省エネな)機種もある。VEGAはギンギラに光らせていておじさんとしては好感度最上位である。

 重さは、ガラスのためかLV950が1.9キロで、LV750は1.8キロと100グラムも差がある。バッテリの駆動時間はJEITA2.0で10.2時間と10.4時間と微妙な差がある。

 ちなみに、VEGAの店頭モデルには、AdobeのCreative Cloudのフォトプランを1年間利用できるライセンスキーがついていて、Lightroomと同Classic、Photoshop、20GBのクラウドストレージが使える。個人で契約しなくていいので楽ちんだ。

本体もディスプレイ側も薄くてスッキリしたデザインで、OLEDは上下左右の視野角も広い

「プロキー」が左側に並ぶ
キーボードの感触もステキなのだった

 VEGAは、NECの15型ノートとしては「ひさしぶり」の、「テンキーレス」キーボードを搭載している。おじさんたちの願いがかなった、とてもうれしいというか、勇気ある決断に拍手なのである。

この「デカいエンターキー」がなんだかNECでうれしいのである

 キーボード面全体はダークブルーで、キートップはさらに深い青、キーの印字はベージュ系というシックな作りである。キーのひらがな表記も小さく、アルファベットのならびがとても見やすい。そして巨大な「エンターキー」が、ラフなキー入力のおじさんたちにとってとってもありがたいのである。バシーンと叩きたくなるのだ。

 キートップは「シリンドリカル」形状ということだがあまり感じられなかったが、キーストロークは1.7ミリと深めで、押し甲斐があり、きもちがいい。

 メインキーの横幅は287ミリとたっぷりとってあるにもかかわらず、さらに左側に1列の「プロキー」が並ぶ。このP1~P5には、デフォルトでWord、Excel、PowerPoint、Lightroom、Lightroom Classicでのショートカットキーが定義されていて、もちろんユーザーが定義もできる。

P4には「Windows+PrintScreen」が定義されていて便利でした

 おじさんとしては、このキーをつけるくらいなら、CapsLockキーとCtrlキーを簡単に入れ換えられるほうがありがたいですね。ホームポジションから手を動かさずに「Ctrl+○」的ショートカットを押すほうが効率的でございます。

 このPキーのいちばん上が電源ボタンなのだが、キーボード並びにありながら、きちんと「押し応え」があるスイッチが入っていて、電源ON時には光るしくみで、とても使いやすい。NECの良心なのである。

 キーボード手前のタッチパッドは横100ミリ、奥行き55ミリの全面ボタン型だが、15型につけるならもう少し大きいものにしたほうが使いやすいし、おじさんとしては「ボタン別型」にしていただけると拍手なのである。まあ、本気で写真やビデオをいじるときはマウスを使うから、邪魔にならないようにあえて小さくしてあると考えよう。

タッチパッドはこのサイズなら手前にボタンつけられそうですね

 ディスプレイ部は狭額縁で、左右はそれぞれ5ミリ、上部は11ミリあるが、Windows Hello対応の顔認証カメラがついている。液晶上部のフチの部分には4つものマイクが並んでおり、画面を閉じてスリープにした状態でも、声だけでコルタナ様にご用を申しつけられる仕様だ。

「LAVIEかんたん設定」でこれら5つの指定ができます

バッテリーの充電方法も指定可能

どれくらい省エネにするかもこちらで設定です

「プロキー」のデフォルト設定はこんな並びです

ベンチマークテスト
Hプロセッサー単独の威力

左右に設置された大型ファンとその間のヒートパイプが美しくレイアウトされています

 速度の計測はLV950/RALで電源モードは最も高いパフォーマンスとして実施した。

 まずCPUそのものの回りかたをみるCinebenchでは984という値が出た。おなじCPUを搭載した他社モデルでは、デルのXPS15の2019年モデルでは1174、ASUSのROG ZEPHYRUSでは1299という値が出ている。ともにGPUを搭載した「高度冷却装置内蔵」モデルであり、LAVIE的にはこのあたりまで回しておこうということだろう。

 3DMarkではFireStrikeで1188、TimeSpyで486と出た。i7-9750Hを搭載して外部GPUのないPCがあまりないので比較しにくいのだが、最新第10世代のIceLakeの強力な内蔵グラフィックと比べてみると、いまのところi7-1065G7搭載モデルで最速(オレ的にだが)記録を持つデルのXPS13の2in1では2940と978という値が出ている。おとなしめのi5-1035G7を積んだSurface Laptop 3の13インチでも2547と893が出ており、Iris Plus Graphicsの威力を感じる。

 i7-8565Uを搭載したLAVIE Pro Mobileで1214と469なので内蔵のHDグラフィックス世代としては、3D性能に関してはHといえども、Uプロセッサーと同等となってしまうのだ。とはいえ、CPUベンチではLAVIE Pro Mobileは578だったから、4コア8スレッドに対して6コア12スレッドの威力は効くのである。

 SSDの速度はおなじみCrystalDiskMark5でマルチシーケンシャルリードが2562、ライトが1629となかなか高速でH10の威力が出ている。高額にならずに1TBのSSDを搭載しているのは、「クリエイター」向けノートとしてはありがたいのである。

搭載しているOptane Memory H10は「HBRPEKNX0203AL」でした

 バッテリーは80Whを搭載しており、「最も高いパフォーマンス」で、パフォーマンスを優先する「LAVIEモード」、OLEDは最高輝度で実施した。BBenchで電源がキレるまでは2時間50分と、この条件ではよく持っている。OLEDの輝度を落とせば倍もつにちがいないのである。

 ACアダプターは95Wの出力で、充電時間はおなじシビアな条件で50%までが37分、70%までが58分、90%までが83分とこれも優秀で、充電能力は高い。

スピーカーは太くて長さも60ミリ以上あり、当然音もいいのだ

メモリーをよけるようにうねるヒートパイプのレイアウトが美しいですね~

これからのモバイルは15型になる
速度とOLEDと軽量の好バランスモデル
クリエイター向けならGPU内蔵も希望

 昨年から唱えているが、これからのモバイルノートの主流は13型から14そして15型へと大型化する。メールとWEB参照だけならいいが、Excelできちんとした表を作る、Photoshopで写真を仕上げるといった作業には、大きな画面ほど効率が上がるからだ。

 そして、今年はなにかとモバイルワークが強力に推進されている。オフィス以外でより効率的に仕事をするのが重要になってくる。VEGAはそこも狙っているのだ。

 15型のOLEDに、ストレスのないHプロセッサー、そして大容量ストレージを積んだVEGAは、もちろんクリエイターにもいいのだが、ビジネスマンの「プレミアム」なモバイルノートとしてもピッタリな逸品である。

 逆にこのデザインで、外部GPUを搭載した「VEGA PRO」が出てくれれば、3Dゲームやビデオ編集にもつかえる超力モバイルノートになるので、ぜひNECさんよろしくおねがいします~~

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