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ウェブブラウジングや動画閲覧は快適

あると結構便利、活用できるシーン多い2万円台の8型Windowsタブレット

2018年10月19日 07時00分更新

「WN803」

 マウスコンピューターの「WN803」(関連記事)は8型のWindows 10タブレットだ。最大の特徴は、Windows 10を搭載しながら、2万6784円という価格を実現している点。今回は、実際に使っての使用感を解説する。

 使っていてまず目につくのは、8.0型で800×1280ドットというディスプレー。前回も触れたが、8型にしても、800×1280ドットというのはおさえ気味のスペックだ。

 この部分は価格にも大きく反映されているため、価格と機能のトレードオフと割り切りたい部分。ただし、WN803の場合は表面にわずかに光沢を抑えたフィルムを出荷時点で貼付しており、このフィルムによって、視認性が向上している。

解像度の粗さは、フィルムのおかげで緩和されている

 具体的にいえば、フィルムによってパネルのドットが程よく拡散されて見えにくくなっているため、手に持った距離で使っていると、それほどドットが目立たないのだ。

 画像を表示して細部まで観るといった用途だとスペック不足は否めないが、文書作成やメール、ウェブブラウジングといった通常利用では、大きなストレスにはならない。使用時には、Windowsの解像度設定からOS自体を不自然に感じない比率に変更して使うといいだろう。

ブラウジングの快適さも◎

ブラウジングは快適。使いやすいサイズ感だ

 実際に無線LAN環境で、インターネットを楽しんでみた。結論からいえば、平均的なタブレット端末と比較してまったく遜色ない読み込み速度を実現している。プロセッサーはAtom x5-8350(1.44GHz)とこのクラスのタブレットの平均的なスペックなのだが、やはりIEEE 802.11acでの通信に対応しているのは大きいだろう。

 もちろん回線の品質に通信速度は左右されるが、GBクラスの光回線でなくとも、IEEE 802.11ac環境で使えば、それなりに快適に使えるはず。家庭のリビングや、オフィスの常用端末としては最適だ。

 ただし、アニメーションやグラフィックを多用するような、トップに大きなアニメーション、トップページに高解像度の写真が大量に並んでいるようなサイトを開いたときは、ハイエンド機との多少の差は感じる。

 ニュースサイトや情報サイト、企業のコーポレート代表ページのように、テキスト情報中心のサイトなら、ノートパソコンなどと変わらないパフォーマンスでブラウジングができる。

 プロセッサーの処理性能は特別高くなく、加えて2GBというメモリー容量のため、イメージとしてはスマートフォンの使用感に近い。テザリングやモバイルWi-Fiなど、不安定になることがある回線よりも、固定回線を無線LANルーター経由で使う方がおすすめだ。

 もちろんYouTubeなど動画サイトの閲覧も快適。苦手なのは、一気に情報量の多いコンテンツを大量に読み込んでエンコードするような作業が発生するようなサイトだ。それ以外では、とくにストレスを感じないはず。

文字入力は多少もたるが、十分使える

USB Type-Aが使用できる変換ケーブルを使用すれば有線のキーボードやマウスも使えるが、Bluetooth対応デバイスのほうが使いやすいだろう

 続いてはタイピングを試してみる。外部機器を使わない場合、本機はWindows 10標準のソフトウェアキーボードで文字を入力することになる。ディスプレーの反応はよく、普通に使っていて文字入力に困るということはない。

 ただし原稿を書くときのように、短時間に大量の文字を打つような使い方では、多少の打ち漏れや、反応が遅れるといったシーンが見られた。

 本機の問題というよりも、タブレット端末全体にいえることだが、ある程度以上の速さで文字入力したいときは、Bluetoothキーボードを併用するといい。本機はBluetooth 4.0に標準で対応しているため、市販の小さめのBluetoothキーボードなどと組み合わせるといいのではないだろうか。

 その場合でも、あまり速く打つと、若干の詰まりが出ることがあるので、どちらかというと、簡易的に資料を作ったり、メールに添付されてきた文書を手直しして送り直すといった用途に向く端末だといえる。

 処理性能の高さといった部分よりも、約315gという軽量ボディーでWindows 10がフルで使えるという部分に魅力がある端末なので、うまく最適な用途をみつけたい。

サブ端末、共用端末として優秀

 多少厳しい評価も書いたが、すべては「2万6784円でWindows 10」を搭載という部分で帳消しになると思う。

 Core i7を搭載するようなハイエンドなノートや、ビデオカードを積むような処理性能の著しく高い端末と比べれば、弱点があるのは当然だ。むしろ、ペットボトル1本を運ぶよりカバンを重くせず、いつでもWindows 10が使える環境を手に入れられるという部分がこの端末の魅力だろう。

 リビングに置いておいて、家族が好きなときに使う端末、チーム内で資料を閲覧するために使う端末、メインマシンは別に持っていて、会議やちょっとした外出のときにWindows 10が使える端末など、活用できそうなシーンは多い。用途を絞って、ランチのときに外に持っていく専用の端末、車のダッシュボードに積んでおく非常用端末などといった運用も面白いかもしれない。

 数々のBTOパソコンを世に送り出してきたマウスコンピューター製の端末だけあり、動作はしっかりしているので、8型でWindows 10搭載、3万円を下回る価格。この3点に魅力を感じたら、購入しても後悔はしないはず。用途を絞ったり、ある程度の割り切りを持って使えば、便利に楽しく使えるだろう。

試用機の主なスペック
機種名 WN803
CPU Atom x5-8350(1.44GHz)
メモリー 2GB
ストレージ 32GB eMMC
ディスプレー 8.0型(800×1280ドット)
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0
内蔵カメラ 前面:192万画素、背面:192万画素
インターフェース USB 2.0(microUSB)端子、microHDMI端子、ヘッドフォン出力/マイク入力端子、microSDカードスロット
サイズ/重量 およそ幅210×奥行122×10mm/約315g
OS Windows 10 Home(32bit)
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