2016年02月09日21時00分

auの2015Q3決算は増収増益も「実質0円」終了で来客減

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KDDIの田中孝司社長

 KDDIは9日、2016年3月期第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比3.8%増の3兆2990億3100万円、営業利益は同11%増の6724億4200万円で増収増益。公約となる通期2ケタ成長に向けて順調な進捗となった。昨年末の総務省のガイドラインに従い、2月から「実質0円」のような販売ができなくなったことで、今後の端末売り上げが「読めない」(田中孝司社長)ことから通期予想は据え置くが、田中社長は2ケタ成長の達成には自信を見せる。

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第3四半期の主な数字

 KDDIは、前年まで会計基準として日本基準を採用していたが、今期から国際基準のIFRS基準を採用しており、前年の数字をIFRS基準に変換したうえで比較している。その結果、第3四半期単独では営業利益が25億円減の減益となるが、これは減価償却の算出などが影響したとしており、「前期との比較ではなく、進捗率でみてほしい」と田中社長。通期予想に対する営業利益の進捗率は82%となり、順調な決算をアピールする。

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日本基準からIFRS基準に変更したことで営業利益は減益に見えるが、進捗自体は順調だという

 営業利益を押し上げたのは本業の携帯事業で、au通信ARPAが前年同期比447億円増、付加価値ARPAが同62億円増となり、これが2ケタの増益につながった。両者を合わせた総合ARPAは、この第3四半期で同2.8%増の6160円となり、「毎月割」のコントロールによって順調に拡大している。

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営業利益をけん引したのは携帯事業
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総合ARPAは順調に拡大

 純増数は136万契約で前年の146万契約より減少しているが、スマートフォンシフトがひと段落し、MNPの流動性も減少しているとして、「こんなものかなというのが本音」(田中社長)。ユーザーひとり当たりのデバイス数が予想を上回る1.4台になり、タブレット端末などの需要で純増数が増加しているという認識を示す。

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純増数は減少したが、ひとり当たりのデバイス数の増加を重視する

 毎月のデータ使用量は全体では3.59GBなのに対し、20代で4.96GB、10代で5.19GBであることから、25歳まで5GBを増量する学割サービスを提供してユーザーニーズに応える。学割の提供に対して、家族を「auスマートバリュー」に誘導することで、固定回線の拡大につながれば、全体として収益の拡大につながるという判断もあるだろう。

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利用の多い若年層への訴求を図る
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「auスマートバリュー」の利用も拡大

 総務省のガイドラインに従い、1GB5000円未満のプランとして、スーパーカケホ「データ定額1」を3月から提供する。月額料金は4900円で、auスマートバリューと併用することで3966円になることで、スマートフォンへの移行をさらに促したい考えだ。

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1GBプランはスマートバリューとの併用で4000円を切る価格をアピール

 「auスマートパス会員」は同16%増の1402万契約、「au WALLET」会員は同110%増の1810万契約、「au WALLET Market」会員数は170万契約となった。今後、オフラインの決済やショッピング事業をさらに拡大して収益につなげたい考え。そのため、ジュピターショップチャンネルにも資本参加し、テレビ通販とモバイルを組み合わせた30~40代向けの新番組を提供するという。

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「auスマートパス」と「au WALLET」の会員数は拡大しているが、特にau WALLETの黒字化に向けた取り組みが課題となるだろう
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auショップで商品を販売する「au WALLET Market」の会員数は拡大しているが、「実質0円」の廃止などで店舗への来客が減少すれば、てこ入れも必要となってくるだろう

 「auでんき」事業は4月1日の提供開始を前に受付が始まっているが、「計画通りの数字」(同)で進捗。海外のミャンマー通信事業も2014年7月の開始以来、累計契約数は1800万契約に達し、順調に拡大しているという。

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電気料金に応じてキャッシュバックする「auでんき」

 現時点での決算は順調だが、2月からの「実質0円」の終了に伴って、店頭の来客数は減少しているという。1月末の駆け込みによって先行需要があったこともあり、今後の動向については未知数との認識だ。

 今後は毎月の通信料から割り引く毎月割と、ショップに提供する販売奨励金の2つを順次削減することで、端末価格を一定にコントロールする考え。その後の端末売り上げの動向などを見ながら、削減分を踏まえた新たな料金プランも検討していく。

 それとは別に、いわゆる「2年縛り」に対しては、違約金を伴わない期間を2ヵ月に延長する計画だ。

 田中社長は、1GBプランの提供が3月からであり、今期の業績への影響はほとんどないとみているが、端末の販売動向が未知数であることから通期予想は据え置く。現在の中期経営計画の最後の年として、目標達成には自信を見せる田中社長だが、来期以降の新・中期経営計画は「足元の市場動向がだいぶ変わっているので、それを踏まえて計画を立てる」(同)としている。


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