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LINEで合い鍵を受け渡せるスマートロックロボAkerunの一般販売が決定!

2015年03月24日 07時45分更新

 みなさま、おはようございます。いまは週刊アスキーの吉田です。さて、個人的に追いかけているスマートロック「Akerun」の開発元である(株)フォトシンスが、(株)NTTドコモ・ベンチャーズ、(株)ネクスト、三井不動産(株)との提携を発表しましたよ。最近、認知されつつあるスマートロックの分野ですが、他社に先駆けていち早く他業種と提携した点に注目です。今回は、その発表に内容をお伝えします。

Akerun

 まず、登壇したのはフォトシンスの河瀨航大社長。

Akerun

 スマホなどのデジタル機器の普及が進むなか、鍵だけはいまだにデジタル化が遅れていると指摘。

Akerun

 Akerunは、複数の鍵を持ち歩かなければならない状況を解決する製品であり、スマートフォンを利用することで鍵を使うことなく解錠や施錠が可能であることを説明。

Akerun

 Akerunは後付けできるスマートロックであり、玄関の扉の内側に手軽に装着可能です。強力な粘着テープを採用しており、一度取り付けると外れることはないとのこと。

Akerun
Akerun

 装着後は、同名の「Akerun」アプリをインストールしたスマホを利用して解錠が可能になります。初期状態では、解錠後にすぐ自動的に施錠する設定になっているので、オートロックを手軽に実現できる点にも注目ですね。

Akerun

 Akerun自体は単三電池×4本で駆動しており、スマホとの通信にはBluetooth Low Energyを利用するため2年程度は電池交換が不要とのこと。また、電池残量は随時記録されるため、残量が40%以下になった場合に利用者のスマホにプッシュ通知やメールでの通知が可能です。

Akerun

 Akerunの導入によって、鍵を差し込んで鍵を回して解錠、鍵を差し込んで鍵を回して施錠という操作が、スマホのアプリでワンタップするだけで済むようになります。

Akerun

 スマートロックの特徴ともいえるのが、鍵のシェア。Akerunでは、LINEやFacebookなどの友達リストから相手を選んで、簡単に合い鍵を渡せます。

Akerun

 LINEの場合は、ユニークなURLがその都度生成されて相手に送られます。

Akerun

 受け取った相手はURLをクリックするだけで、合い鍵を受け取れるというシステムです。もちろん、合い鍵の有効期限も設定可能なので、セキュリティー面で問題が発生する可能性は低いでしょう。

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 スマートロックの市場規模については、電子錠市場だけをみると496億円ですが、不動産仲介事業や勤怠管理、ホテルフロント、貸宿・空きスペースなどの市場を含めると1兆円を超える規模だそうです。

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 河瀬氏は、Akerunをスマートロックではなくスマートロックロボットと呼んでいると説明。今後の展開として、外出時に天気予報や電車の到着時間を通知したり、帰宅時に照明を付けたり、お気に入りのテレビ番組にチャンネルを合わしたりといった付加機能も検討しているとのこと。もちろん、これらのデバイスがBluetooth Low EnergyでAkerunと繋がっている必要がありますが、すでにBluetooth Low Energyの対応モジュールが他社から登場していますので実現できる環境は整っています。

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 続いて登壇したのは、NTTドコモ・ベンチャーズの栄藤稔社長。同社は、フォトシンスとホテルのスマート宿泊システムを共同開発しており、まずはドーミーインと提携してフロントを介さずに宿泊できるシステムの実証実験を行うとのこと。

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 これにより、ウェブから事前にチェックインしておけば、フロントに立ち寄らずに部屋に到着し、スマホで部屋の鍵を解錠できるようになります。解錠・施錠した日時は記録されるので、チェックインやチェックアウトの時間も把握できます。

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 3番目の登壇者は、不動産情報サービスである「HOME’S」を運営している(株)ネクストの井上高志社長。フォトシンスとはスマート内覧システムを共同開発しています。

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 Akerunを利用することで、該当する不動産物件の鍵を管理する会社が合い鍵をシェアするだけでスムーズな物件内覧が可能になります。従来は内覧を希望する場合、鍵を管理している不動産会社の立ち会いもしくは鍵を借りる必要があり、いますぐ物件を見たいというニーズに応えるのは難しい問題でした。

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 ネクストでは現在、足立区、江戸川区、横浜市でスマート内覧の実証実験を行っています。

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 最後に登壇したのは、三井不動産のビルディング本部、法人営業統括部の光村圭一主事。Akerunを利用した空きオフィスの有効活用についての説明がありました。

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 「どこでもオフィス」(仮称)というサービスを提供予定で、空き物件の提供を三井不動産、スマートロックの提供をフォトシンス、システムの提供を日本ユニシス(株)が担当します。

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 スマートロックの活用により、出張時の仕事場所、外回りの営業時の一時立ち寄り場所、ワーキングマザーのサテライトオフィスなどを、従来に比べて手軽に実現できるようになります。

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 三井不動産では、現在約300棟のビル、約80万坪のオフィス床を運営しているが、同社の戦略で急な案件に備えるためにあえて満室にはしていないとのこと。とはいえ、利益を生み出さない空き物件が存在するのは事実。スマートロックの導入で、これらの空きスペースを短期利用を促進できるとのこと。空きオフィスにAkerunを設置しておくことで、登録ユーザーは自宅もしくは営業先の最寄りにある貸しオフィススペースを低価格で利用可能になるほか、管理会社側にとっては空きオフィスに管理人を常駐させる必要がなくなるというメリットがあります。

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 Akerunは、B to B向けのサービスを展開予定ですが、一般向けの販売も予定しています。発売日は4月23日で、価格は3万6000円(税別)。フォトシンスのウェブサイトで予約を受け付けるほか、AppBank Storeでの店頭販売も決まっているとのこと。

 Akerunのコンセプト画像もYouTubeで公開されていますよ。

■関連サイト
Akerun(製品紹介
Akerun(購入
フォトシンス
39ホテルプロジェクト(NTTドコモ・ベンチャーズ)
HOME’S(ネクスト)
三井不動産

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