2020年01月02日17時00分

2万5000円もするドイツ製ボールペンを買った理由

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普段使うボールペンについて

 みなさん、ボールペンは使っていますか? 私は毎日使っています。

 業務はほとんどPCでこなしますが、ボールペンを使う機会も絶対に1日1回以上はあるのです。伝票を書いたり、メモをしたり、アイデアを書き留めておいたり、書類に確認事項を追記しておいたり。

 PC社会であっても、私のような人は多いと思いますが、では、どのようなボールペンをお使いでしょうか。おそらく、ノベルティでもらったものや会社の備品、すこしこだわる方だと、特定のブランドの書きやすいボールペンをまとめ買いしている、という感じではないかと推測します。

 私もそうでした。記者の仕事は、メーカーや取材先からボールペンをいただく機会がかなり多いので、ボールペンがなくて困るということはほとんどないのです。忘れたとしても、誰も使っていない、誰のものでもない、かつて誰かがどこかでもらったボールペンが共有スペースに置いてあったりします。

高級ボールペンを買ってみた

 ボールペンの価格帯といえば、100円から、高くても500円くらいがボリュームゾーンではないでしょうか。でも世の中には色々なボールペンがあります。中には手作業による純金プレートの貼り付けと彫刻が施され、100万円に届くようなものもあるのです。

 さすがに100万円などのボールペンは、ボールペンというよりも美術品などに近い性質を持っていますし、購入できる人も著しく限られますから、もはや別ジャンルだと思うのです。 

 では、1万円から最大でも10万円くらいまでの、「明らかに、多くのボールペンに対して高級である」ボールペンはどうでしょうか。これらは、趣味性が多分に入っているものの、美術品でなく、日用品であると感じます。

 毎日使うものだからお金をかける、お金をかける必要のないものにはお金をかけないなど、日用品に対する向き合い方は個人差や趣味嗜好が大きく反映されますが、私はあるとき、「これほど利用頻度の高いものだから、思い切ってお金をかければ、毎日すこしだけ気分よく過ごせるのではないか」と考えました。

 目をつけたのはドイツのグラフフォン ファーバーカステルという老舗文房具メーカーの製品。「伯爵コレクション」というシリーズの「ギロシェ」というモデルのボールペンです。「え? 伯爵?」と思いましたが、伯爵クラスの人が使うような最高品質の製品というニュアンスのようです。ちなみにグラフフォン ファーバーカステルは、世界ではじめて、木軸の鉛筆を開発したメーカーであるとも言われています。

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 このギロシェというボールペン、代官山 蔦屋書店の文房具コーナーに陳列されているのを発見したのですが、その当時はたしか22歳くらいで、まだ学生でした。ひと目で品質が高いというか、すごく丁寧な工程で生産されているのが判別できました。そして色がかっこいい。オレンジ色なんですが、普通に生活していて見かけるオレンジじゃなくて、ひと味もふた味も違うオレンジ。

 欧州の人たちは色彩感覚に優れているのか、欧州製品はオーディオの分野などでも、ちょっとした部分の仕上げや色がかっこいいんだよな〜と感じることが多いです。しかし価格は約2万5000円。大層驚きました。100円でも同じ役割が果たせるのに、2万5000円もかけるのはどういう了見だ? と思いました。当時は。

 しかしそのときから6年ほど経っても、時折そのボールペンのことを考えていることがありました。普段は、いいな、ほしいなと思っても「別に必要かというとそうではない」と考えて、物欲を打ち消すことが多いです。

 しかしこのボールペンに関しては、6年の歳月をかけ、発見したときの衝撃が「まったく必要ではないが、どうしても欲しい」という想いに変化しました。

 そんなこんなで、2万5000円もする高級なボールペンを買ってみることにしたのです。買いに行った日も、さすがにどうかと何度も思い返して、購入に踏み切るまでに1時間くらい使いましたが、いまでは買って良かったと思っています。

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 表面の細かい模様は手彫りらしく、観察していて楽しいです。金属部分は、貴金属である「ロジウム」でコーディングされていて、ステンレスやアルミにはない、独特の柔らかいツヤがあります。

 使い始めてみると意外にラフに使ってしまい、傷も結構入っていますが、なぜか気にはなりません。それより、使う瞬間にすこしだけうれしいのが、毎日体感できるので、ボールペン1本で生活に潤いが出たな、という喜びが大きいです。

 さらに購入の弁解ですが、365日使うと、2万5000円のボールペンでも、日割りで68円。まるで保険の勧誘かのような文句ですが、1日68円の出費で、これほどいい気分に慣れるなら、かなりいい買い物であると思います。

 高額なボールペンなど、重役や社長さま方が使う方がふさわしいのではと考えていましたが、自分で使ってみると、思わぬ楽しさが日常にプラスされ、非常にいい体験となりました。紛失や破損に注意して、愛用したいと思います。

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